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ディリュージョン・ダン・デスティニー  作者: デスティノ
第4章 メシア編【和解編】
100/363

第100話 洗脳

見てわかるとおり、100話いきました。

でも、書いてる側としては『まだまだこの作品の終わりが見えないな』って感じしてます。



ここまで読んでくださってる人たちには、まじで感謝しかないです!


本当にありがとうございます!

そして今後もぜひ読んでください!

「──これが私が過去に経験してきたことだ。この現代で目を覚ました頃には既に、現実改変能力を持っていたんだよ」

「凄い人生をお送りになってこられたのですね……」


オリジンの前世の話がようやく終わりを迎えた。

A0-2はオリジンの機嫌を損ねないように感想を述べる。


一区切りついたと思う彼女だが、話にはまだ続きがあるよう。

オリジンはA0-2の感想に一切の反応を示さず、再び口を開いた──


「私は子供ながらに、この不完全な世界を必死に生き延びてきた。孤児院に入り、義務教育を受け、そこから超難関大学に入学──この力を使って下克上を果たしたのだよ。


地位と名誉を手に入れた私は、一度愚民どもの手によって落とされたものの、最終的にはこの世界の最高峰──APEX社の社長となった……!」


独裁者の演説のように、話が進むにつれて声がどんどん大きくなる。

オリジン自身も舌を回していくうちに、気持ちが昂っていく。

一方A0-2の方は相も変わらず黙り続けた。


「──そして、そうやって生きていくうちに、私はこのどうしようもない世界を"正しくする方法"を思いついた。

人間は言わばこの世界の癌──諸悪の根源なんだ。なら……その人間自体を排除してしまえばいいんだよ……!」


遂にオリジンはダッと勢いよく立ち上がる。

A0-2も少しばかりの驚きを見せ、引き気味になった。


彼は大きく息を吸い込み、言う。


「──この世界に住まう"私以外の一切"を一度滅ぼし、人間の代わりに究極生命体を住まわせる。そうすれば一挙に世界は安定、そして"宇宙"という新たなステップに踏み出せる……! これこそ……私の辿り着いた答えなんだよ──!」


バッと大きく両腕を開き、天井を見て天を仰ぐ。

席に着くA0-2からは、オリジンの不気味な笑みが少しばかり拝めた。


自身の築き上げた計画を披露し、今にも舞い上がりそうなオリジン。

一方で、冷や汗を流して戸惑うA0-2。

二人のテンションにはひと目でわかる、明らかな差があった。



★★★



やがてオリジンは、しばらくの間上を見上げていたその顔をA0-2のほうに降ろしてくる。

A0-2と目を合わせた彼は、ニヤつきながら彼女に言った。


「どうだ? A0-2」


言葉を詰まらせながら彼女は戸惑う。


「ど、どうと言われましても……」

「──なんだ?」


ぐいっと一気に距離を詰め、威圧感でA0-2を圧倒するオリジン。

A0-2は慌てて答えた。


「いえ! なんでもございません!」

「……いや、何かあるんだろう?」

「いえ、何も!」

「私の力を使えば、君程度の生命体の本心を見抜くことなど朝飯前……。つまり隠そうとしても無駄ということだ、わかるか?」


完全に追い詰められ、窮地に立たされるA0-2。

心を見抜かれるとなれば、もう逃げるところなどどこにも無い。

彼女は渋々口を開いた。


「……わ、わかりました。そ、その……先程オリジン様がおっしゃった『私以外の一切を一度滅ぼす』というのが……」

「それがどうした?」

「……その……、なんというか……」


『オリジンは神にも等しいもの』と、記憶を改変されているA0-2は、最後まで言い切ることが出来ない。

もじもじと中途半端に言葉を切り上げる彼女だったが、オリジンはその続きを察した。


「──まさかそれが不服だというのか?」

「そ、そういうわけでは……」

「A0-2、つまり君は死にたくないのだな?」

「……」


まさに図星。

遂にA0-2は黙り込んでしまう。

しかし、逆にそれがあだとなった。


「なるほど、君はAPEX社社長である私の計画よりも自身の命を選ぶということか」


まるで揚げ足を取るかのようにしてそう煽るオリジン。

A0-2はすぐさま反射的に否定しようとするが、彼は彼女の顔の前に手のひらを置く。

まるでそれは飼い主が犬に『まて』をしているかのよう。


A0-2は戸惑いつつも口を閉じる。

オリジンはその様子を見て、ゆっくりと椅子に腰掛けた。


静寂の中、再び机を挟んで見合うオリジンとA0-2。

A0-2は『やってしまった……』と言わんばかりの、焦った表情を。

それに対してオリジンは大きく、そして『呆れ』という感情が混ざったため息をつく。


そして、それからしばらくの間を置いた後、オリジンは


「A0-2、君はやはりいくら洗脳したとしても……そちら側なんだな──」


とだけ言い放ったのであった──

読んでいただき本当にありがとうございます!


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