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怖いゆめと優しい夢

朝、7時を過ぎてもスノーレインがおきてこない。

そんななか、ベルレインこと初代様が朝ごはんを待っていた。


初代「ごーはーん♪ごーはーん♪あーさーごーはーん!」


はしゃぐ初代の姿をみてためいきをつき、ミスティが苦笑いする。


ミスティ「初代様!子供みたいにはしゃがないでくださいよ。あと、

ごはんなら自分で作ればいいんじゃないですか?家に来なくても…」


ブラスト「ミスティのいうとおりだぜ!」


初代「だってーごはん作るのってめんどうなんだもーん!」


ミスティ「目玉焼きくらい作れるでしょうに…」


それをきいてストームが一言呟いた。


ストーム「初代様の料理っていつも真っ黒焦げの何かしか作れない」


初代「そーなのよー。昔から料理だけは苦手でねえ。」


ミスティ「焼けるまで強火で本を読んでいたら焦げます。料理の基本は…」


お説教をききたくないのか初代が遮った


初代「あー!それよりミスティちゃん今日はギルドのお仕事あるの?」


ミスティ「ええまあ、ブラストとストームの3人で逃げた家猫の捜索です。」


ブラスト「こういうネコ探しとかは霊気で探索できる団長がやるべきなんだけどな。」


初代(やろうと思えば呪気を広げて位置情報とか探れるんだけどなー…)


初代「そっか、がんばってね。」


ちょうどそのころ、1階の部屋からサンレインがでてきた。スノーレインの夫である。


サンレイン「おはよー」


ブラスト「おせえぞとーちゃん!」


ストーム「おはよー」


ミスティ「おはよう」


初代「おはよ♪」


初代をみてサンレインが明らかに嫌そうな顔をする。


サンレイン「また初代様がいるよ…」


初代「こらーそんな朝っぱらから嫌な顔しない!それよりスノーレインは?」


サンレイン「彼女ならまだ寝てるよ。でもちょっと悪い夢をみてるのかも。

うなされてるみたいだったから。」


それをきくと初代は寝室へ向かっていった


初代「じゃあ、あたしが起こしてくるね」


初代はハッピーウェザー夫婦の寝室に入っていった。

大きなベットにはスノーレインが眉をひそめて眠っていた。


初代「あららら、昔の暗い夢でも思い出してるのかな?…」



--------


-----


夢の中


スノーレイン「あなた…赤ちゃんが…私たちの赤ちゃんが…うっうぅ゜…」


サンレイン「泣かないで、スノーレイン。赤ちゃんのことは可哀想だと思ってる。

でも、君がいてくれる。君がいる。この子のことを忘れず、この子のぶんまでぼくらが生きよう。ね?」


スノーレイン「ごめんなさい…ごめんね…」



--------


-----

サンレイン「スノーレイン、この戦いが終わったらふたりで町をでよう!」


スノーレイン「本当?」


サンレイン「ああ、ぼくらがこの町にいても辛いだけさ。だから二人でこの町をでて、

外の世界でゆっくり暮らそう。大丈夫、必ず生きて帰ってくるから。」


スノーレイン「約束よ!絶対に生きて帰ってきて!」


--------


-----


スノーレイン「どうして・・・生きて帰ってくるって約束したのにどうして!」


村人1「あのひとの旦那さん、戦場でしんだんですって」


村人2「ああ、仲間をかばって致命傷をくらったんだってな」


村人3「でもあいつ、いやあいつらってこの村を出る気だったんだろ?

そんなこと許されるはずがないよ。これは当然の報いだね。はっはっは」


村人1「だな。里の人間は里で一生を終えることが鉄則、ここの掟だ。」


スノーレイン(…許さない。こいつら全員許さない!絶対に絶対に絶対に…!)


--------


-----


村長「では20代目ベルレインどの…呪気の継承とその名を捧げよ…」


スノーレイン「はい…」


そのときだった。鏡の悪魔が地球を写し、全ての生物が若がってたのは。


フェイクレイン「こ、これはいったい!?若返っている!

ベルレイン様だけではない、老人もみんな…」


スノーレイン(…これは天が私に与えた復讐の機会に違いない!

誰か、何かの仕業が知らないが利用させてもらう!)


スノーレイン「伏せていろ、フェイクレイン…」


その瞬間、フェイクレインは地面へ膝をつくと同時に一族は

フェイクレインと付き人以外の里の人間を皆殺しにした。

鋭く長く伸ばした呪気が真っ二つにした。


スノーレイン「ははは…ははははは!この町だけじゃない!

全部を滅ぼしてやる!」


--------


-----

現在にて

スノーレイン「うう…うう…」


初代「よしよし・・・いま悪夢から良い夢にかえてあげる」


そういうと初代はスノーレインの額に手を触れ優しく呪気を流す。


--------


-----


スノーレイン「あなた!」


サンレイン「あはは、どうやら生き返ったみたい?いや、生き返らされたというべきかな?」


スノーレイン「また会いたかった・・・!あなたのいない人生なんて何の楽しみもなかった!」


サンレイン「んー?見た目的にぼくと同じくらいだと思うけど結構年月が経ってて、

よくわからないけど若がえった感じかな。」


ジェミイ「ま、当たらずも遠からずってとこね。」


サンレイン「おや、君たちは・・・人間じゃないね。気配でわかる。」


フェイクレイン「ええ、この少女に見える子供たちは悪魔と神です。あなたや

ここにいる方々は我々の祖先であり、代々ベルレインの名を継いだ人たちです。」


サンレイン「そっか、まーなんにせよ生き返らせてくれてありがとう。

あの時スノーレインと交わした約束を果たせそうでうれしいよ。」


スノーレイン「あのね、サンレイン・・・あなたが死んだあと、私の

お腹にいた赤ちゃんなんだけど、言いにくいけど、その・・・」


フェイクレイン「大丈夫です、スノーレイン様、私の目的はあなたの旦那だけを

生き返らせるだけではありません。流産したふたりの子供も蘇生してあなたの

お腹に戻して、今度こそきちんと出産するんです。」


スノーレイン「は?」


ジャイル&ジュレイド&ジョネア「は?」


八つ手「お、おぬし!本気で言っておるのか!?」


フェイクレイン「本気も何も初代様から4代目様まで生き返った時点で

私の目的はそれに変わりました。できますよね?神と悪魔なら。」


二代目「ははは!こいつすげーこと思いつくなおい!

ベルレインの名もこいつで終わりそうだし、なー神様たち、やってみろよ。」


八つ手「無茶苦茶を。かなり大がかりな手術になるぞ?母体への負担もでかいじゃろうて。」


スノーレイン「もし可能ならお願いします…」


ジュレイド「できないことはないけど…無事出産するまではボクらの誰かが

あなたについてるけど、それでもいい?」


スノーレイン「もちろんです!あなたがたがいるというだけで安心できます。」


八つ手「仕方がないのう。じゃあ、はじめるか。骨壺から肉体を復元して

腹や子宮やら広げて、それから胎盤とへその緒を・・・」


--------


-----


ブラスト「マーマー」


ストーム「パーパー」


スノーレイン「あなた!ブラストとストームがしゃべった!」


サンレイン「ああ、ぼくたちのことを呼んでるね。」


スノーレイン「最初は無事産まれるかさえ不安だったけど、

こんなにすくすくと成長してうれしい。私いまとても幸せよ・・・あなた」


サンレイン「もちろん、ぼくも幸せだよ。君と、君たちとこうして家族でいることが

幸せに感じるよ。」


--------


-----


ミスティ「おぎゃあ、おぎゃあ!」


スノーレイン「あらあら、ミスティが泣いてる。どうしたのかしら?」


フェイクレイン「汗をかいてるようですね、着替えさせましょう。」


スノーレイン「いろいろ手伝ってくれてありがとねフェイクレイン、いや

いまはベルレインというべきね。」


フェイクレイン「フェイでかまいませんよ、それに私はあの時まだ、

呪気を継承していないですし、スノーレイン様こそがベルレインですよ。」


ブラスト「ベルレイン-!」


ストーム「ベルレインー?」


初代  「ベルレイン!」


スノーレイン「んもーまたいるんですか初代様。」


初代「ふふふー♪子供たちと遊んであげようと思ってね。」


スノーレイン「変なこと教えないでくださいよ?」


初代「だいじょーぶだいじょーぶ!」


スノーレイン「…ジュレイド、あの人だけじゃ心配だからついていてあげて…」


ジュレイド「りょうかい」


--------


-----



ブラスト「ただいまー!かーちゃんかーちゃん!きいてくれよ!」


ストーム「今日いいことあったよ…」


スノーレイン「あらあら、どうしたの?ふたりともうれしそうね。」


ブラスト「あのねあのね!今日女の子の友達できた!3人!」


スノーレイン「まあ!それはよかったわね。なんて名前の子?」


ストーム「アマテラスとー、アリアとー、アミルって子だったよ…」


スノーレイン「そう、名前もきちんと覚えられてえらいえらい♪

友達は大切にね。」


スノーレイン(アではじまる子が3人・・・偶然かしら?

デウスさんのお子さんたちってみんなアで始まる家系だった気が・・・)



--------


-----


ミスティ「でねー、アリアとアミルがすんごい喧嘩したんだけど

アリアの能力がまたすごくってねえ。あたしもあんな能力あったらなー。

便利なのになー」


スノーレイン「っふふ、ミスティには呪気があるじゃない。

お兄ちゃんたちより強力だってきいてるわよ?」


ミスティ「えへへー♪じつはね、あたしお兄ちゃんたちよりあと1回だけ

多く変身できるんだよ!その名も呪気フォース・ファイナルモード!」


スノーレイン「あらまあ、4段階変身できるなんてもうお母さんより強いわね。」


ミスティ「どうだろ?お母さん初代って人のもとで幸せの呪気を習ってるんでしょ?

初代様いってたよ。幸せの呪気は一度学べば誰にも負けない最強になれるって。」


スノーレイン「習得することができれば、ね。」


--------


-----


スノーレイン「…んあ?」


ようやくスノーレインが目を覚ました。


初代「おっはよー!スノーレインおっはよー!」


いい目覚めも目の前に初代がいては萎える。


スノーレイン「もう少し夢の続きを見たかったんですが、もしかして

良い夢みれたのは初代様のおかげだったりします?」


初代「さあ、どうでしょうね。それよりごーはーん!」


スノーレインはやれやれといった感じでおきあがる。


スノーレイン「はいはい、いま準備しますよ。目玉焼きと

アスパラとベーコン、それから食パンでいいですね?」



初代「やったー!」


こうしてレイン一家の朝がはじまる。

でも今日は特別。憎しみと悪夢から解き放ってはじまった朝。


呪気はやろうと思えばどんなことでもできる。

それが明かされるのはまた別のお話し。



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