俺、いざ勝負。
桜ちゃんと俺は、眼下に街並みを望む丘の上に来ていた。さっきまで居たショッピングモールも見える。
ここは公園になっていて、ブランコとかジャングルジムとかあるけど、子どもは一人もいなかった。これは時間帯のせいなのか、はたまたスマホやゲーム機の普及のせいなのか……柄にもなくこんなこと考えるなんて、さては俺、緊張しているな?
まあ、沈みゆく夕日に真っ赤な夕焼けの空、隣には美少女。照らされる横顔は神聖な雰囲気すら漂う。こんなシチュで緊張しないなんて、よっぽど女慣れしてないと無理。
でも俺が緊張している理由は当然他にもある。……す、好きな女の子がすぐ隣にいて、しかも俺はこれから告白しようと思ってて、それで緊張しないわけがない。告白とかするの生まれて初めだし……ああ、そうだよ初恋だよ悪いかっ!
……ああ~、やっぱり緊張しているからか、テンションがおかしい。今なら一発芸とかノリノリで披露しちゃいそう。でも今から披露するのは、一発芸じゃなくて即席の告白文だ。
そろそろ沈黙を貫くのも辛くなってきたことだし、早く切り出さないと俺の決意も鈍りそうだ。女は愛嬌、男は度胸。まあこの際桜ちゃんがクール系美少女なのは置いといて、今の俺に必要なのは度胸なのだ。
緊張をほぐすためにこっそりと肩をグルグル。いつも剣道の試合に臨むときみたいに心を落ち着かせて、いざ。
俺は大勝負に挑むために息を吸って、
「なあ」「先輩」
盛大に被った。




