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ドラゴンさんの子育て日記㊻

 新聖歴894年 文月の一日


 もう今年も一月が経過している。本当にルグネを拾ってからというものの、時が経つのがはやくて我はびっくりする。

 2号の子供達も、学園都市に連れていくとなると色々と準備が必要らしい。我としてみれば行きたい時に行けばいいのではないかと思うのだが、やはり2号の子供達はきんきらきん2号がこの国の長だからこそ簡単にはいかないらしい。人の世は面倒だと思った。

 でも我も人であるルグネの母であるのだから、少なからずルグネに「お母さん、嫌い」などと言われないようにきちんと母としてあらねば!

 もしそういう事を言われてしまったらと考えるだけで我、悲しい。なので、「お母さん、大好き」と言われるように我は頑張るのだ。と、そんな話をラオとしていたら「ラオ、大好きって言って!」とか言われた。恥ずかしがったが、言ってやったら感激したように抱きつかれた。


 新聖歴894年 文月の七日


 我の子達、愛い。ラビノアとシノウールは、我に冷たい時があるけれども、なんだかんだで我の事を好いてくれているのが分かるので、我は凄くにこにこしてしまう。


 新聖歴894年 文月の十二日


 ライラからの手紙が来る。ライラからの手紙は大事にとってある。我はライラが好きだから、すぐにライラに会いたくなってしまう。


 新聖歴894年 文月の十七日


 ラオとミカガネと共に子育て会議をする。我が子達の様子などを話したりするのはとても充実しているものである。こうして話してみると、我が気づけなかった事をラオやミカガネが気づいていたり、逆に二人が気づけなかった事を我が気づけたりと、一人で子育てするではなく、皆で子育てしているからこその気づきがあるのだなと思った。

 我一人で子育てをしたり、我とラオだけで子育てをしたりしたら気づけない事をミカガネが居ると気付く事が出来て、我、ミカガネに凄く感謝した。


 新聖歴894年 文月の二十日


 今日は村の方に降りた。

 村の子達は、ラビノアとシノウールが竜の子でも気にしていない。ルグネが魔法を使えようとも気にせずに遊んでくれている。ラオはそういうのは珍しいと言っていた。

 竜であるというのは、人にとってみれば敬遠しても仕方がないものであるらしい。だけど、子達と普通に遊んでくれる村の子達の事も我は気に入っている。


 新聖歴894年 文月の二十五日


 きんきらきん2号の子達を学園都市に連れて行くのは来月になった。

 我らは王都まで2号の子供達を迎えに行く事にした。


 新聖歴894年 蛇月の一日


 王都についた。2号の子供達を迎えに行く前にライラの所にお邪魔する。ライラとイラフに会えるのは嬉しい。きんきらきん達も迎えてくれた。それにしてもイラフも前に会った時より成長が見られる。人の子の成長というのは本当に早い。


 新聖歴894年 蛇月の五日


 ライラのいる屋敷でのんびりしてから、2号の子供達を迎えに行った。

 イラフももう少し大きくなったら学園都市に連れて行きたいとライラが言ってた。イラフはまだ小さいので、もう少し大きくなってからではないと危険らしいのだ。人の子というのは本当に竜よりもか弱い。

 2号の子供達兄妹と呼んでいたらいい加減名前を覚えたらどうかなどと言われた。しかし我は覚えるのは苦手だ。ひとまず2号の兄、2号の妹と呼び分けることにした。二人とも嫌がっている様子はなかったのでいいだろう。2号の子達は護衛を連れてではないと動けないようなので何人か人がついてくることになっているらしい。

 それもあって移動は馬車での移動だ。



 新聖歴894年 蛇月の十日


 子達と2号の子達は楽しそうだ。

 我も馬車での移動で景色をゆっくり見れるのは楽しいと思った。


 新聖歴894年 蛇月の十二日


 学園都市で向かう途中で小さなお祭りをやっていたので寄り道をした。

 巨大な湖に住んでいるという蛇を祀ったお祭りらしい。ちょっと気になって湖を覗いていたらその蛇が出てきた。ブルブル震えていた。竜である我らが数をそろえて近くに居たので殺されるのではと怯えていたらしい。我は祭りを楽しみに来ただけだとちゃんと言っておいた。ちなみにその蛇の姿は我とラオ以外は見ていない。


 新聖歴894年 蛇月の二十日


 学園都市に到着した。前に泊まった宿に皆で泊まる。

 宿の者は、我らを覚えていたのか迎え入れてくれた。ただ2号の子達が明らかに貴族だったので身構えられたが、まぁ、一緒の宿に泊まった。



 新聖歴894年 蛇月の二十五日


 学園都市は楽しい。

 我が子達も、2号の子達も楽しそうだ。

 いつか、我が子達もここで暮らす事を選択するだろうか。もしそうなったら我は寂しいけれど、時折遊びに来たい。でも……いつか、独り立ちしていくであろう我が子達の事を思うと我は今から悲しいのだ。



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