ドラゴンさんの子育て日記78
新聖暦898年 蛇月の一日
ルグネは随分強くなった気がする。魔法の扱いも凄いし、剣もふるっているし。うむ、我が子は人であろうとも自慢の我が子だ。
新聖暦898年 蛇月の四日
今日の夢は幸せな未来の夢だった。ルグネやラビノア、シノウールたちが子をなし、我とラオと、母君と父君と、ミカガネがその子を抱いている夢。
ラビノアとシノウールは竜だからいつ誰と番うか分からないけれど……、ルグネの子と同じころに番ってくれたらなぁとか思った。しかし竜は子を成しにくいし、我のように生まれて数百年経ってから番うのも当たり前だし、番は押し付けるものではないから長い目で見るけれど。
あ、でも我が子達はとても良い子たちなので、異性は放っておかぬだろう。ってラオに言ったら「そうだね。人間からしても綺麗な見た目だしね」って言ってた。
新聖暦898年 蛇月の六日
今日はラオに子たちの面倒を見てもらって、ミカガネと遊んだ。
何だかんだで我と遊ぶのに付き合ってくれるミカガネが好きである。
あと、ミカガネ、いつもありがとう!! って意味を込めてプレゼントもあげた。ミカガネが一緒に子育てしてくれたから我はとても助かったのだからお礼を言うのは当然である。
新聖暦898年 蛇月の九日
ルグネとラビノアとシノウールを連れて、山の中をぶらぶらする。
この山は我が子達にとっても庭のようなもので、気づいたら我の知らないことまで把握していたりもする。我は細かいことは気にしない方なので気にならなかったことまで気づくのだ。
我が子達は凄い。
新聖暦898年 蛇月の十一日
今日は本を読んでいた。本を読むのは楽しい。我が子達も我の持っている本から興味があるものを色々読んでいた。
我が子達と本の話題で盛り上がれるのは楽しい。
夢中になって話していたら時間があっと言う間に過ぎていた。
新聖暦898年 蛇月の十五日
母君の友人たちがやってきた。なんか竜の道場の連中を鍛えたいから山で鍛えていいかとなぜか聞かれた。この山は誰のものでもないので、勝手にやってくれて構わないのだが。
なんか街では我らが住んでいるから我らの許可なしにやらない方がいいという認識らしい。母君の友人たちはそんな許可はいらないだろうと思ったそうだが、一応聞きに来たんだとか。あとたまに巣で休ませてほしいと言われた。まぁ、人は弱い生き物なのでこの山はキツイだろう。ということで許可した。面倒なことを起こしたら殺すとは言っておいた。
新聖暦898年 蛇月の十七日
竜の道場の連中、結構ひぃひぃ言ってる。大変そうだ。ルグネやラビノアやシノウールもたまに楽しそうとかいって混ざってたが、我が子達の方が余裕そうだった。
ラビノアやシノウールは竜だからともかくとして、人の身でありながらルグネはやはりすごい。愛い愛いと思わず抱きしめた。
新聖暦898年 蛇月の二十日
竜体でラオとくっついて寝転がっていたら、我が子達やルアノも我らにべったりくっついて寝転がった。幸せである。
我が子達やルアノも幸せそうな寝顔で、子たちの寝顔って本当に愛いものである。ミカガネにパシャパシャしてもらった。
新聖暦898年 蛇月の二十一日
母君の友人たちはスパルタである。
「もう無理です……っ」「何を言っている。お前なら出来る、自分に勝つんだ」「師匠……っ」という謎の会話をしていた。なんか本に出てきそうな一幕である。母君の友人たちはびっくりするぐらいにノリノリである。
というか、人の書いた本に影響されてそんなノリらしい。
……本当に人の世に馴染んで、楽しそうにしている。
新聖暦898年 蛇月の二十三日
母君の友人たちが竜の道場の連中を連れて街に戻っていった。
竜の道場の連中はボロボロだったが、満足そうな様子だった。ラオが言うには竜の道場の連中は竜に鍛えられているというのもあって人の中では強くなってきているらしい。我にはよく分からないが、そうらしい。頑張っているようだ。
あとこうして山の中でする修行は竜の修行とか言われるようになったらしい。何でも竜をつければいいというものではないと思うのだが……。本人達がいいのならば問題はないだろうが……。
新聖暦898年 蛇月の二十五日
来月に学園都市に行こうと思うので計画を練る。あの蛇にもまた会いに行ってもいいかもしれない。まだあの蛇は怯えるのだろうか?
学園都市に行く頃には2号の兄も学園にいるだろうし、案内でもしてもらおうか。一年、学園都市で過ごしたのならば詳しくなっているだろうし。そんなわけで手紙を書いた。
新聖暦898年 蛇月の二十九日
今月もまもなく終わる。学園都市は、二年ぶりなので我はとっても楽しみである。って話を母君と父君に言ったら母君と父君もついてくるって言ってた。




