表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

婚約したお嬢様の一生

作者: 八崎節子


 あるお嬢様がいた

 王国の王様の遠縁のお嬢様

 だからいずれは誰かと結婚する事が王国の益になる筈だった


 でもお嬢様は婚約しては取り止めた

 その数何と二十七回!

 みんなお嬢様と婚約して取り止めて幸せになった


 そしてあの始まりの一回目の時

 お嬢様は笑って

「私が出来たのは生まれてきた事だけです、それでも大きな事ですが、誰もがそうであるように」

 と言った


 一人目は王国の王子様だった

 お嬢様は王子様との婚約は取り止めになって、王子様と隣の国のお姫様の婚約が世界に報じられた

 隣の国のお姫様は心優しい人で王子様とすぐに笑い合う仲になった


 もちろんお嬢様も王子様もその事は生まれた時から聞かされた

 だから二人は友達として仲良くなった

 何も知らない人は二人を微笑ましい許嫁と見守っていた


 国は長い間隣の国と敵対していた

 でも時代は変わった

「もう争うのはやめよう」

 密かに事は進められた

 いずれ和平の証として隣の国からお姫様が王子様に嫁いでくる

 お嬢様はそれまで他の国を欺く為に嘘の婚約を王子と交わされた


 一人目は王国の王子だった

 母君のお腹の中にいる時に決められた

 でもそれはいずれ辞めるのが前提の婚約だった


 あるお嬢様がいた

 王国の王様の遠縁のお嬢様

 だからいずれは誰かと結婚する事が王国の益になる筈だった


 でもお嬢様の二十七回の婚約取り止めで王国は栄えた

 みんなお嬢様に感謝している

 お嬢様は言った


「独りは幸せ!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ