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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
無職のおっさん戦国記

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住民調査

 午後は今のところ内政ポジションである、

ナルヴィ、フェメニヤさん、イシズエ、恵理の

四人を呼んで、巨人族の平均的な体重や、

正確な人数の把握と名前と年齢性別を記した

物を作りたいと提案。

 これに対して四人の了承をすんなり

得ることが出来た。


「意図としては篭城に向けた備蓄と

健康管理、それに昇進とか給与に反映させたい」

「承知しておりますので承りました」

「私もです。寧ろ私からお願いしようかと

恵理様とお話していた所でして」

「そうそう。確認が取れないと、行方不明とか

誘拐とかそういうのにも対応できないしね」


 とさすが女性陣を仕切っている二人。

しかし恵理はホント成長したなぁ。

おっさん嬉しいよ。最初に出会った時の

狂気はどこへ行ったのか。


「何ニヤニヤしてんの気持ち悪」

「はいはい何とでも言い給えよ。俺は

恵理の成長に胸が一杯だ」

「おっさん臭」

「おっさんですよ私めは。あ、そうだ。

医者は居るかな医者は」

「医者ですか……」


 その言葉に一同難しい顔をする。

嫌な予感しかしない。


「ヤバイ感じか」

「そうですね。単純に足りません」

「たのもぉおおお!!」


 重苦しい空気をぶち破るように、

この階の踊り場から声が飛んできた。

その方向を見ると、多くの兵士に

しがみつかれたまま、白い髪に

顔の面積がほぼ白い髭の巨体が

立っていた。


「ど、どうも?」

「お主が新たなる王か!」

「そ、そうですが貴方は?」

「おお良くぞ訊ねた!だがその前に伺いたい!」

「何でしょう」

「医をどう考えておられる!確かに城を守るのも

必要だが、全てかり出されては足りぬ!」

「何がどう足りぬと?」


 この巨人族のおじいさんが言うには、

子供たちと妊婦が狭いところに居て、

しかも看護士の者たちも我先にと城の補修などに

出てしまっていたので困っているらしい。


「医者の方、王に対して直接諫言するという事が

どういう事で、いかなる覚悟があるのか伺いたい」

「この首ひとつで良いならくれてやる!」

「医師が足りぬ状況で首をくれてやるとは

何たる無責任極まりない」

「なんだとこの青瓢箪めが!」


 ナルヴィとの舌戦の間、俺は考えていた。

渡りに船である。このおじいさん割と力技で

押しているようだ。


「フェメニヤさん、恵理、どう思う?」

「適任かと」

「良いね。あのお爺さんの言うことなら、

コウをどうこう思ってても聞きそうだしね」

「良し」


 二人の顔を其々見て確認すると、


「医者の方、貴殿は首ひとつくれてやると

そう俺に言ったな」

「そうだとも!」

「ならその首貰おう」

「良かろう斬るが良い!」

「その命貰い受ける。俺のために、

この国の未来を担う者たちのために、

粉骨砕身尽くしてもらいたい」

「言われずとも!」

「ならやる事は山ほどあるはずだな。

宜しい。細かい折衝も貴方の仕事になる。

医に関する権限を貴方に半分差し上げよう。

さっき言っていた兵たちに声を掛けて、

俺から許可を得ていると言って戻るよう

伝えて回収してくれ」

「良いのか……?」

「良いも何も貴方は専門家だ。

しかし悪いが権限は半分だけだ。

まだ俺は貴方の仕事を信用していない。

あとフェメニヤさんと恵理に話してある件を

早急にこなして貰いたい」

「身長体重年齢性別の調査です」

「そんな事は容易い事よ!」

「強引にしてもらってかまわない。

すぐ欲しい。平均体重を割り出して

水と食料を用意する。平均七十五キログラムなら

三点三リットル一日摂取する量になる。

それと今の食事のアンケートも欲しいな。

満足度とか満腹度とか」

「一度に全て聞いてくれるわ!

わしに任せよ!」


 そう言ってお爺さんは兵士を

抱えたまま降りていった。


「元気で大変結構。病人と怪我人以外で

元気なら年齢問わず出来る事をしてくれれば

十分だ」

「では我々はあのご老体が無茶をせぬよう

監視しております」

「無茶も解ってやるようだから、程々にね。

監視というか必要なら手を貸してあげて」

「はい」


 ナルヴィとフェメニヤさん、恵理は

下の階へ移動した。


「あーびっくりした」

「驚いた?」


 後ろからエメさんの声が聞こえる。


「驚いたね。出来れば前から来て欲しいんだけど」

「ごめん」

「で、用向きは?」

「お散歩のお誘い」

「それはめちゃくちゃ嬉しい」


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