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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
巨人の大地 オレイカルコス

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懐かしさに引かれて、怪しい気配が忍び寄る

「お先って彼女大丈夫なのか?」

「さぁ。僕は生憎ユグドラシルには

関与して無くてね。ただ良い知らせかもしれないけど、

あの子たちは恐らくオーディンとは

関係無い。同時かその前から存在はしていた。

見つけて使い出したのはオーディンだけど」


 世界の仕切りのような役割を果たせるって

確かに世界創造レベルだし、流石に無理なのか。


「ただしあの子達は接して解るだろうが

はっきり言って極端だ。目を光らせてないと、

何をし始めるのかわからないぞ?」

「ロキは大丈夫か?」


 俺が冗談めかして言うと


「今のところはね」


 と目を細めて笑顔で言う。

悪戯小僧の笑顔というよりは、ピエロのような

底知れない笑顔のように見えて、

俺は背筋が一瞬凍った。


「ほらほらおっさんたち!

ここでボーっとしてたら、

あの子に置いて行かれるわよ?」

もう置いて行かれちゃってるだのよ」

「あ、そうか」


 まぁオーディン打倒までは安全だと思う。

それにこうやって一々教えて来てくれるのは、

警告しているようにも思えていた。

ロキは、もしかすると自分で制御出来ないところが

あるのかもしれない。以前に生かされている事に

憤慨していると言うようなことを

言っていた気がする。

 良い行いが制御出来ない自分、

誰かに誘導されている自分だと仮にすれば、

開放された時どうなるか考えただけでも恐ろしい。


「ほらほら!」


 恵理に右腕をリムンに左袖を掴まれ、

俺たちは上へ飛び上がる。

恵理は転生者だからあれだけど、

リムンは凄いなぁ。と思ったが一瞬見えた

足元に、何か見えた気がした。

一瞬なので何だったのか判断が

つかなかった。


「おっちゃん!」


 着地したのは大広間のようだ。

城門と本城の間じゃなくて

助かったは助かったが、

目の前に広がっていたのは

ジャングルだ。


「え?この城ジャングルなの?」

「んな訳ないっしょ!ロキ!どうなってんの!?」

「いや僕じゃないけど。リムンじゃないの?」

「あたち何もする暇無かっただのよ……」


 てことは一人しか居ないわな。


「取りあえず上へ進もう!」

「あいーーよっと!」


 さっきの状態のまま、恵理とリムンに

抱えられて飛び上がる俺。まるで捕まった

宇宙人の写真に近い。って前も言ったなそんな事。


「よいしょっと」


 恵理は天井を切り刻み、

次の広間へと飛び出る。

そこに広がるのは下と同じ。


「なんて凄さだ。こんな速さで進まれたら、

出番なしだ」

「そんな悠長な感じでもないだろ?」


 それもそうとは思いつつ、

そのジャングルの中に、巨人族たちが

蔓で拘束されているのを見て、

取りあえず生かしてくれていたから、

俺としては文句は無い。


「何にしても問答無用は不味いか。

出来れば俺がトップと交渉したいしな。

無傷でこの人数が手に入れば後々楽だし」

「なら急ぐわよ!リムン!」

「あい!」


 俺は腕と袖を掴まれて自動で上へ上がる。

最初から来ているシャツが伸びてしまわないだろうか、

などと暢気なことを考えていると、大きな喚声が聞こえる。


「追いついたか!?」

「……いや違う!恵理、リムン!止まれ!」


 ロキは一瞬間があってから叫ぶと、

俺と恵理、リムンを下へ引っ張って下ろす。

それと同時に、巨大な生き物の咆哮が飛んできた。


「な!?」

「耳をふさげ!」


 俺はロキに怒鳴られ直ぐ耳を塞いだ。

この咆哮は……竜か!?

ロキをみると首を横に振る。

だったらこの咆哮は……?

一体何が上に居るんだ?

嫌な予感しかしない。


「エメ!戻れ!」


 俺は耳を塞ぎながら叫ぶ。

するとエメさんは戻ってきた。

無事は無事らしい。取りあえず咆哮が

終わるのを待った方が良いのかどうか。


「何かあって頭を取られてからじゃ遅い!

俺だけで行くから皆は後から来てくれ!」


 俺は一人立ち上がる。

が、足を引っ掛けられて止められた。

エメさんも前をどかない。

何が居るんだ上に。

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