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窓の外

短編

みかんの缶詰

風邪

カモメ


 ここは窓から海が見えるアパートの349階の部屋。

風邪をひいている僕は部屋の真ん中の布団に寝むる。

天井を見ている、繰り返しやって来る寒気と時々見える黒い塊。


幾時間かそれを感じて冷蔵庫からガラスの器に入ったミカン缶詰を持ってきて布団に入りフォークで一切れ食べる。

ミカンの大きな雫が弾けて海に浮かぶ船が見える。

カモメにミカンの雫が当って弾ける。 「今日はなんて素敵な日なんだ」 暖かい風を浴びながらカモメは言う。

側にいた船が急旋回してミカンの雫に向かう 。

「面舵一杯!」船長は得意げに舵をきり大声をあげる。

船員達は風を見つけて帆についたロープをみんなで引っ張る。

大きく方向を変えた船は傾きながらスピードをあげてミカンの雫の下へ辿り着く。

船長は大きなグラスでミカンの雫を受け止める、船員達も空を見上げてミカンの雫を待ち構えている。

よく晴れた海の上で大きな笑い声が聞こえる。

僕はミカンをもう一つ食べながらその光景を見つめていた。

天井を見つめる。

黒い塊は灰色になっていた。

布団に潜り込み中で僕はニッコリ笑う。

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