ドラゴンさんの子育て日記90
9/1 本日三話目
新聖暦899年 須月の一日
巣へと戻っている最中だ。
帰りはびゅっと飛ぶ。
新聖暦899年 須月の六日
巣にたどり着いた。我が家は安心する。
ライラとパシャパシャした写真を整理する。
新聖暦899年 須月の十日
ルグネ、ラビノア、シノウールが魔法の練習をしているのに混ざった。こうして魔法を自在に使えるようになっている我が子達を見ると成長を感じて、我、泣きそう。
突然涙する我にルグネが「お、お母さん、大丈夫?」とハンカチを差し出してくれる。ラビノアとシノウールも「まったくもう」って顔をして我の傍によってくれる。なんて愛いのか。
新聖暦899年 須月の九日
ミカガネはなんかきんきらきんから子守をしないかという相談を受けて、楽しそうだしやろうかなと思っているようだ。
人間の子の子守をやるのは聞いていて不思議だったが、何でもミカガネも我ら同様に有名になってるらしく、ミカガネに見てほしいって人たまにいるらしいのだ。
まぁ、もちろん、ミカガネだけじゃなく他の子守もいるらしいが。人の子を見るから金銭も受け取ってやるらしいが、きんきらきんには気に入らなかったらすぐやめるって言ってるらしい。
新聖暦899年 須月の十二日
今日は前に我がリクエストした作品を劇でやってくれるということでシノウールと見に行った。
楽しかった。やはり、劇は良いものだ。
新聖暦899年 須月の十四日
今日は子達と一緒に街をぶらぶらした。街に出来る予定の小規模な学校を作ろうと大工が頑張っておるようだ。
街の子達は学校が出来るのが嬉しいらしく、はしゃいでいた。あとなんかいろいろくれた。きっと我のおかげだから~って、色々もらえるのは嬉しいが、我は何もしておらぬぞ。
新聖暦899年 須月の十五日
朝、目を覚ましたら母君と父君がまた来ていた。楽しそうに子たちと遊んでいる。
新聖暦899年 須月の十八日
竜体で思いっきり空を飛んだ。気持ち良かった。我、空を飛ぶの好きなのだ。ミカガネも付き合ってくれた。ミカガネと二人でのんびりと話しながら飛ぶの楽しかった。
新聖暦899年 須月の二十二日
なんか街にハーフ~が増えてた。ハーフだと迫害とかエルフと人じゃなくてもあったりするらしい。大変だ。
この街はハーフでも受け入れてくれてよいと喜んでいた。
世の中で生きにくい人達が集まってこようとしているらしい。同じ人でも生きにくいとは人は大変だ。
新聖暦899年 須月の二十五日
ラオとの交換日記には、来年どうしようかといった話や子達の話ばかりだ。
子育て日記の最初の方を見ると、我、此処まで子達を愛いと感じるとはこのころ思ってなかったなと懐かしくなった。
新聖暦899年 須月の二十九日
今日は山の中を家族でぶらぶらした。こうして家族で過ごすの楽しいのである。
新聖暦899年 摩月の一日
今日はそろそろ制服を作ってもらおうと思った。ラオが商人を手配してくれた。ラオ凄い。我は商人の手配とか出来ぬ。我の自慢の番。
新聖暦899年 摩月の四日
商人がやってきた。
ルグネ、ラビノア、シノウールが制服を試着した。愛い。こんなに愛いとルグネとラビノアのことは雌が放っておかぬし、シノウールの事は雄が放っておかぬ気がする。
ラオも同じこといってて、ミカガネに「親バカね」などと言われてしまった。
新聖暦899年 摩月の九日
長2号の番がもうすぐ子を産む時期らしい。街は長2号に子が出来るのを喜んでいるらしい。街の長も「孫が見れる」と大興奮だった。
子が生まれるということは良いことだ。
数日以内には生まれるのでは? って感じらしいって、街のものが教えてくれた。
新聖暦899年 摩月の十二日
長2号の番が子を産んだ。男の子である。
人の子というのは愛いものよ。見に行ったら産後で大変だろうに長2号の番は我をおもてなししようとしていて、思わず寝てていいって言った。
それにしてもルグネの赤ん坊のころを思い起こす。この小さな子も十年もすれば今のルグネのように大きくなるのか。本当に人の子というのは、大きくなるのがはやい。
街の長は体がつらいらしい。人間は寿命が来るのが早い。
新聖暦899年 摩月の十五日
ルグネと一緒に街で買い物をした。
手を繋いで買い物するのを、少しルグネは恥ずかしがっていたが我が手を繋ぐ! と言い張れば手を繋いでくれるルグネはほんとうに愛い。
新聖暦899年 摩月の十九日
子たちが本を読んでいる。
昔は読み聞かせをしないと文字も読めなかったなぁって思い出した。思わず見てたら「何、ニヤニヤしてるのお母さん」って言われてしまった……。
新聖暦899年 摩月の二十四日
ミカガネとラオと我での家族会議。この会議も、もうしばらくしたら無くなるんだなって思うと、ちょっと寂しさが芽生える。
学園生活を来年から始める子達についての話をもちろんした。2号の兄と妹からの情報も踏まえて、子たちが快く学園生活を送れるように。
新聖暦899年 摩月の三十日
この前試着した制服の完成品が届いた。着て見せてくれる我が子たち、本当愛い。




