一話
ただひたすら草原と転々と大きさの違う遺跡がある広野を私は眺めながら歩いていた。
今日もなんて喉かなんだろうホント平和だなぁ~。
「ホント今日も散々だぜ全く、イソラー今日はちゃっちゃっと仕事終わらすからな!」
本当兄貴さへ来なければもっと昼寝したかったなー。
「おい、聞いてんのかイソラ!!」
呼ばれてることに気づかずにぼーっと歩いていると、前を歩いていた兄貴がわざわざ後ろに戻ってきて私の頭を叩いた。
「返事しろこのバカ!!」
痛い・・・・何の嫌がらせだらうか。
私はその場で頭の後頭部を抑えながら歩くのを止めた。
「兄貴ひどい痛いじゃんか!私なんもしてないのに!!」
「お前が名前呼んでるのに、返事しねぇのが悪いんだ!」
なんて理不尽な暴力なんだ・・・こういうところはホント親方に似てるんだよな。
「全くよー日が落ちるまで仕事を終わらせるからな!わかったらとっと早く歩け!!」
「はいはい、わかりましたよー。キビキビ歩くよーだ。」
そう言いつつ、またゆったりとしたペースで歩いていると、兄貴が眉間にしわを寄せながらまた私の頭を叩こうとしたが、今度は避けて、代わりに兄貴の背中に思いっ切り足蹴りを食らわせた。
ざまぁみろだ。
私は兄貴を蹴った後、全力でその場から逃げた。
「兄貴そんなところで寝てる暇あるかい?私さっき行っちゃうからねーぷぷぷ。」
兄貴は数秒ほど倒れていたが、その後起き上がるとすごいキレ顔で私のほうに向かって走ってきた。
「てめぇ・・・待ちやがれイソラ!!!!」
何とも平和だが、私とっては毎日慌ただしい日常である。
しかし、そんな日常が私とっては楽しいものであることに変わりわない。
そのあと、私は兄貴に追いつかれ、こっぴどく怒られるのであった。
むかし、むかし世界は『科学』と呼ばれる力で繁栄していました。
人々は科学によってとても平和な暮らしを送っていました。
しかし、科学は「天罰」をきかっけに繁栄から衰退へと変わっていくのであった。
私が住んでいるこの町「カタルダ」は昔まだこの世界「ケルド・サーフィアス」が化学によって繁栄していた頃、旧首都である「バーンザベル」の遺跡の一部から出来た町である。
旧首都であった「バーンザベル」はそれはそれは美しい都であったそうだが、今やその面影はほとんどなく、ただ転々と古代の遺跡が広がっている町になってしまった。
住んでいる住人も少なく、旧首都時代に比べると天と地ほどに差があるくらいだ。
「あーあー早く仕事終わらないかなー。」
さっき兄貴に思いっ切り殴られた所頭のたんこぶを抑えながら、私は仕事である遺跡の中の調査を行っていた。
調査といっても、私達の今の技術では古代の失われた科学技術を呼び起こすことはまだ難しく、なので使えそうな部品だけ遺跡から持って帰り加工し、生活に必要なものを作っている。
古代の先人たちも私達未来の人のためにわかりやすく作って欲しかったものだ。
「口動かす暇あるなら、手を動かせイソラ!今日中に使えそうな部品がいるんだからなさっさと探せよ。」
兄貴もまだ私に蹴られた背中を抑えつつ、使えない部品を退けながら部品を探していた。
「わかってるよーだ。」
とは言っても、使える部品もなかなか見つかるものではなく、そのほとんどが私達には使うことのできない古代の遺産なのである。
こんなの日が落ちるまでに見つかるのかな・・・・。
「もうほんとこの町に『魔法』が普及していればなーもう少しマシな生活が送れるのになー。」
魔法それは科学が衰退後、世界が危機に陥った際にある賢者によって生み出された不思議な力のことである。
賢者の魔法によってこの世界は危機から救われ、後に賢者の弟子たちによって後世受け継がれっていた。
そのため、現在の世界では魔法を使うことはごく一般的なものとなっている。
「それは無理だイソラ、俺たちの住んでる場所が悪い。俺たちは旧首都のあった町に住んでるだぜ?『魔導士』が来たがらないさこんな土地。」
兄貴は珍しくまじめな顔で私に言った。
確かに魔法は人々にとって一般的なものとなって、現在では魔法を専門的に扱う魔導士達によってこの世界は築いている。
しかし、魔導士達は科学をとても嫌っている。
もっと言えばバカにもしている。
そのため私達が住む『カタルダ』に魔法を伝えることを一切しなかった。
たかだが科学と魔法の違いだけで、差別なんてしなければいいのに・・・。
「とにかく、俺たちには一生縁のないものさ魔法なんてな。ほらそんなことより、使えそうな部品見つかったか?」
「まだ・・・・。」
私は少ししょんぼりとした気持ちで、また部品探しの仕事に戻った。
日が落ちて辺りが暗くなる頃に、やっと仕事は終わった。
このまま終わらないいじゃないかとひやひやしていた。
「やったー!終わったよー!!疲れたよーおなか減ったよー。」
遺跡の出口から出るとすぐさま目の前にある草原に倒れこんでゴロゴロしていた。
「日が落ちるまでに結局終わらなかったなー。まあ必要な部品も見つけたし良しとしますか!」
兄貴も私に釣られてか、出口から出ると座り込んでいた。
どうやら兄貴も相当お疲れのようだ。
「ねぇ兄貴?」
私は倒れこんだ状態で兄貴に話しかけた。
「なんだイソラ?頼むから帰り疲れたからおぶってくれとか無理だからな。」
それも言おうとしたけど、さすがにそれは見抜かれたか。
「そんなんじゃないよーだ。あのねさっき言ってたじゃん私達には魔法なんて一生縁のないものだって。」
「それがどうしたんだ?」
兄貴は座り込みながら一応私の話をちゃんと聞いてくれていた。
「私はねそんなことないと思うんだ。」
「何で?」
だって・・・・・。
「だって、それって兄貴がただ単にあきらめてるだけだよ。」
兄貴は一瞬きょとんとしたが少し咳払いをしてムッとした。
「別に俺はあきらめてるわけじゃないぞ!ただ現実的な話無理なことだから・・・。」
「だからさーそれをあきらめてるっていうんだよ兄貴。」
「なっそんなこと・・・。」
フフッと笑いながら私は空の星を見つめた。
「兄貴あきらめるのはまだ早いよ。アレが完成すれば兄貴だってきっと考え変わるよ。」
「アレってもしかしてアレか『飛行機』のことか?無理だよあれはまだ全然できてないし、第一飛ぶかどうかもわからないんだぞ!」
兄貴はすごい慌てた顔で、周りをキョロキョロみていた。
「そんなことないよ!きっと完成する!!そしたら兄貴も一緒に世界を冒険しようよ!!!」
私のキラキラした目を見て兄貴は呆れた顔をした。
「冒険ってお前な・・・。」
「約束だよ兄貴絶対だからね!!」
私は起き上がり、兄貴に手を差し伸べた。
「そうと決まれば早く帰ろう兄貴!私たちの家に!!」
兄貴は呆れるを通り越して少し笑っていた。
なぜ笑うんだろう?私そんな変なこと言ったかな?
「やっぱお前の考えには敵わないなイソラ。」
そう言って、兄貴は私の手をつかみ立ち上がった。
「じゃあ帰るか我が家に!」
「うん!」
私たちは夜空の光る星を少し眺めながら、ゆっくりと家に帰っていくのだった。




