表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無職のおっさんはRPG世界で生きていけるか!?  作者: 田島久護
黒き女神の迷宮

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

288/570

流れに乗るって言うと胡散臭い

 剣を振る音と俺の星力の領域に接触し、バチッという音のみが

辺りを支配している。星力は掴めるものではないし、今の状態は

俺の体を通して発せられているバリアの様なものになっている。

濃度の高い状態で刃を防いでいる。

 相手の動きをジッと見ながら受けているが、ヒステリック状態

の人物が叩きつけるように剣を振り下ろしているかと思えば、

今度は左右に俺を動かしつつ上下左右斜めあらゆる角度から、

というようにバラエティに富んだ実に鍛練的な動きをしてくれている。

そうは言っても気を抜けば致命傷は避けられない。何処の手練れの魂が

乗り移っているのかはたまた操ってる人がいるのか。


「ようあんた、こっちに合わせて手を抜いてたんじゃ体が鈍るんじゃ

ないのかい?」


 と俺が軽口を叩くと、一瞬動作を止めた。が直ぐに再開。相手が

骸骨だけに表情が見えない。動きを止めたのも何の意味があるのか。

機械的にビタッと止まったので焦ったわけじゃないだろうけど。


「そんな機械的な動きじゃ、人は捉えられない……ぜ!」


 俺はずっと受けることだけに専念していたが、今度は体を寄せ

言わば星力で押すような動きをして見せた。予想外の動きに対応できず

防御の構えを取らずに吹き飛ばされた……だろうただの骸骨であれば。

体を寄せた俺に対して体を入れ替えて避けた。達人てレベルじゃないだろ。

魂入りなのは間違いなさそうだ。ただ操っているとしたら相当の手練れだぞ。


「おいムシュ」

「何きゅぴ」

「お前ら中身は別々なんだろうな」

「……どういう意味きゅぴ」

「どういう意味ってそういう……」


 俺が話を続けようとしたが、骸骨が再び斬り込んできた。無駄口を叩くな

と言いたいんだろう。まぁこれの正解を得たところで何か解決するわけでも

ないんだけどね。ただ恐ろしく一人遊びが上手な人物だという事が解るだけだ。

薄々感づいてはいたんだ。ミノさんが特にそうだがそういう者たちが集まってるなと。

俺としてはあのファニーの仇や喰い物事件以外別に居心地は悪くない。

というか悲しい話居心地が良い。最初に言ったみたいにいつかこういうので引き籠る

場所を作ってやろうと思わずにはいられない。引きこもり時代に一から家を建てるゲームを

寝ずにやったのを思い出す。最初は岩で範囲を決めて積み上げて借家を作り、

にわとりを飼育したりして文化レベルを上げていき、最終的には近代的な家に近いものを

作り上げた。現実は退化しているのにね。


「魂は惹かれあうのかも知らんなぁ」


 ぼそっと俺は呟いた後、今度は受けより押す方をメインに立ち回る。

刃の動きを見て体を入れ替えて押す。が、一回目は成功しても二回目同じ態勢では対処され、

という感じで俺の動きを読んだというより学習した、癖を掴んだと言った方が良いだろう。

何にしてもこの位の動きじゃ合格点は程遠いらしい。よくある力に振り回されている状態

に見えているのだろう。ただ俺もこの繰り返しには何故だかテンションが上がってきた。

例え合わせられても更にそこから一つ、また一つと動きを加えダメージを与えるべく体を

動かしていく。体が主体となっているような感覚に陥っていく。


「ま、待ってええええあああ」


 暫く身を任せて攻防を繰り返していると、あの情けないミノさんの叫び声が飛んできた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ