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ドラゴンさんの子育て日記㉜

 新聖暦892年 守月の一日


 月が替わった。我が子たちは今日も楽しそうである。

 竜の祭りみたいなのは村人全員乗り気でやる気満々らしい。我らにも色々話してくれるが、我は人の世の祭りというものがよくわからん。だから、ラオに任せておる。人の世にも詳しいラオは凄いのであるっていったら、ラオが俺もっと詳しくなるといっておった。凄く単純である。


 新聖歴892年 守月の五日


 ライラに竜の祭りというものがあるという報せをだした。楽しいことならばいっしょにやりたい。ライラも一緒がいい。


 新聖歴892年 守月の七日


 竜の祭り、なるもので出し物をしたいといっておった。何でも我らのことを劇みたいな形にしたいのだ。という。劇というものを、我は見たことがない。どのようなものなのか気になった。

 とりあえず、我らのことを人が演じるらしいが、うむ、そんなことをして何が楽しいのだろうか。

 わからんが、興味があるので実際に見てみようと思う。劇とはそこまで心が躍るものなのだろうか。


 新聖歴892年 守月の十二日


 ミカガネの写真を撮る。我、ミカガネのことも好きだからミカガネのことも撮りたい。そういってやめなさいと言われたけど、頼み込んだらミカガネ一人の写真も撮らせてくれた。我、なんだかんだで写真撮るの許してくれるミカガネのこと好き。


 新聖歴892年 守月の十七日


 ルグネはラビノアとシノウールといつも遊んでいるからか、一般的な人の子よりも体力があるとラオがいっていた。いつもラビノアとシノウールと遊んでいるからの。それにしても楽しそうに遊んでいる我が子達は本当に愛い。


 新聖歴892年 守月の二十二日


 竜の祭り、来月やると村人たちがいっておった。ライラも手紙で是非行きたいといっていたから、我が迎えにいこうか。そちらの方が移動が楽なはずだ。ライラがこっち戻ってくるの楽しみである。


 新聖歴892年 守月の二十七日


 竜の祭り、と我が勝手にいっておったが、正式名称は決まってないらしい。なんかかっこいい奴が良いとか、村人たちが話し合っておる。村に訪れる商会にも宣伝するとかいってた。うむ、村の人間が楽しそうで良いな。我は、名前は憶えられておらぬが、村の人間たちの顔は覚えておるし、気に入っておる。


 新聖歴892年 威月の二日


 もう威月が来た。次の新月が来たらルグネも五歳か。時の経つのは早いものだ。それにしても子というものはどんどん育つ。我がこんな風に親をしていることを、五年以上前の我が知ったら驚くことだろう。そんな術ないけど。


 新聖歴892年 威月の七日


 竜の祭りの名前、竜の祝祭という名前になったようだ。色々いべんとなるものもやるらしいから来てほしいそうだ。村人たち楽しそうである。子たちも楽しそうである。良いことだ。


 新聖歴892年 威月の十日


 それにしても祭り、というのはよくわからんが、それだけ楽しいものなのだろう。我もちょっと楽しみになってきた。我、愛い子たちが楽しんでいると嬉しいのである。


 新聖歴892年 威月の十五日


 村人たちは一生懸命祭りの準備をしている。竜の祝祭は、二十日から二十五日まで六日間も行う予定のようだ。そろそろライラを迎えにいかねば。我とミカガネで迎えに行くことになった。



 新聖歴892年 威月の十七日


 迎えにいったら前に我の元までやってきた国の長である2号の子供とその妹も一緒に行きたいといっているらしい。国の長の一族だろうにそんな風に身軽で良いのだろうか。そんな風に身軽に行動出来ないとラオが言っていた気がするが。まぁ、我が子たちが懐いておった2号の子供(雄)がくるのはよかろう。しかし、きんきらきんや、2号の子達の護衛までも連れいてくのは大変ぞ。とりあえず全員結界にくるんで、籠に乗せて我とミカガネで運ぶことにした。ライラは我の上に乗せている。


 新聖歴892年 威月の二十日


 結構盛大に宣伝しておったのか、かなりの数の人が溢れていた。なんかきんきらきんみたいなきらきらした連中も何人かおった。屋台なるものがでておって、ライラと一緒に食べた。村人たち、我にはお世話になってるからお金いらない言われたから、お言葉に甘えてもらった。美味しかった。

 ラオがなんか周りを警戒しておった。何でも我に近づく雄がいないようにらしい。子たちも2号の子たちと仲良くなって楽しそうだった。


 新聖歴892年 威月の二十二日


 我らのことを劇にしたもの、見た。結構楽しかった。劇とはこのようなものなのだな。この劇は我らのことなので、他の劇も見たくなった。ということを、ライラに行ったらきんきらきんに伝わって、王都に来たときに案内するといわれた。どのような劇があるのだろうか。我、今度王都にいくこと楽しみになった。

 あと我らの像は中々人気らしく、竜の祝祭に訪れたものたちが周りに沢山おった。


 新聖歴892年 威月の二十五日


 今日が最終日かと思うと寂しい気持ちになった。それにしても、祭りとはこんなに楽しいものなのだな。我、他の祭りも参加してみたくなった。人の世の祭りって、楽しいものなのだな。

 我がこうして人の世にこうして興味を持てたのは、ルグネを拾ったからだと思うとルグネのことより一層愛しくなった。そういえば、2号の子供の雄と雌はすっかり我が子たちにとって親しい存在になっていた。雌の方も「ヤーねぇ」とルグネに呼ばれておった。ライラも楽しそうにしていた。ライラは子がお腹にいるので、ライラだけ帰りも我が送った。あとの連中は陸路で帰った。

 それにしても楽しいものだった。来年もやるらしいから楽しみである。




 

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