表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ディリュージョン・ダン・デスティニー  作者: デスティノ
第4章 メシア編【和解編】
110/363

第110話 原因

僕が廊下へ出た頃には、もう爽真の姿は見当たらない。


トイレにでも行ったのかな──

そう考えながら辺りを見回す僕。

周囲には人混みと、そこから発せられる退学に関する話ばかり。


ずっとその話題で持ち切りだな……。

僕が大賢高校に進学するって発表された時みたいだ──


同じことしか言わない皆に、そろそろ飽き飽きしてきている自分がいた。

そんな時、隣のクラス──1-Bのドアから出てくる七海の姿を発見する。

彼女も僕と同様、キョロキョロと辺りを見回していた。

遠目から見たところ、七海の周囲にはいつもの囲いの女子たちは居ないようだ。


爽真はどっか行っちゃったし、七海とでも話すか──


僕は人混みを避けつつ、彼女の方に向かって歩き出す。

一歩一歩と進んでいくうちに、彼女の方も僕の存在に気づく。

目が合った瞬間、七海はこちらに向かって大股で足を進めてきた。


──しかし、異変に気づいたのはこの頃だった。

七海との距離が狭まっていくうちに、彼女の表情がより鮮明に見えてくる。

近づくうちに僕は気づいた。


彼女の顔が真っ青になっていたことに──



「ど、どうしたの七海? 顔色悪いけど……」

「──ちょっとついてきて天沢君、誰もいないところに行こう」

「な、なんで?」

「──いいから!」


七海は僕の服の袖を引っ張り、強引に僕のことを連れて行く。

理由を聞いても『後で』の一点張り。

僕は彼女の必死さを感じ取り、黙ってついていくことに。

早歩きでスタスタと歩いていく七海に疑問を覚えつつも、後ろをつけていくのだった──



★★★



──やがて辿り着いたのは体育館裏。

周りには人一人として居ない。


朝の短い準備時間に体育館裏──?

一体何をそんなにも隠そうと──?


様々な疑問が頭に浮かぶが、まずは七海の話を聞くことに。

僕は文句どころか言葉一つ発さずに、ただ七海の口が開くのを待った──


「……まずはわざわざここに呼び出しちゃってごめん、天沢君」

「大丈夫だよ、こんな所まで来たってことはそれだけ重要な話なんでしょ?」

「うん……」


何かに怯えているかのように、ぼそぼそと返事を返す七海。

彼女は『実は……』と始めに言って、話し始める。


「──天沢君も知ってるだろうけど、二人の女子が退学になったって話……」

「その話? 皆話しすぎてもう聞き飽きたよ……」


呆れたように言う僕。

しかし、七海の口から語られるのは今までとは違うもののようだ。


「ち、違うの。そういうことじゃなくて……」

「……?」

「──私、その二人と友達だったの。長谷川(はせがわ) (まい)ちゃんと、坂本(さかもと) (あや)ちゃん……」

「……え?」


僕は思わず言葉をこぼす。

そして僕の脳内の点と点は線で結ばれ、すべてを理解する。

あくまでも憶測に過ぎないが、浮かび上がってきた事実に僕は少しばかりの恐怖心を抱いた──



──というのも、普段七海と関わっている人物というのは相当限られる。


確かに七海は国民的モデル、女優であり、とてつもない知名度と人気を誇る。

当然学校内でもそれは同じだ。

しかし逆に人気すぎるがあまり、近寄りがたい人物として見られてしまっている。


その為、大抵七海と関わっているのは、僕、爽真……。

──そして過去のことだが、美香とその周りの"女子二人"だ。


となれば今朝発表された、七海の友達である女子二人の退学者というのは──


「──美香の周りに居た女子二人……、あの二人が退学になってるんだよ……!」

読んでいただき本当にありがとうございます!


少しでも「続きが気になる」とか「面白い」とか思っていただけたら、

ブクマと★(星)、『小説家になろう 勝手にランキング』のクリック、お願いします!


★(星)は広告下から付けられます!

『小説家になろう 勝手にランキング』も広告下にあります!


作者のモチベやテンションが爆上がりするのでお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ