ドラゴンさんの子育て日記81
新聖暦898年 茄月の一日
今月は王都の竜の祝祭である。去年は参加しなかったから、二年ぶりの参加だ。我は楽しみだ。
今年はびゅっと飛んでいくのでしばらくゆっくりしてから向かうのである。
新聖暦898年 茄月の四日
ライラへのお土産を街で買うことにした。どんどん街は大きくなって、お土産も増えていったりしているから持っていったらライラは喜ぶだろうかとわくわくする。
ラオと一緒に街を見て回ったのも楽しかった。二人で手を繋いでぶらぶらするの、我、好き。それを口にしたらラオに感激して抱き着かれた。
新聖暦898年 茄月の七日
今日は読書をしていた。王都に行った時に楽しい本も探そう。驚くことに人は沢山の本をどんどん出していく。我は文字を読むのがそんなに得意なわけじゃないから、はやく読める人よりは遅いし。
しかし本という楽しさや劇の面白さを知ることが出来たからこれから生きていく中で退屈はしなくてすみそうな気もする。
新聖暦898年 茄月の十一日
今日から王都へと向かう。王都にびゅっと飛んでいくことになった。我が子達もルアノもわくわくしているようで楽しい。
新聖暦898年 茄月の十三日
空を飛ぶ我の上でルグネたちがきゃっきゃっと楽しそうな声をあげていた。子たちが楽しそうだと、我は嬉しい。
新聖暦898年 茄月の十五日
王都にたどり着いた。ライラの元へと向かう。ライラは笑顔で受け入れてくれた。お土産も喜んでくれた。
イラフとドーランが少し大きくなっていた。愛い。
新聖暦898年 茄月の十七日
今日は王都をぶらぶら歩いた。子たちが先導するのをついてく。楽しそうな我が子達を見るだけで我は幸せな気分になる。
ライラも来れたらよかったのだが、ライラはきんきらきんの奥さんとしてやることが色々あるようだ。大変だ。
新聖暦898年 茄月の十九日
今日はライラと一緒にお話を沢山した。ライラは我の話を沢山聞いてくれて楽しかった。我、ライラ、大好き。
新聖暦898年 茄月の二十日
王都の竜の祝祭が始まった。今年もお店が沢山出ていて、楽しい。
新聖暦898年 茄月の二十二日
今日はライラを連れて劇を見に行った。二人でお出かけである。ライラの護衛はいるけれど。
子供たちの事はラオとミカガネが見てくれている。
ライラとこうしておでかけ出来て、我嬉しかった。
新聖暦898年 茄月の二十四日
子供たちとラオとミカガネと祝祭を楽しむ。
竜の道場の連中が剣舞を楽しそうにやっていた。凄く盛り上がっていて誇らしい。
新聖暦898年 茄月の二十六日
竜の祝祭が終わってしまった。
楽しかったけれど、楽しい時間はあっという間で驚いてしまう。
新聖暦898年 茄月の三十日
なんかパーティーがあるとか言われたのでラオと一緒についていった。ライラの傍で美味しいご飯を食べた。ライラが綺麗な恰好をしていて良かった。
新聖暦898年 須月の二日
もうしばらく王都にいることにする。びゅっと飛べば、すぐに巣にたどり着くので問題ないのである。
新聖暦898年 須月の四日
竜の道場の連中と王都で会った。竜の道場の支部を王都にも作るらしい。
……竜の強さを広める! とか言っていた。母君の友人たちはここにはいないが、ノリノリで彼らに広めることを進めてたらしい。
新聖暦898年 須月の七日
2号がお忍びでやってきたのでちょっと話した。難しい話は分からないからラオがそのあたりは対応してくれていた。
新聖暦898年 須月の十二日
イラフとドーランが子たちと楽しそうに遊んでいる。それを見ているだけでもパシャパシャといっぱいしてしまう。
思い出がこうして増えていくのである。
新聖暦898年 須月の十五日
今日、巣に戻ることにした。ライラにまた来るとお別れを告げて、飛び上がる。
新聖暦898年 須月の十七日
空を飛ぶのは気持ち良い。風を感じることも楽しい。
ルグネ、ラビノア、シノウール、ルアノも空の旅を楽しんでいるようで、我と同じ気持ちを感じてくれているかと思うと嬉しかった。
新聖暦898年 須月の十九日
街に舞い戻った。
巣に戻る前に、ライラの様子を伝えるために街に入ったら「おかえりなさい」と見知った彼らが声を掛けてくれる。何だか、そんな風に迎え入れてくれると嬉しい。
新聖暦898年 須月の二十二日
今日はラオとミカガネと色々話した。
子たちが学園に入ったらどうするかと言う話をちょくちょくする。
我はこの街の事を気に入っているけれど、色んな場所をぶらぶらしたい気持ちもあるのである。なので本当に我が子達が学園に行くなら、ルグネを拾う前のようにぶらぶら色んな場所に行こうかなーって気持ちもある。もちろん、ラオと一緒に。
新聖暦898年 須月の二十四日
今日はルグネ、ラビノア、シノウールがラオに剣を習っている様子を見ながら、我はのんびり昼寝していた。竜体で寝そべりながら太陽の光を感じると結構気持ちが良いのである。
新聖暦898年 須月の二十八日
ミカガネが数日巣を開けると言って出かけて行った。寂しいが、送り出した。




