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幕間 ドラゴンさんの両親とは。

6/18二話連続投稿なので気をつけてください。

 ドラゴンさんの両親の名は、シナノーアとガドラドンという。

 その二頭の竜は、ドラゴンさんと同じ立派な白竜であった。

 シナノーアとガドラドンは、番であったが、自由気ままな二人である。共にずっといるという事もなく、娘であるドラゴンさんが成人して自由気ままに生きている中、両親もそれぞれ好きなように生きていた。

 たまに会い、たまに交尾をする。けれどそれ以外は、それぞれで生きている。とはいえ、竜であるので他の異性とよろしくするという事はないが。

 さて、この二頭の竜は自由に生きていたのだが娘に対する面白い話を聞いてまた共に過ごすことになった。

 娘であるドラゴンさんは基本的に、マイペースである。

 今、ドラゴンさんの旦那さんになっているラオウールに三百年間片思いと求婚をされていたのにも、一蹴していた。番になど興味がないといった様子だったのだ。

 それなのに、ドラゴンさんがラオウールと番になり、子育てをしているというのを聞いたのだ。

 二頭ともそれはもう驚いた。

 一生、死ぬまでそんなことはないだろうと思っていた。あったとしても、そのころにはドラゴンさんの親である自分たちは死んでいるのではないかとさえ考えていたのだ。それだけドラゴンさんが誰かと番になり、子までなすというのは二頭にとってありえない事だったのだ。

 二頭はそれぞれ話を聞いて、ドラゴンさんの元へ向かった。

 そしてドラゴンさんが人間の子供を拾って育てている事や、番を作っている事、子を成している事にそれはもう驚いた。

 人の子を育てている事に関しては、怪訝な目を向けてしまったものである。しかし、ルグネに関しても接してみれば可愛かったので二頭ともドラゴンさん同様可愛さにやられていた。

 シナノーアとガドラドンもそこまで子煩悩ではなかったのだが、孫というものはなんだか別だったようだ。何より孫と共にいるドラゴンさんはとても幸せそうで、今まで見た事がないほど楽しそうだった。それも相まって、二頭は孫たちをとても可愛がっている。

 ラオウールに関しても、昔から知っている竜であるが、我が子の番になったという事で以前とは違う感覚で接している。ラオウールの事もドラゴンさんに求愛している存在としか認識していなかったが、今の二頭からしてみれば大事な竜となった。

 ドラゴンさんがルグネを拾ったからこそこうした幸せがあるのだと知ったというのもあり、ルグネの事も現在は可愛い孫と思っている。

 また、今までそれぞれ離れて暮らしていたが、ドラゴンさんたちの幸せそうな様子を見て、番で共にあるのもいいなと思ったため、現在はドラゴンさん達の住まいから少し離れた山に二頭で住んでいる。

 ドラゴンさんたちにあてられて、最近は子をまた作れないかと行動していたりもする。

 孫が可愛くて仕方がなくなってしまい、度々ドラゴンさんの元まで向かっている。

 二頭もまさか、こんな日常が待っているなど想像もしていなかったので、今の日々をとても楽しんでいるのだ。

 またルグネは人間でありながら魔法の適性が高いというのも知って、「うちの孫凄い!」と孫馬鹿状態に少しなっている。ラビノアとシノウールに関しても「可愛い!!」と思ってならないのである。

 今まで人の世界にそこまで興味がなかったが、ドラゴンさんが人の子と交流をしているというのもあって最近は人の街にも時々顔を出している。ドラゴンさんがお気に入りの本を貸してもらったりと、中々人間の街に慣れてきているのである。

 最近の楽しみは孫の成長を見守る事と二頭は自信満々に答える事が出来る。

 孫たちが健やかに育って、そして立派になっていくのを見届けたい! と思ってならないのでドラゴンさんたちの傍から離れる気は今のところない。

 

 そんなわけでドラゴンさんの両親は、ドラゴンさんのすぐそばで孫たちの成長を見守っているのであった。




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