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ディリュージョン・ダン・デスティニー  作者: デスティノ
第5章 メシア編【ラスベガス編】
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第148話 危機察知

──それからなんの音沙汰もなく時は進み、鬼嶋もだいぶ飛行機に慣れてきたよう。

もう僕の手を握ることはなくなった。

また、他の乗客に目をやると睡眠をとる人がちらほら見える。

今の機内はだいぶリラックスした空間──


隣の鬼嶋も、うとうとしはじめており、何度も顔を下げてはハッと上げる──その繰り返しだった。

そんな時、彼女に追い討ちをかけるかのようにプツリと飛行機の明かりが消灯した。

どうやら睡眠時間のようだ。


暗くなった機内、目を瞑ってすやすやと眠る周囲の人間──

それらに彼女もつられて、深い眠りに落ちるのだった──



──一方、その様子を見てしめしめと思う僕。

何せこれでようやく先程会った、欠損神バグに関する報告書を書くことができる。


僕はまだ眠りについたばかりの鬼嶋を起こさないためにも、ゆっくりとノートパソコンを取り出した。

そして極力音がならないように十分配慮しながら、タイピングを開始する──



★★★



カタカタカタ──


「もう全然起きないじゃん……」


あれから数十分が経ち、僕がどれだけ速く、また激しくキーボードを打っても隣の鬼嶋は何の反応も示さなくなった。

それどころか僕のタイピング音をASMRのように感じているのか、どんどんと眠りが深くなっていくようにも見える。


彼女の穏やかな表情を見て安心した僕は、報告書の執筆に集中することができるのだった。



──でも先程から何か"気持ち悪い感じ"がする。

バグの気迫を感じ取ったときとは明らかに違う、かすかな感覚だ。

気のせいだろうと思えばもう感じなくなってしまうほどの微弱さ。

でも僕はその違和感の中に含まれる、今までに感じたことのある感覚を見逃さない。


"第六感"──それに似たものを僕は汲み取ることができたのだ。


そして、そのおかげで今回は過去の誤ちを繰り返さずに済んだのだった──



★★★



──明かりが消えて薄暗くなった機内で突然、発砲音が響く。


バンッ──!

──ガタッ!


その大きな銃声に、皆眠っていた体を勢いよく呼び起こした。

また、そのせいで多くの人間が机や椅子などに体をぶつけることに。

隣の鬼嶋や、報告書を書いていた途中である僕もそのうちの一人である。


音の下方向は前の方。

バッと顔をあげてそちらを見ると、僕の目に映ったのはモワモワと上がる煙だ。


やっぱり……さっきの違和感の正体はこれか──

なんだ? 第六感には自動回避と周囲環境把握以外に、危機察知もあるのか──?


第六感の新たな能力が垣間見え、疑問を抱く僕。

でもまだ意図的な発動はできない為、周囲環境の把握は不可能だ。

そのため、この巨大な飛行機の後方に乗っている僕たちからは、そこで今何が起こっているかはまったく見えない。


先程の発砲音から、そいつは銃を所持している──

その推測以外は何もないのだった。

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