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ドラゴンさんの子育て日記㉗

 新聖歴891年 宵月の一日


 ライラから「歓迎するので来てください。私も会いたいです」といった感じの手紙がきた。我もライラ、会いたい。我、ライラに会うのが楽しみである。


 新聖歴891年 宵月の四日


 父君、母君、立派に子たちのおじいちゃんと、おばあさんをしておる。我、正直こんな父君と母君の姿が見れるとは思っていなかった。と、言ったら、父君には「シルビアが番って子供まで出来るとは思わなかった」といわれ、母君には「私はシルビアがお母さんを立派にやっている姿を見れるとは思わなかったわ」と言われた。


 新聖歴891年 宵月の七日


 子たち三人が眠っていた。ドラゴンの姿のラビノアとシノウールの真ん中にルグネが寝ていてとても愛いものだった。


 新聖歴891年 宵月の十日


 ラオが「カメラ」なるものが存在するから手に入れようといった。その「カメラ」なるものは、場面を映して保存できるらしい。そのカメラなるものがあれば、子たちの愛らしい姿を保存することが出来るらしい。我、欲しい。ラオに我を撮りたいとか言われた。我もラオのことも撮りたいのである。


 新聖歴891年 宵月の十二日


 ライラに会いに王都に行くときにカメラを探そうという話になった。我、超欲しい。ラオに欲しい、欲しいいってたら絶対に手に入れると自信満々に言われた。うむ、手に入れて我が子たちを撮るのである。我の自慢の家族を記憶だけではなく、形に残せるのは嬉しいと我は思う。


 新聖歴891年 宵月の十五日


 ライラの所へ行った。ライラ、幸せそうで、我嬉しかった。

 子たちはライラに会えてうれしそうであった。ライラにカメラのことを話して、探しに行くといった。


 新聖歴891年 宵月の十六日


 なぜか、カメラなるものが用意されていた。きんきらきんが我の昨日の発言を知ってから探してくれたらしい。きんきらきんは「これをどうぞ」などと我に言いながら疲れ切った顔をしておった。どうしたのだろうか。不思議である。

 ラオはきんきらきんが疲れている意味を分かっているらしい。父君も母君も、ミカガネもである。何故我だけ分からないのであるか。我は悔しくなった。ラオが我が欲しいといったから、きんきらきんは一生懸命さがしたらしい。カメラなるものは、貴族にとっても高いものらしい。でも我らが高位竜だからだという理由らしい。なんとなくしか分からないが、まぁ、番であるラオがわかっているならよかろう。


 新聖歴891年 宵月の十七日


 我、パシャパシャしておる。このカメラなるものは、魔力を込めることでその時の光景を保存できるものである。人の子が生み出したものという話なのだが、凄いものである。我が人間の友人とかかわっていたころはカメラなるものはなかったと思う。友人はこういう技術に興味津々であったからあの時代にあったら友人は喜んでパシャパシャしておっただろう。我、今はいない友人とパシャパシャする光景を思い浮かべてしまった。友人が、今も生きていたら、今の、子が生まれた我を見てどういっただろうか。あ奴ならきっと、笑っただろうと思う。


 新聖歴891年 宵月の二十日


 パシャパシャされた。これ、パシャパシャするのも、されるのも楽しい。カメラなるものを持っている人たちはアルバムなるものを作って保存するらしい。我、ラオと一緒にアルバムも探して買った。会計とかいまいちそこまでよくわからないからラオ任せである。

 ライラとの写真もいっぱい撮った。これで棲家に帰っても、ライラの姿が写真でだけれども見れるのである。我、嬉しい。

 そういえばカメラのお金はラオがちゃんときんきらきんに渡していた。



 新聖歴891年 宵月の二十一日


 ライラの家から棲家に帰った。皆ライラに会えてうれしかったようだ。父君もライラと仲良くなっていた。我、ライラが父君と母君とも仲良しで嬉しい。


 新聖歴891年 宵月の二十三日


 パシャパシャ、楽しいのである。我とラオの二人でとったりもした。ミカガネが竜体の我らを撮ったりもした。我らの竜の姿はとても大きいけどなんとかおさめてとってくれた。我、竜体だと他から見るとこう見えるのだなと思った。竜体の子達の写真も撮った。これをライラへの手紙につけようと思う。

 ライラのいる人の町では竜体にはなれぬからな。棲家で子竜たちの成長した姿を写真でいいから見せたいといったらラオも賛同してくれた。もちろん、ルグネの写真も撮るぞ。とって、ライラに見せるのである。


 新聖歴891年 宵月の二十五日


 相変わらず我はパシャパシャにはまっておる。はしゃぎすぎだと母君とミカガネに言われてしまった。仕方ないではないか。楽しいのである。いっぱい撮るのである。

 このカメラもっと早く欲しかった。そしたらもっと小さな子たちの写真が沢山とれたのだが。でも過去のことを考えても仕方がないのである。これからいっぱい撮る!





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