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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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ゴルド大陸とは

「よう」


 入り口に着くと、ラハム様が俺たちを出迎えてくれた。


「ラハム様」

「出迎えとはご丁寧にどうも」

「喜んでもらって恐縮だが出て行ってもらおうか」


 俺は口を開けたまま停止した。


「コウ、阿呆みたいな顔をするな」

「そうそう。驚くことでもない」


 いや驚くだろう。立ち話もなんだしとか言われてきたのに、

ラハム様に突然出て行けとか言われたらさ!


「……フン!貴様も宿六か!」

「お前は俺の奥さんじゃないだろ。宿六の意味知ってて言ってるか?」

「おいそんな下らんことを言ってる場合じゃなかろう?」

「そうそう」


 俺の背後で俺に文句を言うちゃまと同意するだけのロキに

イラっとしつつも仕切りなおす。


「で、どういう事です?出て行けとは」

「どう言う事も無いだろう。そいつに事情は聞いたな?」

「事情ってこの大陸のことですか?」

「そうだ。そいつとこっちは取引したが、あくまで対等な立場でだ」

「自分はラハム様達とは敵を同じくした仲間だと思っています」

「お前の話は今はしてない」

「じゃあ僕は良いんですか?」

「良くない」


 話が見えてこない……どういうことだい、とロキに視線を向ける。


「簡単に言うと僕と君が結託してどうにかしようとしてんじゃないか、

と言っているんだ」

「えぇ……」


 マジか。何ならコイツを今ここで刺してもかまわんのだが。


「元々はあの男運皆無のうちのトップが血迷って変な旦那を取ったのが

発端ではある。そしてここで新たに始めた時に処したまでは良かったが、

今度は誕生させる事に固執してな。一人でやるにしても限界がある」

「ラハム様たちはその時に誕生したんですよね」

「少し違うな。ティアマトは魔力は膨大にあり、睨まれていた。

迂闊に世界の中に別な世界を誕生させれば、別の形で

死より出でし誕生(エヌマ・エリシュ)が起こる。

あれはティアマトや我々が確実に死ぬ、文字通り必殺なんだ。

ティアマトはジレンマに苛まれていた。そんな時に現れたのが……」

「僕だね」


 碌な目に遭わなそうだな。


「ティアマトは竜の身に落としてその存在で白旗を揚げたと見せかけ、

同じような竜が自然に発生したかのように装って力を分配した。

そしてロキはあの異世界人を我々に寄越したのだ」

「そそ。使えるものは何でも利用しないとね。幸いあの娘は寄り代

としては完璧だったし、ゴルゴーン三姉妹とも愛称が良かった。

四人で特大の結界を張るのも訳は無かったわけだ」

「……やり口と言い方が腹立つが良かったのかも知らん。

まさかあっちの竜が死に掛けているように見えたのは、

あのダンジョンを形成し始めたから?」

「そうだ。分けて繕っていた力を戻したに過ぎん。

あの竜人どもはオーディンの刺客だ。こちらが手を出さん代わりに

定住を許可してやった」

「アルブラハさんやザルヲイは」

「あれらはこっちの息が多少掛かってる。

さっきも言ったが竜人自体はオーディンの刺客だ。

ただし誕生にはこっちの魔力を使っている。

あいつは策士だよ。こっちの備蓄を掻き出させて

掻き出させた俺たちを監視させてるんだからな」


 吐き捨てるように行ったラハム様。

しかしそれと俺が出て行く話とどういう関係が。


「不思議そうな顔しているけどさ、考えてもごらんよ。

君はつい先日まで向こう側の尖兵。なんだったら君が

マルドゥクに成り掛けてたんだからね」

「それもあるし、お前に施された術が完全に解けたかどうか、

耐性がついているのかも疑問だ。そして何より

そこに居るそいつと組んで無いとも言い切れない」

「あ、それなら今斬っちゃいましょうか?」


 そう俺が言うと、ラハム様とロキ、そして何か知らんが

ちゃまにまで溜息を吐かれた。後でしばく。


「兎に角、だ。お前たちを信用できない。仲間は預かって

ビシビシ鍛えておくから、俺たちの信用を得たいなら

巨人の島を平らげて来い」


 ……どういう事だ?


「細かく解説するのは今は止めておくけど簡単に言うね。

察しろ、空気読め、以上。」

「じゃあこれも置いて言って良いですか?」

「「駄目」」


 ラハム様とロキにハモって拒否られ存在、ちゃま。


「駄目だってよ……泣くなよちゃま」

「泣くわけあるか!別の意味で泣くわこんなところ居たら!

てかお前ちゃまって誰のことださっきから」

「「「お前だ」」」

「えぇ……」


 地面に手と膝を付き項垂れるちゃま。


「えーと……ン”ン”ン。あー、仲間はきっと取り返す!

力をつけて帰ってくるからそれまで首を洗って待っていろ!」

「……大根」


 かっこよくやったつもりなのに二人にまたしても溜息を吐かれた。

その上ちゃまにまで大根とか言われたので足で押した。

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