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無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

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見えるという事はそれだけで有難い

「さてさて、ご挨拶はこの辺にして、最初のお相手は

何処の何方かな?」


 俺は相棒二振りを引き抜いて、左手の黒刻剣(ダークルーンソード)を前に

右手の黒隕剣を後ろに、腰を落として中腰前かがみに弓を引くように構えた。

相手も前傾姿勢で来ているので、ただ突っ立って構えるよりは、

この構えの方が対処し易いと考えた。下をくぐるもよし、脇に廻りこむもよし。


「グアアアア!」


 名乗るのも煩わしいってことか。雄叫びと共に瘴気を撒き散らしている。

時間を掛けるわけにもいかない。悪いが行かせてもらうぞ!

 俺は紫のミニ恐竜の向かって右側の足へ突っ込む。

そして側面を体当たり。星力のお陰で紫のミニ恐竜は体が傾き、

俺の方へと倒れてくる。ムシュは俺自信を鍛えるって言ってたが

どういうことだろう。この世界へ来て暫く立つが、ブロウド大陸での

師匠たちとの鍛錬で相当体も丈夫になった。確実ではないが、

本来であれば筋肉痛だったりが発生する状況を、短縮して成長を

繰り返していたんだろう。そのお陰でムッキムキではないけど、

ボチボチ締りのなかった体も程良い筋肉質になっている。

なろうと思えばムッキムキになれるのかもしらんけど、

今のところそんな趣味は無いので敢えてそうなるよう鍛えたりは

していない。もっとも剣を振りまわしていれば、嫌でもついてくる。


「ほっ!」


 俺は紫のミニ恐竜の皮膚を掴んでよじ登ろうとしたが、

掴めそうになった瞬間星力が反応して伝わってきた。

何かやばいと。そのまま飛び上がり、反対側へ移る。

その時改めて周りを見たが、鍾乳洞のようになっている。

このミニ恐竜にとって暴れまわりやすい環境ってわけか。


「えぇ……」


 着地した後振り向くと、もう紫のミニ恐竜は涎を垂らしながら、

突進してきていた。エライ迫力だな……。


「ハッ!」


 地面を蹴って勢い良くスライディングして潜り抜ける。

ここで腹を攻撃したいところだけど、刺激してプレスされたら

死亡っぽいので大人しく通り過ぎる。が、その時切り傷というよりは、

生まれたころからあるような裂け目を見つけた。それが何かは後で

考える事にする。何せ潜り抜けたところで、出遭うのは長くはない尻尾。

という事は……。


「くあっ!きっつ!」


 尻尾の叩きつけを食らう。重い上に地面を背にして受け止めたんで、

衝撃の逃げ場が無くてダメージが思った以上に残った。

それに一つ最悪な事がある。


「マジかよ……」


 視界が霞んでいた。二発目が来るのは見えていたので、

横へ転がりながら避ける。ただ相手は流石ティアマトさんの生み出した怪物。

叩きつけた後直ぐに尻尾を俺の方向へ薙いだ。それをまともに受けて吹っ飛ぶ。

想像以上に視界がボヤけるだけでも焦る。左手にある黒刻剣を横へ薙いで軌道を変え、

黒隕剣を突き刺して勢いを殺し不格好だけど着地した。


「ハードハード」

 

 やれやれと思いつつ素早く安定した体勢を取る。が、視界がぼやけたままどころか、

更に悪くなった。ぼやけるというより、大雑把な色の違いくらいしか判断がつかなくなった。

視界ゼロであの恐竜とやりあうのか。ホントにハードだぜ。



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