表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
無職のおっさん戦国記

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

355/570

収穫作業

中庭に着くと、疎らに集まっていた

兵士たちが俺を見て背筋を伸ばし始めた。

俺は一人一人の顔を見、集まるよう

声を掛けた。ナルヴィに書く仕草を

すると、ナルヴィは察して紙を出す。

一番早く俺のところに来た者から

名前を聞き、朝早くありがとう

よろしくと声を掛けて握手をした。

握手自体があまりしないのか

ぎこちない。リラックスするよう

声を掛けながら肩を軽く叩く。

 暫くして続々出てきた。

そこでは声を同じように掛けるものの、

敢えて一人一人呼び出さない。

それをさっきの者たちは見ていて、

顔を引き締めている。

 イシズエが代表して挨拶し、

早速城の外にある小麦畑で収穫を

し始めた。


 ニートは無駄な知識だけある。

よう○べ先生とかで見たのもあって、

収穫する方法を覚えていた。

腕に抱えるくらい束にまとめた

小麦を鎌で根元から刈っていく。

 ただ見ただけでやった事はない

ので、最初は遅かったが慣れたら

ガンガン刈っていく。

この世界に来てステータスも上がり

更に鍛錬のお陰で体力も力もついている。

振り返ると一番乗りで1つ目の畑を

刈り尽くしていた。

 お姉さま方に頂いた一メートル位の

板の真ん中が凸凹したものと桶を使って、

さっき刈って纏めた小麦をガリガリして

脱穀と籾摺りをしていく。


「王、コウ王」


 無心でやっていると、声を掛けられた。


「あれフェメニヤさん」

「あの、何処か痛い所は」

「どこも。それより台車か何か」


 と思ったが俺のやってたのを

ナルヴィが片付けていた。


「ありがとうナルヴィ。じゃあ次の畑に」

「「お待ちください」」


 フェメニヤさんとナルヴィから

同時に止められた。なんだべ。


「僭越ながら我が王。そのように飛ばされては

困ります」

「コウ王様、ナルヴィ殿の申す通りでございます。

僭越ながら女性陣も兵たちも、朝王に声を掛けられ

名前を覚えてもらおうと、奮闘しております。

出来ますれば少しのんびりやって頂けますと」

「……なるほど」


 振り返ると確かに俺は飛ばしすぎなようだ。

ただ座ってジッと見ているのもプレッシャーに

なると思って、ナルヴィがやったように、

台車を引いて皆が刈った物を集めつつ、

脱穀と籾摺りをのんびり始めた。


 今回は城の前方をある程度収穫して終了した。

終わった後はお姉さま方に混じって

食事の準備をしようとしたが、弾かれた。

お決まりのようにナルヴィから小言。

……正直引き篭もれないならジッとしてる

だけというのは落ち着かない。

何かに没頭させてくれた方がマシなんだけどな。

 食事の準備が出来たと言う事で

中庭に行き頂く。終わった後に流石に

洗物くらいは……と思ったけがそれも駄目らしい。


「少し焦ってるな」


 俺は独り言を椅子に座って呟く。

一日にしてならずは解るが、そうそうのんびりも

していられない。切り替えて任せても大丈夫な事は

一旦全部任せて、俺はそれ以外を考えよう。

たまに声を掛けるのを忘れないようにしよう、と。


「王、宜しいでしょうか」


 オンルリオが入ってきた。

昨日水路について提案してきた兵士たちが

計画書のようなものを持ってきた。

以前やっていた事に修正を加えたいとの事。

オンルリオだけでなく、ナルヴィとイシズエ、

ロキを集めて皆でコミュニケーションをとる。

俺としては篭城する場合を想定して、

城の中に水を溜める場所と溜池が欲しい旨を

伝える。出来れば一日に使用する水量を

調べて欲しいとも付け加え、早速取り掛かるよう

指示をだす。

 この事で五人が一旦抜けるので、

その穴を埋めるそして才のあるものを直接

見るために、俺も城壁の修理に加わる事にした。

当然のように反対は出るが、俺としても塀から

しか見えないものがあるかもしれないので、

なるべく兵士の手柄を横取りしないよう気をつけつつ

作業すると言い無理やり加わる。


 一日の行動は今後朝は小麦の収穫、

その後は陳述等の時間を取ってコミュニケーションを

図る。昼飯後は見回りや鍛錬にあて、

夕食後は書類の整理などをする、という

感じになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ