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ドラゴンさんの子育て日記75

 新聖暦897年 宵月の一日


 今年もまたルグネを拾った月がやってきた。なんともこの月はルグネを拾った月なので特別な月に感じてしまう。ルグネをぎゅっと抱きしめる。「母さん、どうしたの」と聞かれたが、我はルグネに会えたことが本当に嬉しくて、幸せなのだ。


 新聖暦897年 宵月の四日


 街にはどんどん人が増えてる。我の知らない顔も沢山増えてる。人が増えて、大きな街へと変化していく変化が我は楽しいと思う。だけど、このこの街の知らない顔が増えてくことはちょっと寂しいと思う。

 ああ、でも、人の寿命は短いからいつかこの我が特別に感じた街に居る人々も皆いなくなってしまうのか。ルグネもそうだ。いつか、彼らは我より先に死ぬのだ。うーん、考えても仕方がないが、考えるとちょっと寂しい。


 新聖暦897年 宵月の七日


 母君と父君がやってきた。母君と父君も仲がよさそうでよいものだ。昔の我は母君と父君の仲など気にしていなかったが、今ではすっかり気になるものである。

 母君と父君がやってきたというのもあって子たちははしゃいでいる。良きことよ。


 新聖暦897年 宵月の十日


 母君と父君はまだいる。母君と父君もルグネたちが学園に入るかもしれないというのを把握しているので、それまではちょくちょく来る予定だと言っていた。

 子たちとの交流を深めたいようだ。うむ、気持ちは分かる。だって我が子たちはびっくりするぐらいに愛いのだから。


 新聖暦897年 宵月の十一日


 母君に竜の道場に連れていかれた。母君が友人たちと話している間になぜか我が竜の道場の連中を鍛えることになった。何故だと思ってならないが、まぁ、よかろう。

 気分が良かった我はちゃんと相手してやった。武器は使えないけど。


 新聖暦897年 宵月の十三日


 我が子達が竜体の母君と父君にじゃれついている。愛いので良きこと。我はこうして愛い我が子達をラオとミカガネと一緒にのんびりと見れることが嬉しい。ちなみにルアノは我の肩にのってる。ルアノも愛い。


 新聖暦897年 宵月の十六日


 母君と父君が戻っていった。ちょくちょく来るならいっそ、一緒に住めばいいのにと思わなくもないが、母君と父君は少し離れた位置で満足らしい。

 ……我もいつか、孫が出来たらこんな風にちょくちょくくるのだろうか。先の未来を考えてそんなことを思った。母君と父君のように孫をいつくしみ、孫と一緒に笑いあえたらきっと楽しい。ラビノアとシノウールはまだ先かもしれないが、ルグネは人の子なのでそう遠くない未来に子を成す可能性もあるのか。考えただけでわくわくする。


 新聖暦897年 宵月の二十日


 きんきらきんから手紙がきた。隣国がある程度、「竜は悪しき~」の連中をどうにかしたらしい。で、隣国の連中が我に興味を持っているという話だ。しかし、面倒なので我は会う気はない。ラオもめんどくさそうって言ってた。

 なので手紙に来させないようにと返信しておいた。それはともかくとして、「竜は悪しき~」の連中がある程度勢力を弱めたのはいいことだと思う。また子供が攫われたら大変だし。


 新聖暦897年 宵月の二十二日


 来月に少し出かけることになった。近場で行けそうな物語の舞台に行こうという我の希望を家族たちが叶えてくれるそうだ。なんていい家族だろうか。

 年収めには王都に行く予定もあるし、色々と日程を詰めなければ。出かけ先からそのまま王都に向かうのもありだが、どうしようか。ただ我はあまり日程調整とか得意じゃないのでラオとミカガネが色々と考えてくれている。


 新聖暦897年 宵月の二十四日


 街が竜にかかわりがあるというのもあって、「竜の街」とか「竜に愛された街」とか呼ばれだしているそうだ。竜の祝祭もやっているし、街は竜に関わり深い。母君の友人とかも住み着いているし。

 他にこういう街ってあまりないと思う。


 新聖暦897年 宵月の二十六日


 今日はラオとミカガネと共に家族会議である。子供たちは眠ってる。寝顔がとても愛い子たちが、そのうち我の手から離れていくのだ。大人へと昇ってく。

 学園のこととか、2号の兄から教えてもらった情報などを話した。我は難しいことは分からないけれど、その分、我が分からないことはラオとミカガネが話し合ってくれて助かっている。我はラオとミカガネが居てくれて本当に嬉しい。その気持ちを素直に伝えたら二人とも喜んでくれた。


 新聖暦897年 宵月の二十九日


 今月もはやいことにもうすぐ終わってしまう。家族たちと過ごしていると楽しすぎて、時が経つのは本当にはやい。ひとまず今年の残りの予定は来月にお出かけをして、年収めまでには王都に向かう。そして王都での年収めを経験するのだ。

 ライラと一緒に年収めをするのも久しぶりだと考えると我はわくわくしている。





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