初任務と苦難する修行
前半はアルデバラン、後半はスノーレインの
修行パートとなります。ふたつの物語が
並行して進みます。
大きな屋敷の門を勝手に開き、広い庭にめもくれず、
まっすぐにドアのもとへたどり着き、鍵穴に霊気を流して
こじ開けた。
リルフ「オレは外で待ってる…」
アマテラス「りょーかい♪」
屋敷の中に入るやいなや、大きな声で名前を呼ぶ!
アマテラス「おはよー!クローバー!!」
大きな声に驚き、慌てて部屋からクローバーがでてくる
クローバー「マ、マスター!?どうやって屋敷に?
いやそもそもなぜここに?」
クローバーが寝巻姿のまま階段を駆け下りてアマテラスに近寄る
アマテラス「おはよー!クローバー今日からいける?」
クローバー「今日からって…採用ということですか!?」
アマテラス「そうだよー?そして今日からお仕事だよ!」
クローバー「はあ…では、準備をしてきます!」
アマテラス「武器を忘れずにね」
クローバーはそれをきいて、今日の仕事が
戦いになるものなのだろうと思いつつ、装備を整えた
クローバー「お待たせしました」
アマテラス「じゃあ、いこうか!」
クローバーが外にでるとドアの横で
リルフが腕を組み、待っていた。
リルフ「よお、おはよう新人」
クローバー「おはようございます」
アマテラス「初仕事は賞金首を捕まえて
国へ差し出すお仕事だよ。」
クローバーはやはりと思った
アマテラス「生死を問わないけど生かして
引き渡したほうがギルドの評価が高くなるから
できれば殺さないようにね」
クローバー「善処します」
アマテラスは両手をパンと鳴らして言った
アマテラス「じゃあさっそくリルフと行動してね。
わからないことはリルフが教えてくれるから!」
リルフ「じゃあいくぞ、クローバー…」
クローバー「はい!」
アマテラスがふたりに手をふって見送る
リルフは街を出てどんどん西へ向かい
森の中を進んでいく
クローバー「ええっと、あの…」
リルフ「リルフだ」
クローバー「リルフさん、今回の仕事の内容を
詳しくききたいのですが…」
リルフ「金貨100枚の賞金首を狩る。強奪のロロックと
呼ばれてるやつで武器は鋼鉄製のムチだ。それから
手下も何人かいる。オレは雑魚を処理するから
クローバー、お前がロロックを狩れ。」
クローバー「私が…ですか?」
リルフ「盗みを生業としてるやつだ。腕力はともかく
逃げ足は速いだろう。煙にまかれて逃げられないようにな」
クローバー「はい、気を付けます」
リルフ「まあ、お前がしくじってもいいようにオレが
ついてるんだ。今回の仕事に騎士道が通じるとは
思わないこと。正々堂々なんて考えていると足元を掬われるぞ」
クローバー「そんなことは百も承知です」
リルフ「それならいい」
1時間ほど走り、リルフが立ち止まる
リルフ「ここだ、ここから1キロさきにアジトがある。」
まだまだ茂る森のど真ん中、不思議そうにクローバーがたずねる
クローバー「どうしてわかるんです?」
リルフ「オレの視力は直線上にいる5キロ先の人間を識別できる。
1キロ以内ならこの距離でもアジトから
漂うタバコのにおいがわかる」
クローバー「そ、そんなバカな…」
リルフ「別に驚くことじゃないだろう?
上位ギルドならこんなことできるヤツはめずらしくない。」
クローバー(なんてレベルの世界だ…こんな化け物じみた
身体能力をもった奴が何人もいるなんて…)
リルフ「…む!?」
クローバー「どうかしましたか?」
リルフ「…どうやら盗んだ宝石や武器の取引の最中のようだ。
おそらく闇の商人だろう。そいつらふくめて10か12人てとこだ」
クローバー「どうします?」
リルフ「闇の商人は裏の人間だ。捕まえれば国への貢献となり
治安もよくなる。それにウチのギルドの信用にもつながる。一石二鳥だ。
取引があるなんてアミルからはきいてないが…問題なかろう」
そういってリルフが紙きれを差し出す
リルフ「標的はこいつだ。クローバー、おまえはこいつ一本に絞れ。」
クローバーが手配書を見つめる
クローバー「わかりました」
リルフ「このまま行こう!取引の最中に奇襲をかける。」
クローバー「はい!」
リルフとクローバーが走る。
リルフ(商人に護衛がいないとは思えん。最低でも
護衛の実力はロロックと同程度かそれ以上と考えるのが妥当。
クローバーがぶつかれば最悪潰されかねないな。
せっかくの新人、ここで潰すわけにはいかん。護衛も
オレが片付けるとしよう…)
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スノーレインは朝から訓練に励んでいた、励んでいたが
これがなかなか難しい。
スノーレインは呪気を飛ばして木片を塵にかえた、しかし…
フェイ「スノーレイン様、また髪の色が元の黒髪に戻ってます…」
スノーレイン「ええ…だと思った…」
スノーレインが自分の黒髪を撫で、ため息をつく
スノーレイン「呪気を飛ばすということは攻撃するということ。
攻撃を意識するとどうしても怒りや闘争心がわいてしまう…」
フェイ「言うは易く行うは難し…ってやつですね」
スノーレイン「本当よ…どうやって幸せの呪気を維持すればいいのかしら…」
フェイ「とにかく攻撃するということを意識しないように
することから始めないとダメですね。狙いをすます段階で
黒髪の状態にもどってる朝よりは進歩してるかと」
スノーレイン「そうね…そうね!気を取り直してがんばりましょう!」
スノーレインが心を落ち着かせ、幸せの呪気をおび、
木片に狙いを定める。
スノーレイン(このまま、この状態のまま…あとはこれを撃つ…!)
呪気を放つ瞬間、スノーレインは手をおろした。
自分で幸せの呪気が解けたことがわかった。
スノーレイン「ふう…」
フェイ「スノーレイン様、少し休憩をとりませんか?」
スノーレイン「休憩?」
フェイ「呪気を体外に飛ばすということはそれだけ
呪気を消費するということです。
使えば使うほど体への負荷がかかるかと。
それに幸せの呪気状態への変身で負荷がかかってるはずです。
お昼ご飯も兼ねて休憩をとるのが最善だと思います。」
スノーレインはフェイにさとされ休むことにした。
スノーレイン「そうね、休憩にしましょう。」
フェイ「では、お茶をわかしてきます」
スノーレイン「ありがとう、今日は子供たちは
何をしてるのかしら。帰ってくるのが楽しみね…」
スノーレインの新たな修行がはじまる。




