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ディリュージョン・ダン・デスティニー  作者: デスティノ
第3章 メシア編【アカシックレコード編】
83/363

第83話 つじつま

「──ということです。今話したことこそが、僕がアカシックレコードで知ったすべてのこと。まさにこの世の真理です」


ゼロから聞いた話。

僕はそれを、机を挟んで向こう側に座っているA0-2。

そして、僕の隣に居るイザナミに熱弁し終えた。

話を聞いた二人の反応を、真剣な眼差しで伺ってみる。


「な、なるほど……」

「……」


一言の相槌をうつだけのA0-2と、状況の整理中と言った様子で黙り込むイザナミ。

彼女たちは、二人して必死に情報を飲み込もうとしていたのであった。


「とりあえず君の話は理解した。近いうちに報告書を私が書いてAPEX社に提出しておこう」

「お願いします、A0-2」


A0-2の言葉に返事を返す。

僕のあまりにもスケールの大きい話のせいか、一瞬唖然の二文字を見せていたA0-2。

しかし、彼女はすぐに気を取り直してこの場の主導権を再び握るのであった。


「よし、では一気に話の本筋に戻ろう」

「わかりました」

「先程まで我々の論点は、『メシアのイザナミに対する行動の理由について』だった。この"行動"というのは言わずもがな、君がここでイザナミに覆いかぶさっていた、ということを示す」


恥ずかしい事実をA0-2に見られ、さらにはそれを淡々と述べられる。

それに対するイザナミの反応はどうだろう──

ふとイザナミの方に目を向けてみた。

しかし、彼女はうつむいたまま何かを考えているのみであった。


その不思議な様子に軽い疑問を抱く僕だったが、A0-2の話は続いていく。


「次に、それに対する君たち二人の主張は、『メシアが疲労によって意識がもうろうとしていたから』ということだった。そして、私がその意見に異議を唱えたところ、君がアカシックレコードでの話を話し始めた。ここまで流れは合っているな?」


確認の目線をこちらに送ってくるA0-2。

僕はすぐさま


「はい」


と、シンプルに言葉を返した。

続けて彼女は、僕の横に座っているイザナミに目線を向ける。

しかし──


「……」


イザナミは何か考え込んでいるようで、黙り込んだまま。

A0-2はそんな彼女に声をかけた。


「おいイザナミ、どうした?」

「……」

「イザナミ──」

「ん……? え?」


A0-2の二度目の声掛けにようやく反応するイザナミ。

様子から察するに、彼女は恐らく先程まで考え事をしていたせいか、まったく周りが見えていなかったのだろう。


彼女は『え? 何かあった?』とでも言わんばかりの、戸惑いの顔をしている。

A0-2からの声掛けを無視していたのにその反応──僕の考えの裏付けとなった。


「まったく……」


イザナミに対して呆れの言葉を吐くA0-2。

彼女は続けてこう言う。


「君たち二人がAPEX社に入ってからもうずいぶんと長い。環境に慣れるのはわかるが、この話は世界の命運を分けるかもしれないようなことなんだ。もう少し緊張感を持ってくれ」


僕とイザナミ、二人の究極生命体の様子から感じたA0-2の心境。

それが言葉となって僕たちに届いた。

僕たちはA0-2の思いを受け止め、気持ちをぱっと切り替える。

そして、この話に真剣に向き合っていくのだった──



★★★



「では話を再開する。ゼロの話からするに、メシアの気絶というのは"オリジンの気迫"によるものなんだな?」


A0-2は話の筋をまとめつつ、話を進めていく。


「はい、そうです。僕とオリジンの気迫の相性は最悪らしいので……」

「わかった。しかし、ここにはオリジンは居ない。今のままではつじつまが合わないんだ」

「僕もそう思ってゼロに聞きました。でも彼からは、『気迫は長い間その人物の近くに居た者に伝染する』。そのような、気迫の特性のことしか教えられませんでした」


話のつじつまが合わず、疑問点が残っていることを共感し合う僕たち。

A0-2は僕の言葉に


「長い間近くに居た者に伝染──か……」


とだけ呟き、考える様子を見せ続けていた。

その後この部屋にしばらくの沈黙が続くが、話の進展はない。

とうとう僕も


隣の部屋に居る爽真たちは何をしているだろうか──


と違うことを考えだしてしまう。



──そんな時。

僕の横に座っているイザナミが、バッと急に立ち上がった。

そして言い放つ。


「待って、この部屋の扉の向こうに誰か居る」

「──イザナミ、対象の情報は?」


イザナミの言葉を耳にして、一瞬で警戒態勢に入るA0-2。

超常能力を持っているわけでも無いのに、彼女は怯える素振りすら見せない。

彼女の問いかけにイザナミは答えた。


「わかりません、なんの前触れもなく一瞬で現れましたから。まるで……"元からそこに居たかのように"──」

読んでいただき本当にありがとうございます!


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