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ディリュージョン・ダン・デスティニー  作者: デスティノ
第1章 メシア編【始まり編】
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第7話 引っ張りだこ

入学式後の朝のホームルームも終わり、一限目までの休み時間──いよいよ本格的に高校生活がスタートしたというところだ。


そして今から僕が話すであろう相手は、先程目が合った皇爽真(すめらぎそうま)

あっちは初対面のつもりだがこっちは違う。

そこの差をなんとか誤魔化さないと──


「一年間よろしくな! 俺は皇爽真、そっちは?」

「僕は天沢輝星(あまさわきせい)だよ、よろしくね」

「じゃあ輝星だな! 輝星は俺のこと爽真って呼んでくれよ!」


爽真はそう言うと僕の肩をバシッと叩く。

そんな爽真の笑顔、雰囲気がどことなく"彼"に似ている気がした。

『四年前の出来事』で失った僕の初めての友人だった──

僕はこのタイミングで昔のことを思い出していた。


「──なあ爽真、今朝のトレインジャックの話詳しく聞かせてくれよ!」


僕と爽真が話している中に割り込んできた人が一人。

声の方に爽真が振り向くと『いくらでも教えてやるよ!』と威勢よく返事。

続けて声の主と僕の目が合った。


「よっ! 俺は逸見昇(いつみのぼる)、そっちは?」

「僕は天沢輝星だよ。君もメシア目当て? 何か多いよねメシアファン」

「そんなの当たり前だろ! 俺がメシア以上に尊敬してる人なんていないって!」


逸見昇の発言からはメシアへの熱が十分伝わってきた。

そして彼の爽やかな印象、綺麗な髪と清潔感、整った顔立ちから放たれる笑顔からは何の悪意も感じ取れない。

この学校の不信感も僕の中では、何故か段々と払拭され始めてきていた。


爽真は今朝のトレインジャックのことを時間の許す限りすべて説明した。

しかし一限目前の休み時間では話し切ることは出来ず、時間が経つにつれて爽真の周りには段々と人が集まり始める。

そうして今日一日の話題はトレインジャックで持ち切りであった。



★★★



僕の帰宅先は皆が住んでいるような()ではない。

その名前だけ言うなら『APEX社日本支部』──

普通の家々が並ぶ住宅街の地下数百メートルに存在する巨大施設だ。


ゴーー──

低い機械音が耳に聞こえるエレベーター内。

一気に地上から地下まで降りたところでドアが開く。


「──学校はどうだったんだ?」


僕が帰ってくるやいなやすぐさま質問が飛んできた。


「今までにない経験でしたね」

「そうか。今日は一人で帰ってきたのか? 友達はどうなんだ?」

「友達は出来ましたよ、連絡先も交換しましたし。でも帰りは一人で帰ってきました」


オレンジの夕日を浴びながら一人、そんなに人も多くない電車に揺られ帰ってきたのを思い返した。

今日できた友達──爽真は、放課後も皆から今朝の話を求められていたのだ。


「ていうかちょっと待って下さいよA0-2(エーゼロツー)。あの大賢高校……あれは一体どういうことですか?」


僕の言葉に彼女は『何のことだ?』と言わんばかりに首を傾げた。


僕が今話している相手は、今朝の事件後に電話をしていた相手であるA0-2(エーゼロツー)

APEX社の九人の幹部のうちの一人であり、僕の担当幹部だ。


「あの学校おかしいですよ……何か──」


ここで口が止まった。

入学式でのあの言葉を思い出したからだ。


──そして最後に、この大賢高校について保護者も含め他者に漏洩した者は重大な処罰を設けている──


彼女のキリッとした目の鋭い眼光が突き刺さる。

『早く言え』という威圧感を感じた。


彼女のもつ威圧感や性格はその容姿は話しぶりからは十分伝わるだろう。

先程も言ったキリッとした目つき、ポニーテールという髪型だが、本人曰く『結ぶだけだからそれにしている』とのこと。

一部では彼女のことを『可愛い』や『あの威圧感に心惹かれる』などと、バカなことを言う人間もいるらしい。


「何だ? そこまで言っておいて何も言わないのか?」

「……はい、別に何でもなかったです」

「そうか、なら良い。もし何かあるようなら"報告書にまとめて"私に提出してくれ」

「わかりました……」


何か言うにしても報告書というめんどくさい過程を挟まなければならない。

『はあ』と一つため息をつく僕の耳に、突如としてとある知らせが舞い込んできた。


「そういえばメシア」

「はい、何ですかA0-2──」


「──イザナミが来てるぞ」

「──ッ!?」

読んでいただき本当にありがとうございます!


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