表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
巨人の大地 オレイカルコス

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

339/570

知らぬが仏ってこともある

「何にせよお前は必ず倒す。

俺の本が如何に素晴らしいか

解らせてやる」


 俺はうんざりした気持ちで

聞き流す。


「でもさ、ここは僕らと領地を

奪い合うんだから再戦したら?直ぐに」


 ロキが余計なことを言う。

俺は睨まないまでも、改めて気を張り直す。


「フン。今更そんなもの要るか。

ただ世に聞こえし巨人族というものを、

相手にしてみたまでよ」


 そう言いつつもアーサーは溜息を吐いた。


「なんだかしんどそうだな」

「ん?……いや何。

まぁ農民の辛さが解らんでもなくてな。

こんな世界まで来て現実を突きつけられるとは

何とも惨いと思ったまでのこと。

改めて物書きや作り手が、上に立つというのは

好ましくないと言う結論に至った」

「だろうね。上手くいかなくなるとキレたりするのは

以ての外だしね」

「……まぁ今更何を言ったところでどうでも良い事だ。

俺は一人、理想の俺として貴様を倒すという

結末を迎える。お前たちにはここが必要だろうから、

俺は他所へ行くとしよう。俺は俺でやることがあるのでな」


 何かホントに何もかも捨てて悟ってすらいるような、

そんな感じがする。ただし俺に対しての拘りは残ってるから

悟ってんのかどうか。悟った挙句俺を倒すとか最悪である。


「ならばまた会おう。その時は決着を付ける」


 そう言うとアーサーは広間の中に解けていく。

俺は構えを解かず気配を探っている。


「どうやら嘘じゃないみたいだな」

「騙まし討ちしたいならとっくにやってるでしょ」

「アイツはオーディンの事をよく知ってるのか?」

「……あー、まぁ知ってるは知ってるけど……。

バトンタッチするよ」


 ロキがログオフしておる。


「……そうだな。端的に言えば意見交換して

反りが合わない程度には知ってるかな」

「作家同士の喧嘩って事ですか?」

「それはノーコメントだ。だが色々あっての

主張が同属嫌悪的な感じで合わなかった。

以上」


 そして神ログアウト。


「それって世界と俺らにとばっちりの可能性は?」

「知らぬが仏っていうだろ?起こった事を知って

妙な怒りを持つより、今は解決に全力を注ぐのが

一番良い。怒りは僕が持っておくよ」


 呼んだ人間の選択ミスとかだったりしても、

それをどうにも出来ないし、しても無益って事だな。

俺は取りあえず納得したから剣を納める。

 どうあってもまた命懸けの戦いになりそうだ。

そう思うと溜息も出るが、それはそれ。

先ずはここを制圧しないとな。


「よっしじゃあ王様探しますかね」

「これ?」


 エメさんが蔓で簀巻きにされた、

デカイ顎鬚満載の巨人族を引っ張ってきた。


「へー王様でも頭に角生えてないのな」

「無いだろうね。ドラフト族じゃないからね。

巨体ではあるけど、脳筋特化ではないし。

人間のサイズアップ版だと考えれば解り易い」

「なるほどね」

「で、どうすんのこれ。説得も何もないじゃん」

「おじじはのびてるだのよ」


 恵理は王様の腹の辺りを鎌の柄で突き、

リムンは枝で顎鬚をわしゃわしゃ撫でていた。


「あー君たちこれでも王様なんだから弄らないの」

「んなのはどーでもいいんじゃない?

ここはアタシらが貰うんだし」

「そうだのよ」


 あぁ~リムンまで毒されておる毒されておる。


「んーまぁなんだ。一応お偉いさんだから

いじくり過ぎないようにな、うん。

で、参謀役。俺はこっから下へいって

他を制圧し無力化するのが良いと思うけどどうか」

「うーん折角凄い戦力が要るんだし、

蔓で拘束しても良いと思うけどね」

「それだと俺の力が凄いー!みたいにならなくて、

求心力っていうかそういうのが無くないか?」

「え、別にリーダーが凄くなくても、

その人についていく人が凄かったら凄くない?」


 恵理の発言を聞いて、俺とロキは感嘆の声を上げる。

確かにそうだな。解り易く言うだけで俺は全く違うけど、

劉備元徳に対しての関羽雲長、徳川家康に対する本田忠勝

かな。何よりそうなると俺とロキ、恵理とリムンの戦力は

切り札として使える……けどこの大陸の人間は

俺たちの事なんて知らないだろうから、どこかで名を上げる

必要はあるんだけど。


「まぁ小出しにしていけば良いと思うよ。

いきなり全力でやる必要はないさ。

何より胃袋を掴むっていう策もあることだし」


 ロキにそう後押しされて覚悟を決める。


「よし、エメさんヨロシク頼む。

残りの巨人族を蔓で拘束して欲しい」

「解った」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ