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ディリュージョン・ダン・デスティニー  作者: デスティノ
第6章 メシア編【四年前の出来事編】
181/363

第181話 オリジニウム

「──オリジニウム、あの物質こそが彼女の意思の元となったと私は考えます」



□□□


オリジニウム──

APEX社が発見した新しい物質であり、原子番号はxという変数の文字でおかれている。

というのもこのオリジニウムは他の原子とは全く違う性質を持つのだ。


通常、原子は『化学変化によって、それ以上分けることができない』、

『化学変化によって、新しくできたり、別の原子に変わったり、なくなったりしない』、

『種類によって、大きさや質量が決まっている』

という三つの性質をもっている。

しかし、オリジニウムはその三つの性質とほとんど真逆の性質を持つ。


オリジニウムは不定期的にそれ以上に分かれたり、新しくできたり、別の原子に変わったり、なくなったりするのだ。

また、どのようにして手を加えたとしても化学変化は起こらず、当然大きさや質量は決まっていない。


更に、オリジニウムが無くなる時にその質量分のエネルギーが発生する。

つまりオリジニウムは3つの性質に当てはまらないだけでなく、エネルギーすらも発生させる物質なのだ。



この原子の性質に一切当てはまらないオリジニウムは、研究者の間で、原子と見なすか否か、この物質の存在を無視して物理法則を考えるべきかなど、様々な議論がなされている。


また、オリジニウムの性質があまりにも奇妙で生物のように見えることから、生物学者や哲学者なども議論に参加。

色々な分野の専門家たちを巻き込み、悩ませた。


またそんな議論の中で、『オリジニウムの保存方法』という議題が出てくる。

というのもオリジニウムはその特殊な性質上、勝手に消えてしまう為、存在を留めておくのも至難の業なのだ。

あらゆる議論の末、現在の人類の技術では到底不可能、そのような結論に至った。


──しかしそんな時だ。

最先端をゆく会社、APEX社が立ち上がった──


□□□



「──我々はオリジニウムの保存を目的に『イザナミ』を造り上げた。何故知能のないオリジニウムが彼女を支配できる?」


A0-4へ向けて放たれた容赦のないA0-2の質問。


「この世界の法則に逆らうオリジニウムは一部の科学者の間では『生物』であると囁かれています。A0-2、あなたはオリジニウムに知能が無いことを前提としていましたが、そもそもそこから間違っているのではないですか?」

「オリジニウムが生物? 君はそう言いたいのか?」

「いえ、違います。私もオリジニウムを生物というのは、非現実的であると考えています」


そう一言置いてからA0-4は──


「ですが……オリジニウムが意識の根源となる量子に作用する物質であるとしたら、どうでしょう?」


A0-4は口角を少し上げて、ニヤリと笑みを浮かべながらそう言った。

そしてA0-2は固唾を飲み込む。


「もしそうであるとしたらイザナミは……人の意識をも操ることが……」

「そういうことですA0-2。今はイザナミは覚醒していませんが、意識を取り戻しその能力──『オリジニウム操作能力』を自由自在に使用できるようになれば──」

「……なるほどそうか」


二人の幹部の間で以心伝心が行われた。

両者はこくりと頷き、他の二人の幹部──A0-1、A0-3も彼らと目を合わせて意思疎通をする。


「メシアの能力は光、もし仮に彼が我々に対して反乱を起こしたとしても封じ込めは可能。でもイザナミの場合は意識を操作してくる為、我々が簡単に無力化される可能性が高い」

「その通りですA0-1。そしてこの現状を踏まえてどうするかが問題です」

「あなたがそう言うってことは、もう既にその解決策を考えてあるってことですよね?」


A0-3はA0-4のその能力を見抜いて問いかけた。

一方A0-4は『ははっ』と不気味な笑いを一つ。


「いぃや? ……全然そんなことないですよ」

「……」

「……」

「……そうか」

「私もこの解決策については考えますので、皆さんも明日までには考えておいてください」


不敵な笑みと共に宿題が出された。

その会議の場にいた全員はA0-4からの言葉によって『解決策』を考えることになる。

そしてこれがAPEX社全体の意向を操作することになるとは、まだ誰も知らない──

読んでいただき本当にありがとうございます!


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