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ほしいもの3

いつの間に、いたの?

いつの間に、来たの?


『クスクス』


『くすくす』


ふいに聞こえた笑い声に、ぼくは体を固くした。

こういう現れ方をするのは、たいてい人間じゃない。

人は嫌いだけど、人以外が危害を加えないかといえば、それは別問題だ。


学校での、あの影たちのようにぼくを襲う何かかもしれない。


気づかれている?

とにかく、音をたてないように・・・


『見てみて、蝶々が休んでるよ』


『ミテルみてる。さっきからカンサツしてたもの』


気づかれてる。

子供みたいな声だ。


草の隙間からちらちら覗く足も、小さくて人間の子供くらいのサイズだ。


『気づいてる?』


『キヅイテルヨ』


ぼくの羽に絡む、ねっとりした視線。


『どうする?』


『ドウシヨウ?』


何者だ?

ぼくに何の用?

逃げようか。


『話しかける?』


『ドウシタノって?』


ぼくには何にもできないから。

逃げたほうが絶対に良い。


『くすくす』


『クスクス』


ごくりと、唾を飲み込む。

どうして、こんなに怖いんだ。

前はもっと、無関心だったじゃないか。

前は・・・が良ければそれで・・・


「・・・」


ぐらりと、頭の中がぐらついて








「だれですか!?」







気づけば、ぼくは叫んでいた。


「・・・」


しんと、静まり返る花畑。

足音も、その気配もない。


行ったのか?


どくどくと、心臓が波打つ。


もう、大丈夫?


目の前の草は、穏やかに揺れている。


ゆっくり、息をしよう。


ドッキドッキ


なにも、なかった顔して、帰ろう。


ゆらりゆらり


草が揺れる。

風が吹いてる。


ドクン ドクン


ゆら ゆら


大丈夫

大丈夫さ


ドッドッド


ゆーらゆーら


さあ、帰ろう。


どくっドクッ


ゆうらり ゆうら・・・


ふいに、草の動きが止まった。

風が、止んだ。


今度こそ、ほんとうに静寂になったと思ったその瞬間


























『『わーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!』』












「ぎゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!」










ぐわしゃと、目の前の草がつぶれて、子供が二人、転がり込んできた。


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