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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
無職のおっさん戦国記

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朝の出来事

俺は寝る前になるべく嫌な気持ちを持ち越したくないので、

風呂に入る前に鍛錬を行い、自作の足つぼ刺激板、

背中のつぼを刺激する椅子などに座ってから風呂に入る。

 正直もうそろそろ半年経とうとしているが、

ほぼ無休でストレスが溜まったようで鍛錬の密度が濃くて

偶に筋肉痛になる。その際に思いついたのが

自作の健康器具である。簡易的すぎて人に見せたく

無かったんだが、王様なので周りに人が居るので

バリバリ見られている。その効果を皆疑うが、

最近ウルシカから商品化して国庫を潤してはどうか

と提案された。考えておくと言っておいた。

今の状態で商品化したら粗悪パクリ品なので

後世にこんな面白い汚点を残したくないのである。

 その後今日一日の疲れを癒すべく、

ベッドで直ぐに眠りに尽きたかったのだが、

恵理が昼寝をしていたので元気すぎて乙女三人かしましい。

どこのお店がお洒落だけど店主が面白いとか、

最近子供たちの間で工作がブームとか、

新しい野菜が出来そうだとか、

とても気になる話題をしているので寝れるはずも無い。

こういうの大事だわと思いつつ寝たいのもあり。

そして知らんうちに皆寝て更に寝相が悪く。

ベッドを分けてもらったものの効果など無し。


「うぎぎぎ」


 外で俺の世界で言うニワトリを更に尻尾を長くして

空を多少飛べる生き物が鳴き叫んだので起きた。

俺がそれを見たとき”あ、ニワトリだ”と

言ってしまったのが失敗だった。

それ以来それはニワトリになってしまった。

食糧難と繁殖をしてこなかった所為もあって、

動物を食す事が出来ないが、今繁殖事業も

ウルシカの連れてきたお供のお陰で順調だ。


「ノウムありがとう。目が覚めた……」

「いえ……私何度も申し上げておりますが、

いい加減小屋を移動させて頂けませんか?」

「駄目だ起きれる気がしない」

「日光に敏感で人より少し早いくらいの

サイクルで日々過ごしていますので、

便利といえば便利ですが……」

「良いの良いの。昼寝もしてるし」


 小麦収穫から強制引退させられた後、

城の裏側に小屋を作り、ニワトリの繁殖と

オウシという牛と豚の中間ぽい生き物の

繁殖をしている。こういう事が出来るようになったのも、

大地の復興の為海に出て皆で海の生物を研究し、

その死骸を大地に撒いていく事で再生させ、

植物が蘇りつつあるお陰だ。

 このノウムはその繁殖業を担っている代表だ。

他にも十名ほど、元黒尽くめの里、現忍びの里からも

人が来て研究している。

 俺一人で出来る事も考える事も限られている。

こういう優秀な人達が居るお陰でこの国は強くなっている。

ぶっちゃけ王様の権限でこうしたいああしたいを

ドンドン言っている。百パーセント正しいことは

無理だ。正しくあろうとはするが、生物を食して

生きているのだから、元々良いも悪いも無い。

それをここに来てゼロに近い状態から

回復させていて思う。自分たちが生きる為に

多くを犠牲にしている。それを忘れて身奇麗な正義とは

一体何なのか、と。オーディンに反抗できるのは、

俺たちが知恵と意思を持っているからで、

それが少なく奪われていれば、しようもない。

……それを神として、不の面だけを見ていれば、

そらぁ可笑しくもなるのかもなぁ……。


「陛下?」

「ああ失礼。有難うなノウム、それに皆。

我に返れた気がするわ」

「……お、お役に立てて何よりです……」

「じゃあちょっと騒がしくするが、

気にしないで仕事を続けてくれ」


 俺は少し小屋から離れた場所で、

体を解す為にストレッチを始める。

ガンレッドとヨウトは子供なのでまだ

寝ているし、ナルヴィはあれでご婦人方に

人気なので小麦の収穫とかその量の帳簿付け

に忙しいので居ない。ロキとハンゾウも

隠密部隊が夜から朝に掛けての夜襲訓練や

見張りの仕切りでシフトの関係で居ない。

オンルリオは今日は朝からだがまだ寝てる。

 そんな感じで今シフト的にも隙間なのだ。

勿論俺に付きっきりになれないだけで、

警護は全体的にされている。

犯罪は夜多く起きるものだと考えているので、

昼間より隠密部隊が多く動いていた。

 

 暫く腕立て腹筋背筋スクワットをした後、

拳で突きを繰り返し、足蹴りを繰り返し、

そして最後は相棒たちを引き抜いて、

相手を想像し剣を振るい汗を流す。

 その後水は貴重なので塗らしたタオルで

体を拭いて王の間へと戻る。

朝食にもバリエーションが増えていた。

ナンとパンの中間くらいのモッチリとした

物が主食で、それに海で取れたものを

焼いて調理したものが出ている。

正直食い合わせが良いかと言われると、

工夫して入るが難しい。其々独立して

めっちゃ美味しいけど。

 昨日の今日なので、食卓を皆で囲んでいるが

雰囲気がどうにも思い。イシズエは姿勢とか

変わらないものの、眉毛が沈んだ気持ちを

あらわしていた。それに対してフェメニヤさんは

少々怒っているようだ。昨日もあの後

フェメニヤさんが謝罪と要職を辞したいと

申し出てきたが、即却下した。

俺としては代えの効かない人物だし、

今投げ出しては国の民が困るからと。

ユズヲノさんもおんなじ感じで来たが、

同じ感じで却下した。

 ……取り合えず離婚とか無いように願いたい。

勿論そうなったとしてもしょうがないし、

役職は変わらずだ。なんだったらシングルマザー

として女性たちの希望の星になってもらうのも良い。

何にしろ幸せなのが何よりだ。


「王、一つお伺いしたい事が」

「事と物によるが何だ」

「そろそろお世継ぎを考えては如何かと」


 俺は水を飲むのを失敗して咽せた。

ホントこいつは空気読んでんのか

読んでないのか分からんな。


「ふざけんなお前」

「ふざけてなど居りません。

誰がどう考えてもお世継ぎは必要不可欠。

周りに居らぬとあらば、我らとしては

他国より姫をお迎えする事を考えねばなりません」

「であれば是非わが国の姫を!

少々ガメツくはありますが、国随一の美人である事

疑いようも無く!」

「何を言うか! 我が国の姫は武で鍛えた体が

並みの男なら薙ぎ倒しましょう。王の妃に相応しい

器量もあります! 海洋を任せて頂いていて

大変有難くもありますが! このノウセスを

お忘れなきよう!」

「己海男! かこつけてアピールとは姑息な!」

「姑息とは何だ似非商人め!」

「何だと貴様!」

「やろうてか!」


 ああ助かった……気がしたが、いくつかの

視線がとても痛い。だがここは敢えてご飯を

食べることに意識を集中することにする。

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