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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
反乱のエルフ

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暴走

「バイバイオッサン」

 俺の首に鎌が掛かる。

 万事休すか。

 そう思った瞬間

「そのまま動けばお前の首が落ちるがそれでも良いか?」

 またもや懐かしい声が後ろから聞こえる。

「どっちが早いと思ってんの?」

「俺が早い。これでも抜刀術に関してはエルフの数倍はあるぞ?試しにその腕を斬り落としてやろうか」

「チッ……」

 俺の首から鎌がどいた。

 俺はゆっくりと少女を下ろす。

 そして振りかえると黒隕剣が抜け、鎌を防ぐ。

「ちぇー。そんな便利なもの持ってるなんてズルいわー」

 少女は悪びれもせず鎌を構え直す。

「2対1だと不利だがまだやるか?」

「リードルシュさん!」

「久しいな。どうやら良いタイミングで戻れたようだ。この小娘どうする?」

「捨て置きましょう。今はあの巨人をどうにかしないと」

「打開策は?」

「女王様が巨人の内部で魔法陣破壊に尽力してくれています。光が出たタイミングでそこを貫きます」

「了解した。ならば先にお前は行け。あれの傍ならお前が失った魔力を取り戻せるかもしれん。洞窟で見つけた剣を使ってな」

「でもリードルシュさん一人では」

「俺が一人?そんなわけないだろう」

 そうリードルシュさんが言うと、脇からもう一人の助っ人が

 出てきた。

「お久しぶりですコウ様。私も参っております。貴方の危機と聞きつけて飛んで参りました!」

 長い深紅の髪に竜槍。

 イリア姫まで来てくれたのか!

 アイゼンリウトパーティ再結成だな。

 そして更にダンディスさんも加わり

「俺は元々影響が無いからな。旦那達を案内して来て正解だったぜ。他の奴らは村の外に待機している。我慢させて回復させているから安心しろ」

 そう聞いて俺は安堵する。

 ファニーが来たら大変だからな。

「有難う御座います。では俺はアイツの所へ」

「ああ、頼む」

「コウ様、私にここはお任せを」

「ドンと任せておけ!」

 俺は頷いて走り出す。

 相棒、アイツから魔力って取れるのか?


 ――アイツから直接取れるのは霊力のみだ――


 それを魔力に変換出来ないかな。


 ――やってみよう――


 そう言うと、黒刻剣ダークルーンソード

 振動し始める。

 巨人がこちらを向いた瞬間、

 ルーン文字の魔法陣が巨人を包み、

 そこから黒刻剣ダークルーンソードへと

 光の粒子が吸いこまれる。

 俺の体の中に今までにない感じのものが

 入りこんでくる。

 心臓が悲鳴を上げるように鼓動を早くする。

「ぐあっ」

 俺は黒刻剣ダークルーンソードを掲げながら

 こらえる。

 静電気が起きたように、ボサボサの髪の毛が

 浮き始めた。

 そしてそれは体全体を覆い始める。

 バチバチいって痛い。

 

 ――まだ行けるか?これで足止め出来そうだ――

 

 俺はその声にただ頷く。

 正直体がきつい。

 体の底から力が暴れ始めて制御出来なくなりそうだ。

 気が遠くなる。

 俺は下唇を噛んで耐える。

 ここで耐えないとあの中で頑張っている女王様の

 頑張りに答えられない。

 踏ん張れ俺!

 自分を叱咤激励しつつ、

 力はお構いなしに勢いを増して流れ込んでくる。

 ヤバイ、目が霞んできた。

 そんなギリギリの中で、俺からみて巨人の右胸が光る。

 あそこだ!

 俺は黒刻剣ダークルーンソードをそこへ向けた。

 相棒、あそこを貫いてくれ!


 ――了解――


 短い返事の後、黒刻剣ダークルーンソード

 剣先から、光の刃が伸び巨人の右胸を貫く。

 巨人はそれを引き抜こうとするが、

 その手から徐々に光に帰って行く。

 断末魔と共に巨人は光の粒子となり、

 消え去っていく。

 俺はそのまま光の粒子の行方を見ると、

 里の方へと降り注いでいた。

 確認するまで安心できないが、

 恐らく成功したと思う。


「取り合えず皆の所へ行くか」

 俺は黒刻剣ダークルーンソードを持ったまま

 移動する。

 体が変な状態なのは変わりがない。

 雷でも落とせるのかという位、体中がバチバチ

 音を立てている。

 しかもちょっと痛い。

 いつもの様に歩きだしたつもりだったが

「コウ!?」

「コウ様!?」

「オッサン!?」

 あっという間に皆の所へ付いてしまった。

 これはどういう事なんだ。

 霊力を吸収して魔力に上手く変換出来なかったのか、

 必要以上に吸収してしまったのか

 体が上手くコントロールできない。

「み、んな。取り合え、ず、里へ……」

 俺は歯を食いしばりながらそう告げる。

 少女と対していた皆は俺に駆け寄ろうとするが、

 それを手で止める。

「は、やく。確認、を」

 俺はそう言った後里の中心で神殿の手前まで移動する。

 そこにはエルフの里の人たちが倒れていた。

 近くに居た人の脈を何とか体を動かして

 確認する。

 良かった。

 何とか無事なようだ。

 

「貴様か……貴様の所為で!」

 俺の背後から俺を非難する声が飛んでくる。

 振りかえると、あのエドベとか言う奴だ。

 その背後には黒尽くめの男達が多く控えている。

「な、んだ?」

 俺は爆発しそうな自分を抑えながら、

 そう答える。

 襲いかかってくる黒尽くめ。

 俺はそれがスローモーションに見えた。

 一人一人手を引き地面へ叩き落とす。

 手加減がまるで出来ない。

 落とせば落とすほど力が溢れてくるようだ。

 そしてエドベが視界に入っている事で、

 それはより強大な物へと変わっていくのを感じる。

 黒刻剣ダークルーンソード

 感情もあるのかもしれない。


「オッサンそこまでだよ!ここからはアタシのショーの始まりだらか♪」

 頭痛がする。

 あの女の声だ。

 エドベの後ろに立ち手を広げると、

 先程倒した黒尽くめたちが起き上って来て、

 さっきよりも速い速度で襲いかかってくる。

 俺はもう手加減が出来そうもなかった。

 一人を手に取った瞬間、エドベへ全力で投げつけ、

 もう一人を手に取ると、女に投げつける。

 二人は何かで防いだようだが、俺はそれを無視して

 襲いかかってきた者達を全て投げつける。

 そして繰り返される中で徐々に距離を詰めていく。

 俺が俺で無くなる感覚。

 いや、もっと奥底にあったものが表面化しているような

 感じがする。

 このままじゃヤバイ。

 何とかブレーキをかけたいが、

 思うように体が動かない。

 

 俺は流れに身をまかせつつ、

 二人に迫る。

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