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ドラゴンさんの子育て日記51

51を丸で囲む方法が分からなかったのでこれで投稿してます。

 新聖暦894年 宵月の一日


 小さな鳥型の魔物が、何という魔物なのか調べている最中だ。

 それにしても結構愛いぞ。こんな小さき鳥を間近で見る事はあまりないので何だか触るのに緊張した。ちなみにショックな事に、最初は竜である我らの魔力にあてられたのかとてもびびっていた。ラビノアとシノウールにさえ体を固まらせていた。卵が還った時にルグネが傍にいたからか、ルグネの事を母か父かと思っているのかとても懐いている。


 新聖暦894年 宵月の三日


 魔物の名前をどうするのか子達が会議をしている。うむ、子の名前をつける時の会議をしていた我らを見ているようで何だか面白かった。

 小さな鳥型の魔物は、美しい青色の羽をもっている。これからどれだけ大きくなるかは分からないが、美しく育つのではないかと今からでも楽しみである。そうそう、魔物図鑑なるもので確認してみたのだが、この魔物は『幸運の青い鳥』と呼ばれるラックバードと言う種らしい。何だかとてもよさげな名前を持っている。この小さき存在が、幸運を運んでくると言われているとは不思議よのとじーっと見つめていたら隠れられてしまった。いつか、ちゃんと我に慣れてくれるだろうか。



 新聖暦894年 宵月の七日


 あのラックバードの名前は、ルアノになったようだ。どうやら子供達の名前から一文字ずつもらったらしい。ラビノアとシノウールには慣れてきたようだ。良い事だ。しかし、我たちのような成竜の事は相変わらず怯えた目で見ている。我が近寄るとルアノが怖がるから少しずつ近寄るようにと子達に言われてしまった!!

 我は子達を愛でたいのに。


 新聖暦894年 宵月の十日


 ルアノが我に慣れてくれないので、落ち込む。落ち込んでいたらラオが気晴らしに散歩に誘ってくれた。ラオと仲よくして我、元気になった。

 ルアノに慣れてもらうためにも我は頑張る!!


 新聖暦894年 宵月の十二日


 ライラから手紙が来た。ライラは妊婦さんなので安静に過ごしているそうだ。我からの手紙を楽しみにしているのだと書いてあって我は嬉しくなった。我もライラの手紙をとても楽しみにしている。ライラ、大好き。


 新聖暦894年 宵月の十五日


 それにしても刷り込みというのか、ルアノは本当にルグネに懐いている。その次にラビノアとシノウールに懐いている。ミカガネにも懐きだした。が、我を見るとびくつく!

 ラビノアには、「母さんが見つめすぎたりするから」と言われた。……我、構いすぎだったのかと落ち込んだ。

 餌付け作戦に移ろう。こういうのは、餌を与えた者にはなつくと聞いたぞ。我にも慣れてほしいのだ。


 新聖暦894年 宵月の十七日


 ルアノ懐かせ計画を始動中である。

 まずはルアノに餌をやる。そして少しずつ慣れさせるために近づくこと。

 

 新聖暦894年 宵月の十九日


 何故だ。何故ラオの方が先に懐かれるのだ。それに遊びに来ていた母君や父君にも少しは懐く。我にはびくつくのに。我、悲しい。ラオが我を悲しませるなら殺そうかとか言い出したが、そんなことをしたら子達に恨まれると慌てて止めた。ラオは物騒である。


 新聖暦894年 宵月の二十日


 子達は、我の真似をしてルアノの育成記録をノートに書いているらしい。絵まで描いていて愛い。やはり、こういうペットのようなものがいると、子は余計に可愛いのだな。愛い愛い。


 新聖暦894年 宵月の二十二日


 我もあの愛い空間に混ざりたいものだと今日も奮闘する。少しは慣れてくれたかなと我は期待する。まだ震えていたりするが、手に乗ってくれた! このまま、仲よくしてくれたらよいのだが。


 新聖暦894年 宵月の二十四日


 何故我に怯えるのだと、悲しんでルアノを見ていたら近づいてきてくれた! 我は嬉しい。


 新聖暦894年 宵月の二十六日


 ルアノと仲良くなれたのである。ひと月近くかかってしまったが、慣れてくれて、我にも近づいてくれるようになってくれて良かった。

 それにしてもルアノは小さい。これから大きくなるかもしれないが、小さいのでつぶさないように気をつけないと。


 新聖暦894年 宵月の二十八日


 竜体になった我の上にルアノがいる。竜体の我は流石に少し怖かったのかまた震えたが、声をかけたら慣れてくれてほっとした。我の近くでピィピィ鳴いているこの鳥は結構愛いものだ。まぁ、子達が可愛がっていなければ気にも留めなかった小さい存在だが。

 つい先日まで我に怯えていたのに結構このルアノは図太い性格なのかもしれない。まぁ、良い。懐いてくれて我は嬉しい。子とはまた違うかもしれないが、大事な家族の一員として受け入れている。

 それにしても『幸運の青い鳥』ってなんでそんな呼ばれているのか気になるから色々と調べてみようと思っている。家族として受け入れた存在について調べるのも当然であるからな。


 新聖暦894年 宵月の三十日


 寒くなってきたので、ルグネとルアノの体調を崩さないように気を付ける事にする。我ら竜は体調を崩したりはあまりないが、人であるルグネと生まれたばかりのルアノはもしかしたら体調を崩すかもしれない。此処はそこそこ冷えるのだ。

 特に家族に受け入れたばかりのルアノが死んだりしたら悲しいので注意を払う事にした。







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