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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
巨人の大地 オレイカルコス

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お腹が弱い人のお腹叩くのは止めましょう

「ちょっとそこのダンディな小父様、何かお困りかしら」


 不意に背後から声が掛かる。

俺は黒隕剣に手を掛けながら体を後ろへ向ける。

そこには明らかにこの世界の服ではない、

何処かの学校の校章が左胸のポケットに付いた

紺のブレザーにタータンチェックのスカート。

腰くらいまで伸びた黒髪を手櫛でふぁさっと靡かせ、

目の部分を隠す白い仮面を付けた女性が居る。


「だ、誰だ!?」

「「え?」」


 俺がそう言うと、ロキとその女性は

驚きの声を上げる。え、何で?


「ロキ、お前の知り合いか?それとも他の転生者とか」

「え?……え、マジで言ってるの?」

「も、もう嫌だわ解り難いボケを」

「どうやってここまで……フリッグの手のものかっ!?」


 俺はいつでも抜刀出来るよう体を前かがみにする。

俺以外は微妙な空気だ……何故だ!?


「ロキ、ぼっとするなよ」

「いやぼっとしてるのは君だーが」

「あんな仮面付けた人物始めてみたぞ!

通常の三倍とか箱探しとかそういうのが始まるんか!?」


 俺がロキに訊ねているうちに、

その人物は俺の間合いに入ってきた。


「あふん」


 なんかよーしらんけど、ロキには柄に掛けていた

手を押さえられ、エメさんには右足を抑えられ、

仮面少女にはえげつない音が響く位凄いリバーブローを

頂いた。死ぬ。


「へぇ。君もやるようになったもんだ」

「当たり前っしょ。いつかアタシの手で

アンタのその忌々しい首を刎ねる為に、死に物狂いで鍛錬したしぃ」

「まぁまだまだ無理だけどね。何せ僕と彼女が

コウの動きを止めてなかったら斬られてたよ?」

「そう」

「一々五月蝿いなぁ。やってみなきゃ解らないっしょ?

……この健康によさそうな緑の方誰?」

「話を聞いてたんじゃないのか?」

「うぐぅ……」


 別にたい焼きは欲しくないが、くっそ痛い。


「「ゴロゴロゴロゴロうっさい!」」


 そして血も涙もない悪戯神と女子高生。

……女子高生?


「おっちゃん大丈夫?」

「トテモイタイデス」


 脂汗を掻きながら、片言で返事をする。


「痛いの痛いの飛んでけだのよ!」


 暖かい緑の光が俺を包み込み、

暫くすると痛みが消えた。


「マジで生き返る!てか何で死に掛けた俺!

ありが、とう?」


 俺は光の方向を見ると、

緑のローブにフードをかぶり、

目元に三つの星のような模様がある、

小さな子供が居る。


「君たちは一体……?」


 俺は恐ろしく早い殴打を前と後ろから

頭に受けてブラックアウトした。

ああ星力が見えない。



「いやぁ嘘だったマジで!ジョークだよ

イッツジョークイェーイでござるよドゥフ」


 引きオタ全開で誤魔化したものの、

頭をしばかれた。お怒りでらっしゃる。


「いやぁ二人ともお久しぶりでござる」

「ござるござるって何時から忍者に

転職したわけ?」

「忍者って何?恵理おねーちゃん」

「忍者って言うのはね」

「いや忍者の講釈はどうでもいいし、

突っ込むのそこじゃないよね?」


 あぁ~色々渋滞しておる渋滞しておる。


「よう!恵理とリムン久しぶりだな!」

「……アンタねぇ、もっとこう感動的な

ロマンチックな挨拶ってものをねぇ」

「おっちゃん久しぶりだのよ!」


 リムンは治してくれた俺のボディ目掛けて、

頭から突撃してきた。仕方なし。

これは俺のライフで受ける!


「ごふっ」

「いや修行したんだからパワーアップしてんのよ?

リムンてビッドやビルドと同じ血を

半分受け継いでるんだから、油断してると死ねるわよ?」

「……死ぬわ……!」


 俺はまた腹痛で蹲る。別にお腹に何かしなくても良いやんけ。


「しかしよく紛れ込めたね」

「無理言って出してもらったのよね?リムン」

「魚焼きにするぞって言ったら出してくれただのよ」


 おぅふクルールさんゴメンなさい失礼な子供達で。


「あんなもの食わないけど誰も。

しかしその程度で出してくれるなんてね。

……まぁ僕達は助かりそうで良いけどね」

「はっ!アンタは努々気をつける事ね!」

「そうだのよ!」

「それは君たちも同じさ」


 火花を散らす三人。

俺はお腹の痛みで立ち上がれない。

あっ体がぽかぽかしてきたぁ……。


「あれ、魂抜けかけてる」

「リムン回復してやんなさい」

「あい」

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