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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
無職のおっさん戦国記

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スカジ戦その5

 山を登り切りそこから反対側へと

降りていくと、小さな穴があった。

そこから中へ入るとその先に光が見える。

フレイヤの居たところと同じような

状態になっていた。

ただし居たのは


「それにしても随分と久し振りだな」


 ぼさぼさの頭はそのままに、

口髭を蓄え隠者を思わせる服装をした

男が居た。眼帯が無ければ気付き辛かった。


「のんびりしている場合ではありませんわ」

「……情緒がないなぁ」

「ボロボロのおっさんをみても情緒など沸きません」

「はいはい」


 俺はフレイヤのところにあったのと

同じ装置を破壊し、捉われていた男と解放する。

地面に落ちたところを抱える。


「おい、目を覚ませ」

「甘っちょろい事を」


 俺が普通に声を掛けたが起きず、

直ぐにリアンの蹴りが鼻に飛んだ。


「いだ……」


 弱々しいがどうやら平気な様子だ。


「問題はなさそうだ」

「命に別条はありませんわね。同じような事をしたいのであれば、またここに装置を設置してとやらなければなりませんわ」

「なら埋めておくか」


 俺は男を抱えて穴を出ると、その入り口を

切り崩して埋めておいた。

そして元来た道を戻る。


「……どうしてだ……」


 山の頂上には白銀の鎧が立ち塞がっていた。


「どうしてだとはなんだ」

「この山の場を我々に有利なものとしたのに何故貴様は影響を受けない!」

「それは、ねぇ?」

「当たり前の話ですわ。元々人の土地に家を建てようとしたんですもの。こちらがどけろと言えばどかざるを得ませんでしょう?」

「なんだと!」

「神々はこの星の所有者ではない」

「神々は元々この世界の生物に対し絶対的な力はあっても、星や大地、世界に干渉する事は出来ません。世界が崩壊しないよう力を与えられた種族の一つに過ぎません。本来であれば世界構築者の代理人として判定する立場であったはずなのに、その道を違えた時その絶対的な力すら失ってしまった」

「だっ……だが今現在プライベートになっているはず」

「公であったものをただプライベートに変えただけで、ルート自体は変えてないのだから最初さえ押さえてしまえば簡単です。その道しるべとなるものがこの黒隕剣」

「……忌々しい!」

「俺は星の力を得ている。星そのものから拒否されたのならどうしようも無いが、そうでないなら何の影響も無い。そして地脈を利用し依り代を使った永久機関もこれで絶たれた訳だ」


 真フレイは俺に向かって盾を前に突っ込んできた。

それを盾側へ回り込むように移動したが、

直ぐに盾を俺の方へ向けて防御している。


「そんなに護りを固めていて良いのか? その力を維持し続けられると良いが」

「貴様だけは!」


 盾を突きだしながら突っ込んでくる真フレイ。

さっきよりは攻め難くはなったが、


「そこだ!」

「こっちもな!」


 盾をずらして剣を突きだす、そのタイミングに

こちらも合わせて攻撃をする。

剣が大きいだけあって隙も大きい。


「太陽が真上に来ているのに辛いな」


 盾で護りつつだが剣筋が粗くなり、

その間に剣撃を加える。

そう、丁度太陽は真上だが、穴を破壊し

地脈との繋がりをカットしたことで、

真フレイにはなっているがそれ以上ではない。

地脈とのつながりもある状態で、

俺が黒刻剣(ダークルーンソード)を地面に刺さず

場の影響を受けていれば、恐らく神の状態

そのものになった筈だ。


「まさか……こんな事が……」


 鎧とは完全に何もかも防ぐものではない。

体を動かす為に、隙間があちこちにある。

盾ごと体を押し付けた瞬間、

腰と胴体の間に黒隕剣を差し込んだ。

盾で弾かれ距離を取られたが、

膝を突き剣を突きたてる真フレイ。


「神の庭で戦えば勝ち目は無かった。だがここは神も何もなくされた土地。不利にこそなれ有利になる事は無い。太陽が真上にあろうとも、その足元には大地がある」

「無念……」


 俺は真フレイの脇腹へと黒隕剣を差し込み、

そこから真フレイは光の粒子となって天に帰って行く。

暫くすると声が徐々に消えていき、味方の声のみになって行く。


「どうやらエルフは帰ったようですわね」

「良かったよ帰ってくれて……移民問題を残していったなんて恨み事を言われたくは無い」

「確かに」


 俺は太陽剣を真フレイの居た場所へ差し、

両手を合わせた後、皆の所へ戻る。

ファニーたちに報告によれば、

ヴァルキリー達はエルフの消滅と共に撤退したようだ。

俺はノウセスやアシンバの両将に

この場に砦の建設と関所の警護を指示した。

ここを防衛線として維持するようにとも。

そしてファニーたちを連れて俺たちはアーサー側へと急ぐ。

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