五話
兄貴と私は怪しい魔導師の連中を遺跡の中に案内するため、遺跡の奥をテクテクと歩いていた。
遺跡の奥はとても静かで私達が歩く音が遺跡のあっちこっちで響いている。
そんな中で私と兄貴はチビのおっさんとフードの男に聞こえないように、前でひそひそ話をしていた。
「イソラこれからどうするんだ?」
「何が兄貴?」
「何がってお前な。こいつらからどうやって逃げるかだよ。」
「何で逃げるの?」
なぜか兄貴におもいっきり頭を叩かれた。
「いったいー!」
毎度ながら痛い。
「わぁーバカ声が大きい!」
兄貴は小声で怒鳴った後、後ろの魔導師に聞こえてないからチラチラ見ながら確認していた。
「兄貴!何で怒ってるの!?」
ハァーと兄貴は横でため息を吐いた。
「イソラあんな約束本当にあの魔導師達が守ると本当に思ってるのかよ!」
まぁ確かにあんな口約束をあの魔導師達が守るとは考えにくい。
でも・・・。
「約束した以上守るでしょう・・・たぶん。」
「たぶんってなんて曖昧なこといってるんだイソラ!!」
「おい!!貴様ら何をずっと前で言いあっているのだ!」
チビのおっさんが後ろから怒鳴ってきた。
「ちっ!聞こえていたか!」
まぁ、あれだけ大声だしたら、普通聞こえるだろう兄貴。
チビのおっさんが前にいる私達の所まで来て指差した。
「貴様ら、真面目に道案内しろ!出なければ、また我が魔法で貴様らを動けなくするぞ!」
「はいはい、わかりました。」
私達は適当にチビのおっさんに返事をした。するとおっさんがまた怒り出した。
「何だその適当な返事は!私は貴様らより年上なんだぞ!!もっと目上の者に敬意を払え!」
何て面倒くさいおっさんなんだ・・・私達より大人のくせに。
兄貴がそれにイラっとしたのか、チビのおっさんを見下しながらまた挑発する。
「はぁー?何であんたみたいなチビに敬意何て払わないと行けないんだよ?」
「なにー!」
兄貴煽るなー私も敬意なんて払いたくもないけどね。
「俺達はあんたらに無理やり道案内させられてるんだぜ、さっさとここから解放してもらいたいもんだぜ!」
「このクソガキまた私の魔法で動けなくしてやろうか!」
「ダダン黙れ、耳障りだ。」
フードの男がチビのおっさんに冷たく言葉を放った。
「も、申し訳ございません・・・・!」
チビのおっさんはシュンっとして落ち込んでいた。
「ギノの民そう焦るな。目的さへ果たしてくれれば、すぐに自由にしてやる。」
「ねぇ、あんた達の探し物って何?この遺跡に本当にあるの?」
私はフードの男に近づき一番聞きたかった疑問を聞いた。
こんなガラクタしかない遺跡に一体どんな物があるというのだろう?
「ある。君たちはわからないだろうがな。」
フードの男は少し口元が笑っていた。
「イソラ!どうせあいつは本当のことなんか話そうとしない。とっと道案内するぞ!」
たしかに・・・どうせ私たちには本当ことなんて絶対話してくれないだろう。
「待ってよ兄貴!先々行かないでよ!」
それから、私たちは黙って遺跡の奥へ奥へと進んで行った。
かれこれ3時間くらいだろうか。崩れた道やら、迷路みたいな通路を進んで行くと広い空間にでた。この遺跡の最終地点だ。
とは言っても、何もないただ広い空間だけが広がっているだけなのだが。
ここに本当に探し物があるのだろうか?
「おい!これ以上先は何もないぞ!」
兄貴は後ろの魔導師たちに言うと、魔導師たちは二人でヒソヒソ話していた。
「ここでお間違いありませんか?」
「あぁ、ここで間違いない。だが、やはり封印が施されている。」
「さぁ!道案内はしたぞ!さっさと約束通り俺たちを解放しやがれ!」
「道案内感謝するギノの民よ・・・。礼に良いものを見せてやろう。」
すると、フードの男は何かを唱え始めた。
「我賢者の意思を継ぐ者なり目覚めよ・・・止まりし時よ動き出せ!」
フードの男の唱え終わると、突然遺跡がグラグラと揺れだした。
「ナニ!?ナニが起こってるの!!?」
「遺跡が揺れている!?どうなってんだ!!」
兄貴と私は揺れる地面にワタワタしていた。
「兄貴ー地面が揺れすぎて気持ち悪い~」
「イソラこんかところで吐くなよ!俺も気分悪くなるじゃねえか!」
すると、ピタッと揺れが止まった。
「揺れが止まった?一体どうなってんだこの遺跡?」
なぜか突然フードの男は笑い声あげた。
「ハハハ!まさか、言い伝えられてきた伝説がこんなものとはな。」
フードの男の前には何もなかったはず場所に祭壇が現れていた。
「何でこんなところに人が!」
私は兄貴が指差す祭壇を見た。
そこにいたのは、水色の透明な綺麗な長い髪に白い肌をした少女だった。
その子を見た時だ。私はなぜか夢のあの人の言葉を思い出す。
「君に意思はあるか?」
どうして?何で今夢のことを思い出すの?
フードの男は眠るその子に近づき、そっと触れる。
「さぁ、目覚めの時間だ・・・眠り姫。」




