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ドラゴンさんの子育て日記69

7/10 二話連続更新です。読む際はお気をつけください。

 新聖暦897年 新月の一日


 年が明け、ルグネも九歳になった。

 年明けを村の皆と過ごすことは楽しい。ルグネと同年代の村の子供たちも気づけばすくすくと大きくなっている。

 あと村に新しい子供もちらほら生まれているのだが、生まれた時から我らが居るからか、我らに一切怯えていないのでちょっと面白い。ただ、その親にはちゃんと我ら以外の竜は急に話しかけたりしたら怒るかもしれないのでちゃんと線引きをするようにとはラオが言ってた。

 ルグネ、ラビノア、シノウールの成長を感じるたびに我はなんか感動する。我が子たちの成長はとても嬉しい。母君と父君たちも嬉しそうにしていた。良いことだ。


 新聖暦897年 新月の四日


 ルアノが気持ちよさそに太陽の下を飛んでいる。その横を我は歩いているのだが、小さき鳥がこうして飛んでいるのを見ると何だか和む。ルアノも少しは大きくなったが……。まぁ、成体になってもルアノは我にとって小さいままであろうが。


 新聖暦897年 新月の八日


 王都から騎士たちがやってきた。きんきらきんもいる。先月の「竜は悪しき~」とか言っていた連中のことでやってきたらしい。

 きんきらきんが言うには、竜を神とあがめる集団もあればそれに敵対している竜を悪い存在で邪神のように扱う存在もいるらしい。それでこの村にやってきたのは竜は悪だと決めつけている集団だったようだ。きんきらきんが国への立ち入りを禁止するとか言ってた。

 我らが怒ったりするのは困るらしい。隣国では竜は悪しきもの~とか言っている連中が少し勢力を増しているんだとか。そういうの面倒だと思う。

 とりあえずきんきらきんが何とかすると言っているのでなんとかするのだろう。

 一応、その禁止令を無視して入ってきた連中は殺してもいいのか聞いておいた。なるべく殺さないでほしいらしいが、殺した場合は仕方がないと言われた。


 新聖暦897年 新月の十日


 竜の道場の連中が何故かきんきらきんが連れてきた騎士たちと模擬戦をしていた。竜の道場の連中は結構強いのかもしれない。「我が神のように――」とかなんか言っているが。

 母君の友人も母君もそれ見て楽しそうにしてるし。


 新聖暦897年 新月の十二日


 村に常駐する騎士が増えた。

 きんきらきんが村の人数などを確認して村ではなく、街にすべきではないかとか言ってた。大分、この村も人が増えているのだ。そのあたりは村の長ときんきらきんで話し合いがなされるらしい。

 きんきらきんはライラを置いてきているので、さっさと戻ればいいのにと思う。ライラが寂しい気持ちになっていたらどうするのだ。


 新聖暦897年 新月の十五日


 きんきらきんが帰っていった。これでライラも寂しくなくなるだろう。


 新聖暦897年 新月の十七日


 我が子たちが今日も愛い。起きてても寝ていても愛い。

 あとずっとこちらに留まってた母君たちがようやく戻っていった。母君の友人は相変わらず楽しそうに竜の道場の連中と一緒にいる。


 新聖暦897年 新月の二十日


 我らの像を壊そうとしていたものが捕らえられた。国への立ち入りを禁止しているのに忍び込んでた「竜は悪しき~」と言っている連中らしい。

 そういえば友人は「禁止されていたらやりたくなるのよ!!」とかいって入っちゃ駄目な所に忍び込んだりしてた気がする。

 とらえられた奴は王都に連行されるらしい。「竜は人を食らう悪魔だ」とか色々言っていたらしい。まぁ、世界も広いので人食い竜も世の中にはいるだろうが……。我も気に食わないやつは普通に殺すし。

 そもそも人間にも良い奴と悪い奴がいるのと一緒で、竜もいろいろだ。ひとくくりにされても困る。


 新聖暦897年 新月の二十三日


 今日は本を読んでいた。色んなものを知る事が出来て楽しいものだ。そういえば、村に劇場もそろそろ出来るらしい。我は凄く楽しみだ。出来たら見に行くのだ。


 新聖暦897年 新月の二十四日


 ミカガネが子を見てくれている間に、我はラオとのんびりした。交尾もしてる。ただ子は中々出来ない。


 新聖暦897年 新月の二十六日


 ルグネ、ラビノア、シノウールは徐々に強くなっている。良い調子だ。学園に行くとして、そこでは我らの庇護はないのだ。なので、もっと自分の身を自分で守れるようになってもらわないと。

 何処までも愛い我が子たちが危険な目に遭わないように努力をするのは親の務めである。


 新聖暦897年 新月の二十八日


 ライラから手紙が届いた。村が街になるのは決定らしい。村の長も街の長になるらしい。村と街の違いはよく分からないが、ようはもっと人が増えるということか。

 面倒なことがなければ問題はない。ライラは村が大きくなるなんて昔は思ってもなかったと手紙に書いてた。


 新聖暦897年 新月の三十日


 今月ももう終わりである。来月には劇場が出来るらしいし、我は本当に楽しみで仕方ない。



 

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