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Three!
▼健side
昨日、ある女の子とぶつかった。
申し訳ない気持ちで顔を上げると、
瓶底眼鏡とおさげという、言ってしまえば凄く地味な格好。
でも、なぜだか気になる。
気がついた時には話しかけていた。
「ゴメンな!」
後日、お詫びをするとは言ったものの、
名前も、クラスも分からない。
そして、あの子が何を好きなのか…。
真剣に考えても、分からなくなるー方で。
だったらいっそ、じぶんの好きな事を体験してもらおう!
そう考えた僕は、彼女を探しに他のクラスをまわる事にした。
1組から順番にまわっていったら、割とすぐ見つかった。
僕のクラスの隣の4組にいたのだ。
(健は3組)
同じ部活仲間の堺に彼女を呼んでもらった。
彼女と人気の無い場所に行き、話しかけた。
『あのさ…この前ぶつかったお詫びといってはなんだけど、
今度の土曜日出掛けない?一緒にさ。』
彼女は少し考える仕草をした後、
ゆっくりと口を開いた一一一…。