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58 ゴミ屋敷

「さあ、遠慮せずに中に入ってや」

「あの大森さん? ここは一体どこですか? やけに散らかってますけど」

「どこってわいの家に決まっとるやろ? 事件を調査するんやろ。ほな気合いをいれていくで! まずは片付けからや!」

「えっ? えーっ!?」

「ほら、何をぼーっと突っ立ってるんや。はよ片付けるで」


 俺たちが連れてこられたのは、ぼろいアパートの一室。

 足の踏み場もないほど散らかった部屋だった。


「こんな汚い部屋初めてやわ。さぶちゃんようこんな部屋で生活しとったな」

「あーちょっと神崎はん、それは捨てずにまとめておいてや。事件の資料やさかい」

「なんや、文句あるんやったら自分で片付けや。うちらはこないなことするために来たんちゃうねんで?」

「ワハハ、すまんのう。最近、忙しくて部屋を掃除する暇がなかったんや」


 ゴミ屋敷のような部屋を何故か片付けさせられる俺たち。

 そんな中、一枚の資料が目に留まる。


「これって今回の行方不明事件の被害者リストですか?」

「おう、そうや。本来ならもっときちんと管理せないかんのやけどな、ワハハ」

「……どれどれ」


 なるほど。

 被害者はこの時点ですでに12名。

 目立った共通点もなし。


 行方不明となった日付も時間もバラバラ。


 そして何より気になるのが――。


「誰も連れ去れられる現場を目撃していないんですね」

「そうや。被害者は全て何の前触れもなく忽然と姿を消しとるんや。まるで神隠しにでもあったかのようにな」

「神隠し、ですか……」


 半年前の東京で起こった事件。

 あの時もそうだ。

 

 涼太たちは何の前触れもなくいなくなった。

 異世界に召喚された、という噂だけを残して――。


 しかし、今回はその噂すらない。

 

 まるで何かの魔法でも使ったかのようだ。

 痕跡を全く残していないため、事件に巻き込まれたのかさえもわからない。


 そのため警察も動けない。

 ただ分かっていることは、確実に人が消えたという事実だけ。


 そうレイの姉のように――。


「ほとんど手がかりなしじゃないですか」

「なんやその期待して損したみたいな顔は。言っとくけど、わいはマルトクの下っ端なんや。護送や事務仕事ばかりで、詳しいことは何も知らされてないんや! その資料もこっそり持ちだしたもんなんやで!」

「そ、そんなことで威張らないでくださいよ。だったらシェリーさんに連絡をして……」

「それはあかん」

「ど、どうしてです?」

「わいの任務は、君ら三人を無事に東京まで送り届けることや。再び大阪に戻ってきて、しかも事件の調査をしてるなんてことがバレたら……」

「バレたら……?」

「シェリーはんにお仕置きされてまうがなー! グフフ」

「な、なんでそんな嬉しそうなんですか……」

「べ、別にシェリーはんにお仕置きされたいとか、そんなやましい気持ちはないんやで? ただわいは純粋な気持ちからこの事件を解決させたいだけなんや!」


 ダメな人だこれ。

 特殊訓練兵といっても、みんながみんなシェリーさんのように優秀であるとは限らないようだ。


「おい美穂、どうした!? しっかりしろ!」


 突如、涼太の叫ぶ声が部屋中に響き渡った。

 俺と大森さんが慌てて声のするほうへと向かう。


 すると――。

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