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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
アイゼンリウト騒乱編

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冒険者、王座の間へ!

城へ突入したコウたちを待ち受けていた者とは!?

  城内に突入した俺達は、王座の間へと向かう。


「まって」


 イーリスの声に俺達は足を止める。

次の瞬間、黒隕剣が鞘から抜け、何かを弾く。


「ふふむ。ワタクシの遊び相手にしては中々上等」


 ズン、という音と共に目の前に現れたのは、

ビッドのような筋肉質の体をした魔族だった。


「レッサーデーモンね」

「ならここは」


 アリスが前に出ようとしたが、それを制止して

ダンディスさんが前に出る。


「ビッドの旦那に良い所持ってかれたんだ。

ここは俺に任せてもらおうか」

「ダンディスさん……」

「レッサーデーモンは並の魔族とは訳が違うわ。

知能含め総合力は圧倒的に上よ」

「なら俺も残ろう。それなら文句あるまい」


 リードルシュさんも前に出る。


「文句あるんデスヨねぇ。お前達ごときがワタクシと

対等に渡り合えると思えるナンてナンセンスデス!」


 レッサーデーモンが飛びかかってきた所を、

ダンディスさんは重い斬撃で迎え撃つ。

そして次にリードルシュさんが

抜刀術で追い打ちをかける。

レッサーデーモンは両腕を交差させてそれを防いだ。


「ホウ、ヤルではないデスか。

ただしどれほど持つものデスかねぇ」


 腕を組みながら首を振るレッサーデーモン。

凄まじい慢心なのか、圧倒的な優位を

確信しているからなのか。

 

「さぁ旦那方。先に言ってくれ」

「そうだ。ビッド達の為にも早く行け」

 俺は返事をせず頷き、ファニーと姫、

イーリスとアリスを

連れ迂回して進む。


「オンやぁ?何処へイカレるんですかぁ?

ワタクシから逃げられると

思ってないデショウねぇ?」


 俺達の前に立ちふさがるレッサーデーモン。

だが俺は止まらず進む。


「自ら首を差し出すとは、良い心掛けデス」


 レッサーデーモンは、その太い腕を振り下ろすも

俺は無視して進む。


「ぐほあ!?」


 レッサーデーモンは俺達の横へ吹き飛ばされる。


「やったぜ。あの王には利かなくとも、

あれ程度なら俺の剣技も使えるわ」

「当然だろう」


 レッサーデーモンの換わりに、ダンディスさんと

リードルシュさんが現れる。

二人は俺達を挟むように立ち、先へ行くよう促す。


「必ず」

「当然」

「ああ」


 俺とダンディスさん、リードルシュさんは

短く言葉を交わして別れた。


「コウ殿こちらです」


 姫の先導によって俺達は直接王座の間へ行くべく、

最短コースを行く事にした。

俺の考えとしては、王はこのコースを取る事を

予想している。

そしてこのコースは姫の部屋へ行く広間に

一旦出ると言う。

そこに敵が居ると踏んでいた。

直線で行った時にもし仮に広間の敵を放置すれば、

王座の間に乱入される可能性がある。

そうなれば勝率を下げることにもなりかねない。

敢えて通り迎撃する。

それがリムンやビッド、そしてダンディスさんと

リードルシュさんを

護ることにもつながる。


「あらまぁやっぱりあのダメ魔族は

アンタ達を通しちゃったのか」


 広間に着くと案の定次の敵が居た。

しかしそれは想像するよりも遥かにデカイ奴だった。


「まさか居ないだろうなんて思わないよな。

竜は別にファフニールの専売特許じゃねーからな」

「お前は一体……」

「俺もあの王に召喚されたクチだ。

カースドラゴン。まぁ魔竜の中でも中の上ってとこだな」


 それは広間の先に羽根を羽ばたかせて浮いており、

真っ黒な鱗に覆われた、解り易い竜だった。


「……口惜しや……

魔族に付き添いを頼まねばならんとは……」

「ですね……」


 ファニーと姫が前へ出る。


「二人とも」

「早く行けコウ。こいつは我らでしか倒せまい」

「そうです。本来なら私がコウ殿と共に、

父上の元へと行きたいのですが、

竜には竜の武器が効果が高いのです」

「そうだ。それにこいつを野放しにしては、

リムンとビッドが危ない」


 二人は俺に笑顔を見せると前へ向き直り、構えた。


「我はファフニールではない!ファニーだ」

「アイゼンリウト第一姫イリア、参る!」


 二人は竜を落とさんと攻撃を開始する。


「二人とも安心なさい。

あの王を倒すまで、コウは生かしておいてあげるわ」

「そうよ。でも王を倒した後は保証しないから、

助けたいならさっさと片付けてくる事ね」


 イーリスとアリスは背中を見せるファニーと

姫にそう告げて発破を掛けた。


「言われなくとも!」

「当然です!」


 ファニーと姫はそう声を上げ、

カースドラゴンと渡り合う。


「行くわよコウ」

「ほら、早く!」


 イーリスとアリスに促され、

俺は広間を後にする。

ファニーとは目と目で会話出来たと思う。

約束は忘れていない。

必ず果たすと眼で伝えられたと思う。

皆……必ず王を倒すから無事でいてくれよ。


 俺とイーリス、アリスの3人は

王が待つ王座の間へと走る。

仲間たちの力を借りて、王座の間へと進むコウたち。

約束の時来たる!

魔神の力を得た王との戦いに勝利する事は出来るのか?!

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