ドラゴンさんの子育て日記89
9/1 本日二話目
新聖暦899年 茄月の一日
今月は王都の竜の祝祭に参加するので、皆で馬車に揺られている。
きんきらきんについてきた騎士たちがいっぱいいてうっとおしいが、まぁ、イラフやドーランを守るためと考えれば当然なのか。これだけ愛いから攫われるかもしれん。
それにしても今、我はイラフとドーランとルグネと一緒に馬車に乗ってて、違う馬車にラビノアとシノウール達は乗ってる。何でも我が一緒の方がイラフとドーランの危険がなさそうと思ったかららしい。まぁ、ライラの子に何かするのは許さぬ。
新聖暦899年 茄月の三日
のんびり馬車に揺られる中でライラの話を沢山出来て嬉しい。ラビノアとシノウールはきんきらきんからライラの王都での暮らしを聞いているらしい。
ライラは我が子達に人気だ。我もライラが大好き。
新聖暦899年 茄月の五日
馬車で眠っていて、目を覚ましたらルグネとイラフとドーランが我に寄りかかってた。これは天国か?
ラオは優しい目で我を見てた。あとパシャパシャもしてくれてた。
新聖暦899年 茄月の九日
ちょっと寄り道した街で我やラオや我の仲よくしている街の本とかが置かれてた。
我らがその本に書かれた本人とは街の者達は気づいていなかったが、まぁ、本を読んで我らの事が好きとか言ってくれているのは嬉しくないわけではない。
新聖暦899年 茄月の十一日
王都にたどり着いた。この前来たばかりだけど、ライラが居るのだと思うと我はわくわく。イラフとドーランも母親に会えるのが嬉しそうだ。
我、ライラ大好きだから、ライラを見て抱きしめてしまった。ぎゅーってした。
新聖暦899年 茄月の十二日
王都をぶらぶらした。ライラは忙しいらしくて、家族たちとだけである。ライラはきらきらしたドレスを着て、お出かけしているらしい。
貴族夫人だと色んな付き合いがあるらしい。大変だ。
でもラオが言ってたけど、村娘から貴族になると色々と変な風に変わる人間もいるらしい。でもライラは昔のまんまだってラオが言ってた。
ライラは昔から我の大好きなライラのままだ。ライラは我の大事な人間だ。
どこかでライラとお出かけ出来ないか聞いてみよう。王都の竜の祝祭は一緒に楽しめるだろうか。
新聖暦899年 茄月の十四日
我らが王都に来ていることを知った王都の竜の道場の連中がやってきた。何故か知らないが、竜の道場の連中は王都でも一目置かれているらしい。魔物退治とかで役に立ってるらしい。
あと街にあるような竜の像を王都にも作りたいらしい。……王都でもドラゴンは偉大だってのをなんかいろいろ広めているらしい。こやつらはいつも我らを見かけると楽しそうだ。
新聖暦899年 茄月の十五日
夕方までライラは忙しかったらしいけど、夜には我のところで一緒にお話ししてくれた。ライラと話していると楽しい。
子育て談義とかライラと出来るのが何だかよい。心が温かくなる。
新聖暦899年 茄月の十七日
今日はミカガネやライラたちが子達を見てくれるということでラオとお出かけをした。
子たちが学園にはいったら、こうやってラオと二人で過ごす日々が待っているのだなと思うと寂しいけど、それはそれでアリだと思う。
子達が居なくなったら我が一人になるのならば寂しいって思うけど、ラオは我の番だからずっと一緒にくれるのだ。
ラオが我の傍にいてくれるのが、我は嬉しい。
新聖暦899年 茄月の二十日
今日から王都の竜の祝祭である。
我はとてもわくわくしておる。わくわくして思わず走り出してこけたらラオがまた過保護になった。我、竜だからこけたぐらいじゃどうにもならないのに。
新聖暦899年 茄月の二十一日
ライラが時間を取ってくれたので一緒に回った。イラフとドーランと、家族たちも一緒だ。
ライラとお出かけ楽しい。きんきらきんも一緒に行きたがったので一緒に行った。
周りからの視線を感じたりしたけど、ライラやライラの子や、家族たちと一緒ってだけで嬉しくて特に視線は気にならなかった。
新聖暦899年 茄月の二十三日
竜の道場の連中が剣舞をやってた。なんか、街でのものと衣装が変わっているし、なんというか、街のが実践的でもっとこう戦い! みたいな感じなんだけど、王都のは綺麗に舞うことを意識してる感じだった。
剣舞って見ていて楽しくていいなって思う。
新聖暦899年 茄月の二十五日
竜の祝祭も今日で終わりだ。楽しい時間があっと言う間に過ぎる。本当に楽しい。
新聖暦899年 茄月の二十七日
今日はルグネたちが魔法をイラフとドーランに見せてた。イラフも六歳で魔法の勉強中だ。ドーランは来年らしいが、楽しそうに見ている。
ライラとこの様子を並んで見れるの、幸せ。
新聖暦899年 茄月の三十日
巣に戻る事にした。