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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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砲撃の雨霰

 社会科見学で防空壕を見た事がある。

その中で人々が雨霰とくる弾丸を祈るように避けていた

というのを聞いて、そんな状況自分なら耐えられない

昔の人たちは本当に凄い地獄を潜り抜けて、生き抜いていらしたのだと

幼心に感心したのを思い出す。

 が、ムシュが目を見開いて口をあけているので、

感傷に浸る暇すらない。ってか子供の俺なら

ムシュと似たような事しただろうな。

などと冷静に現実逃避していたが、良いのか悪いのか雨霰の着弾で

耳がキーンてなってる。振動と光の点滅で止んでいない事が解る。

雨霰が止むまで止む無し……などと駄洒落を言っている場合ではない。


 号泣状態のムシュを抱え、這いつくばって後退する。

戻った後も振動は止まない。俺は耳が聞こえないままムシュを

抱きかかえて頭を撫でながら天井を見上げた。

静から動とかいう事なんだろうが、超パワープレイだ。

ぐだぐだやるのは無し。全力で掻い潜って一撃で切り捨てる。

当たって砕けてクリアまで繰り返ししかない。

 俺は覚悟を決めてムシュを下ろすと、立ちあがって一息吐く。

そして鞘から相棒を二振り引き抜くと、星力を開放して

相棒たちに通す。


「いくぞ!」


 自分に気合を入れる為に叫ぶ。剣の先を下に向けて、

忍者のようにさっきの場所まで戻る。薄明かり状態から

抜けて明るさが増す。爆風で吹き飛ばされそうになるが、

堪えて目標へと突進する。デカイから小さい俺を捉えきれないのか!?

これはチャンスと思い一気に懐へ潜り込むべく突き進む。


「もらった!」


 後で気付くがこれはフラグだわ。黒隕剣を振り上げたと同時に、

俺の目の前に敵の顔の他に銀の筒が三つ、俺を狙って顔の横にくっついた。

そして残り三つは俺の後ろだろうと考え、地面に着いた左足で地面を

横に蹴り飛び退く。そして更に体を翻し右足で飛び退く。

翻った際に元の場所を見ると、案の定残り三つの銀の筒は

俺の後方にあって狙っていた。が、有難い事に少しずれはしたが、

顔の三つと後方の三つが打ちあい、半ば自滅のような形になる。

勿論この機会を逃すなんてことは無い。俺は不格好だが何とか

体勢を崩しつつも転ばず着地し、体を切り返し元の場所へと一気に戻る。


 「マジかよ……」


 聞こえないが俺は呆れて声を出してしまう。

相撃ちすら餌とでも言わんばかりに、今度は六本の銀の筒を、

左右斜め上下と綺麗に俺を中心に囲まれた。

恐らく防げるが衝撃があって痛い。そうするとダメージ回復を図る為に

時間を取る。するとまたあの雨霰の着弾を掻い潜る為にやり直しだ。

そう考えるだけで辟易した。ので俺は飛び退くより前に突っ込み、

デカイのの腹に思いっきり体当たりした。相棒たちで刺そうと思えば

刺せるが、引き抜けなくなるなどすればそれでお終いになってしまう。

なら体当たりして


「よっし!」


 その反動を利用して俺は後方へ下がる。またしてもデカイのは

自爆状態だ。一撃目は予想道理とは言え、二撃目は予想外だったろう。

あの撃ち方なら自分もダメージがあるのは解っていただろうが、

ほぼ直撃だとまたダメージは違うだろう。予想通りダメージに苦しむデカイの。

俺は体勢を立て直した。

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