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起業 おにぎり屋

作者: めだか

おれ、起業する。おにぎり屋を始めるんだ。絶対に成功するからさ!

ある日、親友の林が起業した。

八王子の駅前におにぎり屋を開業した。

しかし、開店してから三か月。おにぎりは全く売れなかった。

林は思い詰めたように、ぼくに相談を持ち掛けた。

「自信はあったけど、さっぱりだよ。もうやめようかなと思っている。」

「ちょっと待ちなよ。

ただ単におにぎりを売っているだけでは、他のお弁当屋さんとの差別化が

図れないんじゃないかな。」

ぼくは、おいしいおにぎりっていうコンセプト以外に、

かわいい女の子におにぎりを握ってもらい販売もしてもらうのはどうかと思う。

と伝えた。

ぼくは林をほっとけない性格である。


林は僕の通っていた学校でミスP大になったカナちゃんを雇用することにしたのだ。

カナちゃんは、歩けばどんな男でも振り向くというぐらい可愛い女の子であった。

ぼくが間に入りカナちゃんに協力を依頼した。

林は店名を“カナちゃんのおにぎり屋”へと変更した。

これが当たった。

あっという間にファンが増え、行列のできる店となった。雑誌にも取り上げられ、人気はうなぎ登り。

そこで林は“カナちゃんのお弁当屋”まで開店した。行列はさらに長いものとなっていった。

林は、サザンスカイタワーに引越しをして車はベンツとなった。

しかし、カナちゃんはおにぎりもお弁当も作っていないのでは?という噂が広まったのである。

実際カナちゃんの苦手なものは料理である。

たまたまぼくが飲み屋でカナちゃんとそのことについて笑って話をしていたのが、

噂の広まったきっかけであった。

口コミとは恐ろしいものである。

あっという間に客はいなくなった。

それでも林は事業を拡大していったのである。


あれから5年、

ボロボロの軽自動車に乗っている林とすれ違った。自己破産したらしい。


カナちゃんはどうなったかというと。


ぼくの嫁になりました。



短い中でも何かを感じ取っていただけたら幸いです。

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