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047 推しとの夢

 それから未来ちゃんの仕事がない日は毎日のように、オンラインもしくは私の家に集まった。

 未来ちゃんは流石の逞しさでライトノベル作家さんからアドバイスを貰いまくり、私に伝えてくれた。すごく参考になったし、そもそも自分の書き方とかが小説のルールに準拠していなかったことに驚いた。3点リーダーって2個繋げて「……」にしないといけないらしいよ!


「文ちゃん、花森学園ってこれで何文字くらいになったの?」

「え? あー……8万字を超えたみたい」

「じゃあさ、新人賞に応募してみようよ! 無料小説サイトに発表している作品なら未発表とみなされて応募可能みたいだし」

「新人賞……私が?」


 正直、その発想がなかったわけじゃない。

 無料小説サイトは作者の知名度がない状態で戦うとスタートからして不利なのだ。例えばSNSで人気の作者さんが新作を上げたとしたら読者さんも読者ではないけど追いかけている人も応援ブックマークをしてくれる。


 でも私は無名だし、SNSで気の利いた面白い投稿もできないから未来ちゃんくらいしかついてきてくれないだろう。

 だから戦場をwebではなく、出版社に変えるという手はアリなのだ。


「新人賞も探してみたら色々あってね、どこが良かったどこが悪かったか教えてくれる評価シートってものが送ってくれるところもあるみたいなの!」

「評価シート!?」


 つまり客観的な意見をプロの目線から教えてくれるということだ!

 未来ちゃんは客観的に見えつつ、結構寄ってるからほぼ主観だしね。


「やろう! それだけでも価値があるよ!」

「うん! 私がアドバイスもらっている作家さんなんだけど、新人賞の下読みの仕事もしているみたいだから教えてもらったんだ」

「未来ちゃん……私のために……」


 推しが自分のために何かをしてくれるなんて……涙が出らぁ!

 あと私にできることは応えるのみ! webに投稿している作品をもっと磨いて、2万字足して新人賞だ!


「未来ちゃんありがとう。絶対に1人ではここまで来られなかったよ」

「ううん。私がやりたくてやってるんだもん。私の夢でもあるからね」


 未来ちゃん……天使や。さすがラファエルに声を吹き込んだ天才少女だ……。

 そこから2週間で新人賞用の文字数10万字に達し、さらに2週間、推敲作業という磨き上げを行った。

 辛い時は未来ちゃんがそばに居てくれたし、アドバイスもしてくれた。さしずめ新婚生活だった。ゲームにして売ったら超売り上げ良さそう。


 そして私たちは1年生を修了し、春休みを迎えた。

 それと同時に……新人賞評価シートが送られてきたのである!

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