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ドラゴンさんの子育て日記70

 新聖暦897年 文月の一日


 今月、劇場が出来るということで我はわくわくしている。

 どんな劇が講演されるのだろうかとわくわくうずうずである。

 そんな我に劇に出てほしいと話が持ち掛けられた。が、我は台詞を覚えたりなど出来ぬ。と言ったら、我はいつも通りしていたらいいらしい。我の台詞に合わせてベテランの役者が臨機応変に台詞を言ったりするのだと。なんじゃ、それ凄い。

 それなら我でも出来そうだ。我は何の準備もいらないらしい。我は我のやりたいようにしゃべればいいのだと。楽しそうということで我は承諾した。


 新聖暦897年 文月の四日


 シノウールに「母さんが劇に出るなんて、何もやらかさないでね?」などと信用されてない言葉を言われてしまった我はショックだ。そもそもこの村の劇場であるし、たとえ何かやらかしてしまったとしても問題はない気がする。


 新聖暦897年 文月の六日


 ラオとやっている交換日記を書くのが楽しいと改めて実感した。我はラオに沢山お話をしているし、交換日記にも同じことを書いてしまったりしているのだが、ラオは嫌な顔一つしない。

 退屈しないのかと聞いてみたら、我の話なら何でもいいらしい。他の者が同じことをしていてもこんな風に聞かないと言ってた。我は愛されていると実感し、嬉しかった。


 新聖暦897年 文月の十五日


 劇場が出来た。ついでに我の初公演は今日である。いきなり一発目に我とかでいいんだろうか。そんな思いに駆られながらも我は楽しんで参加した。

 役者は凄いと思った。

 我がどんな台詞を吐いて、どんな対応をしようともうまく返してくれる。改めて尊敬の念を抱いた。

 しかもうまくまとめていた。凄い!!

 我、劇が益々好きになった。

 本当に凄い。劇は大好評だった。


 新聖暦897年 文月の十八日


 劇を見に来た。ラオや子供たちも一緒だ。ルアノも入らせてもらえた。ルアノは頭の良い子なので、劇の間煩くしたりはしないのだ。我が家族たちはみんな良い子だ。愛い。


 新聖暦897年 文月の二十日


 村が街に変わるので色々とバタバタしているらしい。人も増えるそうだ。移住してくる予定者もいるとのこと。ふーんと思いながら聞いてた。とりあえず村の者たちが困らなければいいなと思う。村の者たちのこと、我好きなのだ。


 新聖暦897年 文月の二十五日


 今度はラオが劇に出るらしい。ラオはちゃんと台詞を覚えるらしい。ラオなら簡単にこなしそうだ。出るのは来月か。我、楽しみでわくわくしている。

 かっこいいところ見せてほしいと口にしたらやる気出してた。

 子竜が「単純……」とあきれていた。ルグネは「頑張って、父さん」とにこにこしてた。何て愛いのか。


 新聖暦897年 蛇月の三日


 竜体で寝ていたのだが、目が覚めたらぴたりと我に寄り添って子達が寝ていてときめいた。

 体を動かすと起こしてしまうのではないかと思い、じっとしたまま寝顔を見る。幾らでも見て居られる気がした。


 新聖暦897年 蛇月の七日


 今日はラオが劇に出る日だ。台本を見させてもらったが、こんなにたくさん覚えられるのか……とびっくりした。流石、我のラオである。ラオは様になっていた。凄かった。

 しかもかっこいい役どころで、見ていると惚れ直してしまうぐらいだった。かっこよかった。子達も「父さん凄い」「母さんはアレだったけど、ちゃんと父さんは演技している」「凄いね」と声をあげていた。

 我はアレだったってなんぞ。確かに我は演技などしてないが。

 ミカガネも「ラオウールは多才ね」と感心していた。我のラオは凄いのだぞ!!


 新聖暦897年 蛇月の十四日


 ルアノはようやく我の上に乗っての移動に耐えられるようになっていた。良き事。これで出かけるときに馬車ではなく、飛んでいける。


 新聖暦897年 蛇月の十八日


 ライラからの手紙をきんきらきんがもってきた。

 きんきらきん、来すぎじゃないか。と思ったが、何でも街にするための手続きとかできんきらきんが動いているらしい。ライラを寂しがらせるではないぞと言っておいた。

 ライラからの手紙には劇場に行きたいとか、我の劇見たいとか書かれてた。我もライラに見せたい。


 新聖暦897年 蛇月の二十三日


 「竜は悪しき~」とか言ってた連中のうちの一人がまた忍び込もうとしていたらしい。きんきらきんが言ってた。何でそこまで竜を悪いというのか謎だ。

 きんきらきんはいつまでいるのだろうか? 聞いたらまだいるらしい。色々手続きがあるんだとか。

 村の連中はきんきらきんがくると緊張した様子になる。あんまり分からないが、きんきらきんは本当に偉い人間のようだ。


 新聖暦897年 蛇月の二十七日


 劇場に行き、この劇が見たいとかリクエストしてきた。劇場を運営するのは村の者なので、我の言葉を聞いてくれる。気合いれて脚本を作るとか言ってた。楽しみ。


 新聖暦897年 蛇月の三十日


 きんきらきんがようやく戻っていった。



 

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