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アオノソラ  作者: ポチ
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三話

「ギノの民」・・・それは古代技術を生み出した一族で、科学の時代をもっとも繁栄に導いた人々と言われている。


「ギノの民」は旧首都「バーンザベル」を中心に、科学技術を発展させ、人々に知識を与え、幸福をもたらしていた。


 しかし、現在では「ギノの民」のほとんどは科学時代衰退後、旧首都「バーンザベル」から離れ、一族はそれぞれ散り散りに分かれていったそうだ。


 親方の先祖の「ギノの民」たちはどうやら、旧首都に残ることを決意し、この「カタルダ」という町を作ったと言われている。


「何で、親方はさー「飛行機」作り反対するんだろう?私には良いことに思えるのになー。」


 私は遺跡に向けて走りながら、引きずる兄貴に話しかける。


 本当なんで一緒に「飛行機」作り手伝ってくれないんだろう・・・?


「俺が知るかよ!それよりイソラ俺を引きずるのはもうやめろ!!今すぐ俺を放せ!!!」


「あっ、ごめん。」


 私は走るのを止めて兄貴を引きずるのをやめた。


 どうやら私は大分兄貴を引きずり回していたようで、兄貴は大分靴の服も土で汚れていた。


「あーあー朝っぱらからひどい眼にあったで・・・。」


「ねぇ・・・兄貴、親方は「ギノの民」でしょ?何で古代技術を復活させたいとか考えないのかな?」


「ギノの民」ならば先祖が残した古代技術を復活させたいと思うことは当たり前なはず、なのに親方は一度だってそんなこと口にしてない。


「そりゃー親父は「ギノの民」だが、先祖から古代技術の伝承まで受け継いでいないからな。俺達一族が代々受け継いでいるのは始祖である「ギノ」の名前と遺跡の管理だけだ。」


 そう、親方の先祖もだが、それ以外に彼方此方に散らばっていた「ギノの民」達は子孫達に、古代技術の伝承を一切しなかったと言われている。


 科学衰退のもう一つの理由として先祖達が子孫に伝承を残さなかったのが原因とも言われている。


 また、なぜ先祖達が伝承しなかったのかは、今でも謎のままとなっている。


 ただ、今でも受け継がれているのは、始祖「ギノ」の名前と遺跡の管理だけが、後継者に受け継がれている。


「先祖の人たちもひどいよねー伝承くらい残してくれててもいいものを・・・。」


 そうしたら、親方も反対なんかせず、一緒に「飛行機」作ってくれたかも。


 それとも、反対しているのはもっと別の理由なのかな・・・?



 私が・・・「ギノの民」じゃないからかな?



 何となくそんなことを考えていると、気持ちが落ち込み私は顔を下に向けた。


「別に親父に反対されたからって気にするこったねぇぞイソラ!」


「えっ?」


 まさか兄貴が励ましてくれるとは思わず、私は少しびっくりして顔を上げた。


 いつもならそんなこと言わないのに、珍しい・・・。


「お前はさーどうせ諦めるつもりなんてないんだろう?だったらさ、や・・やれるところまでやってみよう・・ぜ!」


 励ますのがなれていなかったのか、少し顔を赤らませながら兄貴は顔を隠す。


 なんとも、兄貴らしくないが・・・でも。


「そうだよね・・・、うん!こんなことで挫けてられないよね!」


「やっと元気出たか・・やっぱイソラはこうでないとな!」


 兄貴は少し笑った。


 ホント兄貴らしくないが、おかげで元気が出てきた。


「よし!親方をギャフンと言わせられる「飛行機」絶対作るぞ!!」


「おうよ!」


 私たちはそれから思いっきり走って遺跡に急ぐのだった。




 私たちが住む「カタルダ」は前にも言ったように、遺跡が転々と広がっている町である。そのため、家から遺跡に行くにはそう遠くない。


 しかし、近年家の周りや「カタルダ」全体の遺跡から取れる部品(金属類)が徐々に使える部品が無くなってきている。


 やはり科学時代が衰退してから随分経つため、部品を遺跡から取りすぎたのが原因だといわれている。


 そのため、私たちが遺跡に行く時は出来るだけ「カタルダ」の中心地から離れたまだ遺跡調査をしていないところから部品を取るようにしている。


「こんな生活ずっと繰り返していれば、いつか部品も取れなくなってくるんだろうなきっと・・・。」


 兄貴は遺跡が見えてくると急に言い出した。


「きっとじゃなくて絶対だよー兄貴。限られているものだもん遺跡にある部品。それに現在じゃあ「鉱石」も鉱山から採れない以上仕方ないよー。」


 今現在この世界「ケルド・サーフィアス」には科学時代に存在した「鉱石」がほとんど取れなくなっている。


 そのため、金属類を作ることもほとんどかなわず、遺跡に存在する部品から加工して使うしかすべがなくなってしまったのだ。


「でもさー兄貴。どうせ私たち「カタルダ」に住む人くらいだよ遺跡から部品なくなって困るのー。」


 私は兄貴の横を走りながら、話しかけていた。


「カタルダ」は遺跡は沢山あるが他の町に比べ木々などの自然が少なくあまり自然に恵まれない土地である。そのため木を使った物を作ることがほぼ叶わないため、遺跡の部品を使っている。


「それは確かにそうだけどよー。あれ?」


「どうしたの兄貴?」


 私が前を向くと遺跡の入口に人が二人いた。


「遺跡の周りに人がいる?変だな。」


 確かに変だ。遺跡は遺跡調査をする私達くらいしか来ないのに・・・旅人かな?


 でも、それにしては・・・。


「何だか怪しいローブの二人組だね。遺跡に何の用があるんだろう?」


 見た感じからして明らかに怪しい・・・ここは様子を見るべきかな?


「おい!あんたらこの遺跡で何してる!」


 兄貴は大声を出して、怪しいローブの男達に声を掛けた。


 バカ・・・・!兄貴のバカ普通こんな怪しい連中に声掛けないだろう!!


 すると、一人の背の小さい男が私達に気づいてこっちを向いた。


「ふーん?何だ貴様らは??この遺跡は今立ち入り禁止だ!とっとガキは家に帰りな!!」


 何だこの偉そうな中年のおっさんは?


 そんなことを思っていると、横の兄貴が少しキレて男に近づいっていた。


 やはり兄貴は短気だ。


「あぁ!?何だお前はこのチビが!ここの遺跡は全て俺達「ギノの民」の管理下にある!てめぇらこそとっとお家に帰んな!!」


「チ、チビだと!?この・・・人が気にしてることいいやがってこのクソガキが!!」


 チビのおっさんはやたら激怒し、その場で跳ね回っていた。


 さすが兄貴口が悪い・・・そういう所もすごく親方にそっくりだ。


「「ギノの民」だと・・・!」


 一方、チビのおっさんの横に居た若いローブを着た男が「ギノの民」に反応していた。


「ギノの民」がそんなに珍しいのかな?


「・・・まさか「ギノの民」がまだ生きていようとはな。」


 若い男は小さくそう呟くと口元に笑みを浮かべた。


 何だろう顔はローブで隠れていてよくわからないけど、この人何か怖い・・・気がする。


 私がそんなことを思っているのをお構いなしに、兄貴はチビのおっさんと言い争いになっていた。


 何て子供なんだ兄貴・・・。


「てめぇみてえなチビでデブのおっさんなんて全然怖くないっての!!」


「貴様!!デブとは暴言にもほどがあるぞ!!!!」


「デブだからデブって言ってやってんだよ!チビデブ!!」


「なんだと!?きーもう許さんぞ!!このクソガキ!!!」


 チビのおっさんも更にキレて兄貴に殴りかかろうとした。


 しかし、若い男がチビのおっさんの殴りかかる手を止めた。


「その辺にしておけダダン。」


「しかし!!」


 若い男はチビのおっさんに冷たい視線を送った。


「我らの目的を忘れたのか・・・ダダン?」


 すると、チビのおっさんは急に威勢が無くなり、顔が青ざめていた。


「も、もう、申し訳ございません!!決してそのようなことは・・・。」


 チビのおっさんよりこの若い男の方が偉いのか?


「ならいい・・・さて、こんな所で「ギノの民」と会えたのも何かの縁だろう。遺跡の中の道案内でもしてもらおうじゃないか?」


 若い男が私達にの方を向き直し笑みを浮かべた。


 やっぱりこの男何か怖い・・・それにこの男は一体何を考えているんだ?


 こんなあからさまに怪しい連中を普通遺跡に入れるわけないだろう。


 私が思ったことを兄貴が代弁するかのように、今度は若い男に近づいて言った。


「あぁ!?てめぇ何言ってんだ!てめぇらみていな怪しい奴らを遺跡の中に入れるかっての!!」


 兄貴はやたらキレながら若い男の胸ぐらを掴んだ。


 この構図だと何だか兄貴の方が悪者みたいに見えるな。


 ちょっと兄貴に呆れながら、その光景を私は少し後ろの方から見ていた。


 若い男は何ら抵抗せず、ただ兄貴に胸ぐらを掴まれていた。


「あぁ・・・言い方が悪かったか・・してもらうじゃなくて、案内しろと命令するべきだったよ。」


「何!!!」


 若い男の挑発に更にキレそうになった時、突然兄貴の足元が赤く光りだした。


 兄貴の足元が赤く光ってる?まさか・・・これは!


「兄貴!!危ない!!!」


「何だ!?わぁ――!!?」


 兄貴が慌てて若い男から離そうと、私は兄貴を思いっ切り後ろに引っ張った。


 私と兄貴をそのまま地面に倒れこんでしまった。


 その後のことだ、兄貴がいた場所から急に火柱が立ち上がった!


「な、な、なんだこれ!?何もない場所から火柱が!!?」


 こんな何もない所からいきなり火柱が起こるなんてありえない!


 この強大な力はもしかして・・・・・・。


「魔法・・・?」


 若いを男は薄らと口元に笑みを浮かべながら、唖然とする私達を見下すのだった。



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