31 再会
「な、何が起きた……?」
「海斗、大丈夫?」
「ああ、ちょっと今の衝撃で転んだだけさ」
突如鳴り響く爆音。
どうやら近くで何かが爆発したようだ。
「ふむ、困ったものだ。特殊訓練兵はまだ実験体を全て捕まえていなかったようだねぇ」
外の様子を見ながら青木が呟く。
面倒臭そうに頭をポリポリとかきながらどこかへ消えてしまった。
その隙を見て、西崎先生が檻を蹴破ろうとする。
しかし、鈍い金属音が鳴り響くばかりでびくともしなかった。
「くそう、青木め。俺たちをほったらかしにしてどこへ行きやがったんだ」
不機嫌そうに怒鳴り散らす西崎先生。
そこに、青木が戻ってきてこう言った。
「さてと、邪魔者は始末しとこうかぁ」
手に持っていた銃を俺たちに向けながら青木は笑った。
「青木、俺たちを殺す気か!?」
「そうだよ。これ以上、僕の邪魔をされたら迷惑だからね。なあに、心配いらないよ。これだけ実験体が暴れまわっているんだ。僕が殺したかどうかなんて誰にもわかりゃしないからさ」
「や、やめろ! こんなことをしても、由美は喜ばんぞ」
「さようなら、西崎」
西崎が引き金をひこうと手をかける。
その時だった、べちゃっという音と共に青木がその場に倒れ込む。
そして、地面は真っ赤に染まった。
「やっほぉ、久しぶりやな、カイちゃん!」
「か、神崎ッ!?」
「うちが来たからにはもう安心やでー、今、その檻の鍵もあけたるわ」
そう言って、青木から鍵を手際よく奪った神崎は、檻を開けてくれた。
「神崎、どうしてお前がここに……」
「んふふー、それはな、涼ちゃんを救うためや! 愛する彼を救うためなら例え火の中、水の中!」
「涼太を救うため? 涼太がどうかしたのか?」
「それがなー。突然、大量の兵士に追われて、えらい目にあったんやで。な、涼ちゃん?」
「お、おう……」
暗がりから一人の男がぬっと現れた。
辺りをきょろきょろと警戒しながら、手を震わせている。
涼太だ。
「涼太、無事だったんだな!」
「無事なもんか、いきなり命狙われて逃げ惑うことになるし、もう何が何やら……」
そう話す涼太の目を見ると、真っ赤に染まっていた。
「涼太の目が……」
「お? カイちゃん、さすが目敏いなぁ。不思議やろ? 突然、涼ちゃんの目が赤くなってしもうてな。それからやねんな。変な連中に追われるようになったんよ。それで、今まで地下を逃げ回ってたんやで」
「なるほど、それでなんで俺たちが捕まってることが分かったんだ?」
「そりゃ、友情パワーっていうん? 仲間のピンチに駆けつけるのに理由なんていらんっちゅうわけよ」
「偶然、逃げ込んだ先がこの研究所だっただけだろ」
「あ、涼ちゃん、何をバラしとんねん。そんなんじゃちーっとも格好つかんやんけー」
「こんな時に、嘘ついてどうすんだよ」
神崎が涼太の頭をグリグリとさせながら安心したように笑う。
「でもカイちゃんたちに会えて良かったわ。うちらだけじゃどうにもできなくて困ってたとこやったんよ」
「お、おう……それより、あの爆発音はなんだ? あれもお前らが?」
「あー、すごかったやんな。さっきの爆発。随分と近かったけど、何やったんやろな?」
「え……?」
あの爆発は神崎たちじゃない……?
だとすると――。
「伏せろ、神崎ッ!」
俺の叫び声と共に、部屋が爆発する。
「げほっ、ごほっ、みんな無事かッ!?」
「おう、なんとかな」
「なんや、驚いたわー、あの部屋にも爆弾が仕掛けられとったんか?」
いや、違う。
俺たちを殺そうと、爆弾を投げ込んできたのだ。




