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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
巨人の大地 オレイカルコス

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大地を護るもの

 ロキとそのエメラルド人と仮に名付けた人の

後に続いて進む。暫くすると、鍾乳洞と言うには

あまりにも広大な場所に出た。そして絶句する。


「おい……これは一体なんだ?」

「見ての通りのものだ」

「わからん」


 俺たちよりデカく、新宿にある都庁の半分くらいの

背丈のエメラルド人が、ここの天井恐らく地上の

地面に根みたいなものを生やしていた。そして

腰から下も根がここの地面に向かって生えている。


「ちょっとそこのエメさん」

「?私か?」

「そうそう。あちらの方は……」

「母」


 エメさんは一言で答えた後、その母へと近付く。

俺たちもそれに続いていく。遠くで見てもデカイのに

近付くと迫力が増すなぁ。


「はーはー!」


 エメさんが可愛らしい声で母を呼んだ。

その声に答えるかのように閉じていた目が開く。


――なんです?――


「お客。敵だって」

「そそ、敵だよ敵」


 ……ヤバイ一瞬意識が遠退いた。

こらダメだ戦闘になるわ。俺は覚悟を決めて柄に手を添えた。


――良く解りませんが、どういった事で敵に?――


「この大地を、生きとし生ける者をコントロールしてるから、

この星の分身ともいえるコウが君を退治しに来たのさ!」


 トラブルメーカーでしかないな。一方的に敵対宣言、

一方的に退治宣言。神様だからって何しても良い訳じゃない

っていったのは君じゃないのかロキよ。


――私を倒してこの地を生き返らすことが出来ますか?――


「無理かなーやっぱ」

「ちょっとコウ。考えるくらいしても良いんじゃないか?」

「考える余地も無いだろ。あそこまで死滅してたらどうしようも

なくね?表土はほぼ無くなってるし、その所為で植物は全滅。

食物連鎖が壊れてるから生物が存在できない。

人型だけで世界は成り立ってるわけじゃないから無理だね」


 ロキはうんざりしたような顔をしたが、

俺は神様じゃないから改めて表土を直ぐに生成する事は

出来ないし。


「土を蘇らせることは出来なくもないけど、

それには腐ったものとか色々必要だし、

この広大な大地を一気には無理」


――何と言うことでしょう。この地にまともに会話できる人間が

ついに来ようとは!――


「おぅふ」


 お母様興奮しすぎて俺に近付いて来た。

圧が凄い圧が。


「そんなのこの生き物を倒せば直るんじゃない?」

「……お前オーディン並みの暴君だな。

んな簡単に元に戻るなら砂漠なんてこの世にないわ」

「ここから他所の地に行って、とか」

「土が勝手に移動するか?土の取り合いで死滅するのが早いかも知らん。

何せどれだけの量が必要か見当つかないし終わりが見えない」


 そう言うといまいち納得し切れてないのか

腕組みをして天井を見上げた。まぁ俺も専門家ではないが、

そう間違っては居ないと思う。というかこのお母様は敵なのか?


「一つ質問したいんだが、貴女はこの地を破壊したいの?」


――いいえ――


「巨人族のみ滅ぼしたい?」


――いいえ――


「エメちゃん説明」

「ん?説明?巨人族興味無い。私たちは大地を護る」


 うう……はしょり過ぎて解らん。


「ユグドラシルシステムは別にこの地を護るものじゃなかったはずだが」


 ロキが口を開く。ユグドラシルってあのユグドラシルか。

世界の中心である世界樹。三つの枝から三つの世界が広がっていると

言われているものだ。


――よく見ればお前は不良神ではありませんか。オーディンのお使いですか?

相変わらず小物というか子供と言うか、世界を我が物としたい割には

器量が小さく何者も何物も得ることが出来ない愚か者――


「はいはいロキさんダメよ斬っちゃ」

「……君まで何が可笑しいんだい?」

「いや辛辣だなぁと思って」


 暴れるロキを羽交い絞めにする。

別にロキは世界を我が物としたい訳じゃないと思う。

思い描く正義が強く潔癖さを相手にのみ求める悪戯小僧。


――お前のような不良神と組する気はありませんが、我等の災いに

なられては困るので言っておきます。元々はこの地で主神に逆らう者たちに

鉄槌を下し管理し滅ぼすことが目的で送り込まれました――


 お母様は俺から距離を少しとる。

少しだけだが。俺に話を聞いて欲しいらしい。

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