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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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味わえ恐怖を唱えろ希望を崇めろマスコッツを

 しかし視界はぼやけて奪われつつあるのに、

痛みも無いのがどうにも怖くて、防衛本能で目を閉じた。

暗闇の中では何となく感じる程度で、はっきり言って正確な事は

俺が相棒の二振りを握って構えている事くらいだ。

今まで自分の体が、手がどういう位置にどう曲がってあるか、

足がどう立っているかなんて考えもしなかった。

戦闘中に視界を奪われてしまった事で、確認せざるを得ない。

これしか確かっぽい事は無い。

自分の体なのに確かじゃないのは意外と言えば意外だけど。

手を伸ばしてそれが自分の意識と一致しているかどうか考える事も無かった。

心と体の不一致とでもいうのだろうか。

 紫のミニ恐竜の息遣いだけが聞こえる。

あの生き物賢いな。声を出せば俺が動くと見て声を出さないでいる。

今までもそんな感じで狩りをしてきたのだろうか。

ただし幾ら声を潜めてようが、あの巨体の動く音を消せはしない。

最後に形を確認した距離から聞こえる。身を屈めた。

少し間があって、ドスッという音がする。俺は体をビクッと反応させてしまい

体が傾く。次の瞬間、ヒュッと聞こえた後にドン!という音が聞こえ地響きが

足から伝わる。紫のミニ恐竜が近付いてくる。それも地面を走ってじゃない。

という事は……。


「こうか!?」


 ほぼ当てずっぽうで俺は大股二、三歩位右に移動した。

俺がさっき居た所から衝撃音が聞こえる。直ぐに前方へと走る。

さっきの場所へは恐らく追撃の尻尾叩きつけがあっただろう音がした。

しかし困った……。避けるのがやっとだ。攻撃に転じるなんて今の段階で

想像出来ない。自らの意志で視界を閉じた訳じゃないという恐怖が、

以前ブロウド大陸で修行した事を掻き消す位強いという事なのか。


「あらあらうっぷぷ。お困りのようでぇ旦那ぁ」


 楽しそうな甲高い声から低い声で耳元で囁いてきた。

俺は直ぐに左手の黒刻剣(ダークルーンソード)でそれを切り上げる。


「あっぶね!!」

「あ、ごめん」


 気の無い棒読み謝罪の言葉を告げる。勿論解っててやってるのである。


「おめぇこの状況で良い度胸してんじゃねぇかよえぇ!?」


 どこのチンピラなのだろうか。三下感半端ないってぇ……。


「何とでも言うが良いわ……ひひ。今のお前は狼の前のヒヨコに等しいぇぁ」


 このマスコッツ、また語尾にきゅぴを付けるの忘れてやがる。

きっと目と瞳孔かっぴらいて口だけ笑てんのやろな。


「良く聞けオッサンンンンァァ。お前はぁこの状況でぇ相手が解るまでぇ

そのまま避け続けるが良いぃぃぁああ!避けられるかなぁぁあああ?」


 コイツも語尾が五月蠅くなってきたな。きゅぴを付けろよきゅぴをよぉ。


「ひっひっひ。味わえ恐怖を唱えろ希望を崇めろマスコッツを!じゃあなぁぁああ!」


 嬉しそうなケタケタという笑い声を携えて上へと消えていく。

アイツマスコットなんだよな?あんな凶悪なマスコットおらんやろ。

声が人気女性声優っぽいのがまた腹立つ。そこだけ凝るな造形に凝れ中身にも凝れよ。


「いって!!」


 上から割と大きめの石が頭に落ちてきた。星力の力でガード出来るとはいえ、

衝撃は喰らうんだっての!


「グア」


 気が逸れていた俺には強烈な一撃が背中からお見舞いされる。

痛いは痛いけど先ずは飛んでる状況を何とかしないと。

何処が地面で何処が壁だ!?師匠じゃあるまいしご丁寧に教えてくれる事は無いし、

手加減も無い。あとこれを何時間やればアイツを倒せるのかと思うとげんなりした。

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