ドラゴンさんの子育て日記80
新聖暦898年 威月の一日
今日は街で竜の祝祭の準備が着々と進んでいるのを見た。竜の祝祭は楽しいからな。
今年はライラたちはこちらに来れないようなので、来月の王都の竜の祝祭に我らが向かうことになっている。ライラは貴族という立場になったので大変なのだ。
代わりに2号の妹の方は護衛を連れてこっちにやってくるらしい。2号の妹も来年には魔法学園に入るらしいので、子達の先輩になるのである。
新聖暦898年 威月の四日
ルグネ、ラビノア、シノウールも竜の祝祭が楽しみらしく、最近うずうずしているようだ。愛い。我が子達は皆が愛らしくて、我はいつもニマニマしてしまう。
新聖暦898年 威月の五日
街には来訪者が沢山いるらしい。ミカガネが街に下りた時に雄に声をかけられたらしい。断ったらしいが、しつこかったという話だ。ミカガネに目をつけるとは見る目がある。しかしミカガネは番がいるので駄目である。
我もミカガネ、好きと言っておいた。
新聖暦898年 威月の七日
きんきらきんから手紙が届いた。
来訪者が沢山いるから2号の妹のことをよろしく頼むという内容だった。まぁ、知っている子供が危険な目に遭うのは我としても望まぬことなのできちんと守るのである。なんか2号はこの国の長という立場だが、その立場を奪いたいとか考えている輩はいるものらしい。
長とあがめた相手からそれを奪おうとするなら最初から長とあがめなければいいのに。なんかややこしい。あと2号の兄と妹が我らと仲よくしているからこそ利用しようと思っているものもいるらしい。うーむ、本当に人はややこしい。我には詳しく分からないからラオに任せておく。
新聖暦898年 威月の十一日
ミカガネが子たちに色々とこの国のことを改めて教えていた。我もそこまで詳しくないので一緒に聞いた。
我はともかくとして、魔法学園に通うのならば人の世に関わっていくということなので色々と常識が違うからということらしい。
確かに変な行動して、我が子達が大変な目に遭ったら困る。そんなわけで特に今年と来年の内に色々と改めて教えてくれるらしい。
新聖暦898年 威月の十五日
2号の妹がやってきた。宿に泊まるということなので、街のものたちにも危険な目に合わせないようにと話しておいた。此処が村だった頃からの知り合いたちは快く受け入れてくれた。我らも共にいることもあるが、ずっと一緒にいるわけではないからの。
新聖暦898年 威月の十七日
今日の2号の妹は街を見て回ったらしい。どんどん変化していく街を見れて楽しかったということだった。
ちなみに2号の妹とは街に下りた時にたまたま遭遇した。楽しそうでよかった。竜の祝祭が始まったら少しは一緒に回るつもりである。子達も2号の妹の事を慕っているしの。
新聖暦898年 威月の二十日
竜の祝祭が始まった。2号の妹もつれてぶらぶらする。毎年のことだが、竜の祝祭は本当に楽しいものだ。
2号の妹は阻害魔法を使っているらしく、2号の妹だとはバレていないようだ。子達も2号の妹がいるのが楽しいらしい。良い事だ。
新聖暦898年 威月の二十一日
驚くことに我の前で2号の妹を攫おうとした馬鹿が居た。捕まえて突き出しておいた。流石に街中で殺すのはどうかなと思ったのである。
きんきらきんと2号に報告がいくようだ。
それにしても阻害魔法を使っているらしいのによく2号の妹だと分かったものである。
新聖暦898年 威月の二十三日
今日はラオと一緒にのんびりと竜の祝祭を見てまわった。劇を見たり、二人で買い物をしたり。ラオとこうして二人で過ごすのも本当に楽しいものだ。子達は2号の妹と一緒に見て回っているはずだ。
2号の妹の護衛もいるし、慣れ親しんだ街なので大丈夫だろうということでそうしている。ちょっと心配だが、学園に入ったら我らはいないのだから少しずつこうして子離れしていかなければならないのだ。ちょっと寂しい。
それにラオが言うには「もし悪い人間がいても俺たちの子なら何も問題ないだろう」って言ってた。まぁ、我が子達は順調に力をつけているから滅多な事では遅れは取らないだろう。それに過保護すぎると駄目だろうから。
あとから合流して聞いたが、懲りずになんか馬鹿な人間がいたらしい。子達がさっさと対処したそうだ。流石我が子たちである。
新聖暦898年 威月の二十五日
竜の祝祭が終わった。2号の妹は明日王都に戻るらしい。狙われてたりするので気を付けるように言っておいた。
新聖暦898年 威月の二十六日
2号の妹が王都に戻っていった。……竜の道場の連中が我とかかわりのある2号の妹が大変だということで護衛として王都についていくことにしたらしい。
王都でも竜の道場を広める! という使命感に燃えているようだ。
新聖暦898年 威月の三十日
あっと言う間に今月も終わってしまった。来月は王都の竜の祝祭である!




