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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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ほしのかんりしゃ

「はぁ……仕方ない。口を利いてやろうではないか」


 暫くしてからお許しを頂いて、顔を上げると

目の前にティアマトさんが居た。


「我の靴を舐めよ」


 ああ心と体の連携が恨めしいぜ……。

俺はティアマトさんが言い終わるか終わらないかのうちに、

脳天にチョップを繰り出していた。ゴスッという音と共に

ティアマトさんは崩れ落ちる。


「あ、ごめん」

「貴様謝るつもりが微塵も無いだろ!?棒読みが過ぎるわ!」

「そ、そうかい?つい手が出ちゃってまぁ……」

「後頭部を掻きながら照れるな!ベタか!褒めてる訳が無かろうに!

……母上……お気を確かにっ!」


 ティアマトさんは反応なし。やりすぎちゃったかしら?

暫くボーっとしてみていると、黒い気がティアマトさんから

発生し揺らめき始めた。


「知らね!我しらね!」

「知ってるわアホ知らんとかいうな」


 子供のようなことを言ってティアマトさんから離れ、

俺の後ろへと逃げるティアマト軍一の将帥。


「きーさーまぁああああ」


 ゆらゆらゆらゆらと、なんとか流星拳打ちそうな

動きをしながら起き上がり、ゾンビのように身を仰け反らせた。


「あ、地平線を表現ですか?」

「ぬあああああ!地の始まり物語の始まり・縮小版(アン・リ・シュメール)!」


 おい、ちょ、まてよ!必殺をかますかここで!

体を起こすと両手を勢い良く俺へ向けて突き出した。

ああ……刻が見える……って冗談を言ってる場合ではない。

空間が歪み俺が宇宙空間に放り出されておる……。

幻覚かしら。


「母なる神の力を見よ!」


 見上げると、星が落ちてくる。

これが縮小版とかイカれてる。

どうやら残念なことに幻覚ではないらしい。

地に足が着いていない。無重力だ。

怒るにしても大人気ない。ムシュのままなんじゃなかろうか。

それは置いといて。どうするこれ。

泳ぐ真似したら動けるのか。いやいやそんな単純なものなのか?

それに機敏に動こうとして

そのまま果てまで一直線とかありそうだ。

冷や汗出るぞこれは!


――Start the interpreter, Read the situation――


 頭の中に英語が響く。


――Access to main,.......I judged――


 黒隕剣が俺の右手で振動し始めた。


――Destruction――


 俺の手を弾いて相棒は宙を舞った。

次々に襲い来る星を雷の軌道を描きながら

粉砕して行く。何だこれは……。この力は一体。


「まったくノリで生きるのは良いけど、

やり過ぎは良くないよ?」


 声に反応して右横を見る。するとそこには

明らかにこの世界の者じゃない人が居た。


「元々引き篭もってたからコミュ力が

皆無なのは解るし、星力を手にしたことで

知らない内に相手より上だと本能が認識して突っ込んでる。

生物としては自然なのかもしれないけど、

そこは制御してくれないと」

「あ、すいません」

「謝る気が無いのに謝らなくていいよ。

理解して居ないのに謝る必要も無い。

だってそれはただ謝って逃げただけだしね。意味無いよ」

「やっぱ相手をここのところ圧倒してたから、

驕りが出たのかなぁ……」

「と思うよ。薄々勘付いてはいただろうけど、

自覚するまでには至らず、そしてまた気の知れた人だったから」

「気をつけます。自分の力な様なそうでない様な、

ふわふわした感じが否めないですし」

「……すまないね。僕も失礼な事をズバッと言ってしまった。

どうも近いと人間て言うのはルーズになりすぎる」


 目も合わさず、黒隕剣の軌道を見ながら話していた。

まったく嫌な感じはしない。何故か素直に話せているのが不思議だ。


「改めて自己紹介しよう。君にとっては始めまして。

僕にとっては久しぶり。僕はこの世界の”本当の神様”であり、

”星の管理者”でもある。対君にとっては召還主だ」


 俺の目を遮る様に現れた手。

それを見てからその手の動きを目で追うと、

大学生くらいの青年が笑顔で手を差し出している。

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