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ドラゴンさんの子育て日記57

 新聖暦895年 威月の一日


 今月は竜の祝祭が行われる月だ。我はそれを思うだけでわくわく。心なしかルアノも、はじめての竜の祝祭を楽しみにしているように見えた。我が子達ももちろん、楽しみにしているようだ。ルアノは劇にも出るわけだし、我も凄く楽しみだ。


 新聖暦895年 威月の三日


 ライラからの手紙にきんきらきんが竜の祝祭を見に来るとあった。きんきらきんよりライラに来てほしい。でもライラ、子供を産んだばかりだから仕方がない。


 新聖暦895年 威月の七日


 今日は雨が降っていた。

 雨の日に空を飛ぶのはしないので、本を読む。読書も楽しい。ルアノがもう少し大きくなって学園都市に行ったら本もいろいろ買おう。楽しみが沢山増える。


 新聖暦895年 威月の十日


 夜中に目を覚ましたらラオがお金を数えていた。結構キラキラしたお金がたまっているようだ。ラオが言うにはこれだけあればルグネとかも働かなくても生きていけるらしい。学園に我が子達をやらなくても、人間らしい生活をさせながら過ごす事は出来るのだと。

 でもラオは出来れば色んな経験をしてほしいと言っていた。ルグネは人間で、我の子だけど我らとは違う。我ら竜は生が長い分、のんびりしていたりもする。周りの事を何も気にせずに一匹で生きていたりもする。でもルグネを拾ってから沢山の人間と接すると、人間のルグネは人の世界にもう少しかかわった方がいいのかもしれないと思う。学園に行きたいというのならば送り出すが、我はやはり考えただけで寂しい。


 新聖暦895年 威月の十二日


 将来の事を考える。

 百年後、我も、ラオも、ミカガネも、ラビノアも、シノウールも滅多な事がなければ生きている。でもそこにはルグネもライラもいないのだ。やはり、ルグネとライラやその子達が生きている間は沢山思い出を作ろう。……友人が生きていた頃にこんな気持ちになっていたら我はどうしただろうか。大陸を渡る友人の結婚を止めただろうか。それともついていっただろうか。考えても仕方がないが、そんなことを思った。


 新聖暦895年 威月の二十日


 村での竜の祝祭の開催だ。きんきらきんは昨日から来ている。去年よりも人が多い。後、我に手を出さないようにと知らされているのか、我らにはちらちら視線を向けられたが、特に話しかける事はなかった。

 ただ人が多い分、もめごとがおこっていた。我、村の連中を困らせる奴は好かんので威圧しておいた。そしてきんきらきんに差し出した。


 新聖暦895年 威月の二十二日


 今日はルアノの劇デビューである。我はパシャパシャしようとして、見ている人の邪魔になるから駄目と言われてしまった。音が鳴らないパシャパシャするの作ってくれないだろうかときんきらきんにいっておいた。

 それにしてもルアノは愛い!

 なんか他国の商人がルアノを買いたいとか言い出したらしいけど、村の連中ときんきらきんがなんとかしてくれたらしい。我が家族を買いたいとは何たる事か。


 新聖暦895年 威月の二十五日


 村の竜の祝祭が終わった。今年も楽しかった。我は来年も楽しみだ。あと来月の王都の竜の祝祭も。


 新聖暦895年 茄月の一日


 今月は王都の竜の祝祭である。ルアノが小さいのもあって馬車で村人たちと向かうので、もう向かって居る。


 新聖暦895年 茄月の八日


 今回は、盗賊達に襲われる事もなく王都に辿り着けた。この前より王都に人が多い気がする。なんかラオ曰く、竜の祝祭という王都でははじめてのお祭りがあるのでこれだけ人が集まっているらしい。

 色んな者がおる。

 ……竜も何匹か混ざっているのが分かった。我らに気づいて話しかけてきたが、我は生憎名を覚えていない。まぁ、ラオとミカガネが対応していた。大人しくしているなら問題はないだろう。

 一応きんきらきんと2号にも竜が何体も来ていると言った方がいいだろうか。まぁ、やろうと思えば王都を塵にすることぐらい簡単に出来るだろうが、やらないので問題はないが。



 新聖暦895年 茄月の十日


 竜の事を告げたらきんきらきんが頭を抱えていたが、問題はないと告げておいた。とりあえず我はライラとのんびりする。イラフもドーランも愛い。


 新聖暦895年 茄月の十五日


 村人たちは竜の祝祭の準備を手伝っていてバタバタしているようだ。なんか相談事とか持ってくるとラオが対応していた。我はのんびり子達とライラ達と過ごす。楽しい。ライラも竜の祝祭に参加するのは久しぶりだからと嬉しそうで、我も嬉しい。


 新聖暦895年 茄月の二十日


 竜の祝祭、王都版が行われた。

 なんか村のよりも規模がでかい。2号が挨拶していた。2号も2号の子供達も人気者らしい。

 お店とかも一杯だ。

 

 新聖暦895年 茄月の二十一日


 祭りを見るのも楽しかった。あと竜の鱗の偽物とか売られてた。流石にそれはきんきらきん達にいっておいた。全然違う。白竜の鱗とか言っていたが、我にはすぐにわかる。


 新聖暦895年 茄月の二十三日


 ライラはイラフを連れて馬車に乗って祭りを見ている。我も同席している。ドーランは小さすぎるのでお留守番しているらしい。ライラはとてもかしこまった態度を取られてた。きんきらきんの番になったからとこんな態度なのだなと不思議な我。

 とりあえずライラが楽しそうだと我は嬉しいぞ。


 新聖暦895年 茄月の二十四日

 

 ミカガネが子達を見ているというのでラオと二人で回った。皆で回るのもいいが、ラオと二人で回るのも楽しい。


 新聖暦895年 茄月の二十六日


 王都での竜の祝祭が終わった。楽しかった!





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